Infinite Stratos Other Wings   作:槇島 包呉

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未来予想図

 

「・・・・・・そうですか。許可は降りないですか。」

学園内におけるISの貸出などを管理する事務室の入り口で告げられた現実に私は力なく返事をした。

「えぇ。ライセンスもない新入生の子には原則として一定の授業が終わるまでは個人貸出できないことになっているの。」

だから今学期は無理だと告げる教官の言葉が自分の感じる無力感とともに頭の中をすり抜けていってしまう。

「それならなんで篠ノ之さんは・・・・・・。」

失意のまま貸出用ISの管理室を出て、既に許可がおりたんだと言っていたクラスメイトの名前を口にしたところではっと気付かされる。

先程の教官は口にしなかったがこっちは既に知ってしまっている彼女には許可が降りたという事実。

その理由なんてISというものを学ぼうとした者なら行き着かないわけはない。

なにせISの開発者でもあるあの篠ノ之束の実の妹なのだ。

天災の妹という扱いで呼ばれることを嫌がっていた彼女の意思とは関係無しに周囲の者からすれば彼女は特別な存在なのではないだろうか。

「ヘンなこと考えるのはやめよ。・・・・・・まぁ、これが普通だよね。新入生にそう簡単に貸してくれるわけ無いか。」

少々邪推をしてしまったことに自己嫌悪を感じてしまい、軽く頭を振って気を取り直すと、IS貸出不許可という事実と共に廊下を力なく戻りながらそうつぶやく。

しかし、新学期早々ということもあって誰もいないと思って呟いたその言葉に返事をする者が居た。

「それなら、力を貸そうか?」

「えーっと・・・・・・畝霧くん、だよね?」

突然声をかけられた事に驚いて振り返るとそこに居たのはこのIS学園にて異色となる男子クラスメイト達の一人であった。

「盗み聞きするつもりはなかったんだが・・・・・・ちょっと移動しながらでいいから話せないか?」

「・・・・・・うん、いいよ。」

そう提案されて何かを期待するわけではないがどうせならちょっとくらい愚痴に付き合ってもらえればいいと考えて返事をする。

「それで、何か用でもあったの?」

そうして教室に戻りながら彼が何を言おうとしていたのかと尋ねた。

それが始まりだったのだろう。

「相川さんはすぐにでも空を飛んでみたいか?」

「・・・・・・空、を?」

ちょうど背後に位置する窓のせいで逆光となった畝霧くんはそう言って笑った。

 

そして

「この後すぐでいいの?」

畝霧くんのとある相談を受けた私はそう尋ねた。

「頼めるか?」

「・・・・・・うん。その代わり忘れないでねさっきの事。」

「こっちから出した条件だからな。」

そう短く会話をして畝霧くんと一度別れた私は教室で待つ二人の元に向かった。

 

「どうだった、相川さん?」

教室に戻ってすぐに篠ノ之さんと一緒に待っていた織斑くんが使用許可の結果を訪ねてくる。その二人の表情に悪い結果を疑うものは感じられなかった。

「・・・・・・うん、私も明後日からなんとかなりそう!」

先程の約束もあり、詳細を伏せたままで結論だけを伝える。

「あ、それと・・・・・・実は、私達を手伝いたいって人が居てね。誘っても大丈夫かな?」

更に意を決して二人にもう一人この集まりに誘ってもよいかと訪ねてみる。

「大歓迎だよ。」

「そんないちいち尋ねるような相手なのか?」

今更遠慮はいらないとでも言い出しそうな顔で返事をする織斑くんと相手が誰なのか気になったのだろう篠ノ之さんになんと説明しようかと考えたところで、しっかり話の流れを聞いていたのか教室の扉が開いて

「まぁ、尋ねた方がいいだろうな。参加させてほしいのは俺だよ。」

と言いながら畝霧くんが入ってくる。

「蔵人?!」

予想していなかった参加者の姿に織斑くんが驚いて声の主(畝霧くん)に尋ね返す。

教室のドアすぐ横に立つのはある意味この騒動を生み出したきっかけでもあるEAFパイロットのメンバーであった。

我々(EAF)の模擬戦代表が決まったから届けを出してたんだよ。そしたらそこの相川さんが面白そうな話してたのと整備主任から指示された任務があったものだから参加させてもらえないものかと、な。」

「それで一体何を手伝うつもりなんだ?そもそもお前は相手側だろう!」

クラスメイトとはいえ今度の試合の対戦相手側であるはずの畝霧くんの物言いに篠ノ之参が語気を荒くする。

「誤解が生まれないように説明するが(おい)はまぁ誰の味方だとか考えては居ない。立場と任務という名目に従って己達の整備主任の我儘に付き合っているだけだ。」

「我儘って何だよ?」

あくまで自分は任務で参加を願っているだけだと告げる畝霧くんの言葉に織斑くんが尋ねた。

「・・・・・・自分達で設計したEAFに勝てる方法がある所を見てみたいそうだ。」

僅かにためらった後畝霧くんの口から説明されたのはそんな理由であった。

「はぁ?」

「勝てるって・・・・・・自分達で作ったのにか?」

あまりにも常識を疑う返答に織斑くんが間の抜けた声を出し、篠ノ之さんも呆れが混じったような口調で尋ねる。

「いわゆる常人には理解できない人間だ。(おい)も整備主任が何を考えているかなんてさっぱりわからんが話自体は面白そうだから乗らせてもらった。よろしく頼む。」

これで隠し事はナシだ。と言って畝霧くんが手を差し出す。

その姿に篠ノ之さんがちらりと私の方に視線を送ってくるので先程聞かされた話と変わったことはないと小さく応える。

「蔵人だしなぁ・・・・・・ちゃんとアドバイスしてくれよ?」

「・・・・・・はぁ、何から何まで前代未聞な集団のようだな。よろしく頼む。」

「ちゃんと紹介したからね。」

差し出された畝霧くんの手を取った織斑くんにつづいて篠ノ之さん、私の順番にそう告げ、

其れに対して「あぁ。期待を裏切らないように尽力する。」と返事が返ってきた。

 

 

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