Infinite Stratos Other Wings   作:槇島 包呉

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嵐の予感

「まぁ、流石に今のさっきのじゃ飛行許可降りんよなー。」

「そこまでトントン拍子だといくらなんでも出来過ぎだからな。」

放課後の時間を明日以降の予定決め(と雑談)にじっくり使い、女子達とも別れた後で今日から世話になる男子寮(俺やEAFメンバーの為に臨時に建てられたものらしい。)へと向かう間蔵人とそんな話をしながら歩く。

そうしてやっと男子寮についた俺達を出迎えたのは破壊力抜群の代物であった。

「ここがアナタ達の新しい生活の場、IS学園男子寮『誘惑荘』よ!」

「・・・・・・なんというか、(おい)も多少の嫌がらせは覚悟してたつもりだったがこれは予想外だったな。」

「やめるんだ・・・・・・。こんなことを繰り返していたら、心が壊れて人間ではなくなってしまう!」

男子寮へとやってきた俺達を待ち構えていたのは新築のはずなのにボロく感じるどう見ても学生向け安アパートな見た目の男子寮とジャージにリーゼントあごひげのオネエ(これでも十二分に言葉を選んだ方だ。)教師であった。

「ん?そう言えば他の奴がいないな・・・・・・?」

そこで現在の時間的に先に戻ってきているはずのEAFパイロット4人の姿すらないことに蔵人が不思議がって周囲を見渡す。

「あら、他の子ならもう中にはいってるわよ。」

寮の前の番人(教諭)の言葉に思わず目を眇めて蔵人に尋ねる。

「・・・・・・どうする蔵人?罠かな・・・・・・?」

「・・・・・・入るしかないだろうよ。」

ここに世話になる以上仕方がない。そう結論づけた俺達は覚悟を決めると目の前に立つ生体兵器(IS学園教師・鎧名権蔵)に挨拶をして寮の中へと入っていった。

余談だが寮の造りは屋外の壁沿いに直にそれぞれの部屋への玄関がある二階建でまさしく一人暮らし用アパートという作りであった。

 

その夜。

『まさか篠ノ之さんと同じ部屋だったなんてね。』

『あぁ、完全に初対面の相手よりもずっとやりやすい。これからよろしくな相川さん。』

『それでさ、今日も一緒にクラス代表に立候補したりしたからね、できたらもっと篠ノ之さんと仲良くなりたいんだ。』

『仲良く?』

『うん。私IS学園に入るためにこっちに引っ越してきたからまだ友達居ないんだ。だから友達第一号になってくれたらなーって。』

『私も、まぁ色々事情があるが一夏と千冬さん以外知り合いが居なかったんだ。だから・・・・・・その、友達になってくれると私も嬉しい。』

『やったぁ!これからよろしくね・・・・・・箒ちゃん!』

『うん、よろしく。相川さん。』

『やだな。清香でいいよ。』

『すまない。清香。改めてよろしくな。』

二人の少女達の会話にこれ以上は必要ないな、と判断したところでヘッドホンから耳を離して稼動状態にあった複合センサのアンテナを格納する。

「・・・・・・こちらEAF-02パイロット八王子有斐。本日目標α及びβとの接触に成功。その際にあった不都合の要因はこちらの判断で解消しておいた。現在のところトラブルの可能性並びに拒絶の反応は見られない。追って連絡する。」

(おい)の動きに合わせて同じ部屋に居た有斐が締め切っていたカーテンとガラス窓も開けて光学通信機の送信機を海の方へ向けると簡素なボイスメッセージメッセージを学園外の海洋に待機しているであろうバックアップチームのサポートブイに転送する。

上からの指示では文章での報告が望ましいとの事だがこんな盗聴のような行為の結果得た情報をいちいち真面目くさって文章にすることは好ましくなかったのでわざとボイスメモにしているのだ。

「ワンサマーだけじゃなくてあの二人も実際いい奴ばかりなんだろ?」

通信を終えた有斐が軽く溜息をつくとそう問うてくる。

「あぁ、何かを企んだりなんてできるような相手じゃないだろうよ。」

「こういうのは一回きりだとはいえ流石に罪悪感も湧くよな。」

自分たちに命ぜられた行為の内容に呆れるどころか嫌悪すら感じることも有り、自然と疲れたような声音になって言葉をかわす。

「嫌な役回りだよなぁ。俺達も」

「・・・・・・本当にな。」

このような命令がもう来ることがないようにと願いながらそう口にした。

 

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