Infinite Stratos Other Wings   作:槇島 包呉

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余談ですがこの時点で登場しているEAFパイロットの年齢はそれぞれ
雷吾15歳(1月22生まれ)
有斐18歳(7月7日生まれ)
雲親16歳(2月29日生まれ)
何也16歳(4月3日生まれ)
蔵人16歳(12月18日生まれ)となっています。
年齢がバラけていますが年齢的にはおおよそ一般的な学生と変わらないくらいの年代だったのでISに関する授業が独立的で途中参加しても意味が無いことなどから全員纏めて1年に入学することになったためです。


少年ハート

「みんなー!朝よ~!!」

部屋の外から聞こえてくる声に目を開くと布団から出てごそごそと動き出す。

「早いな権蔵。」

「あら蔵人おはよう。」

取り敢えず朝から元気いっぱいな騒音兵器を黙らせようと起きたばかりの寝巻き姿ではあるが一度ドアの外に顔を出して寮監に挨拶する。

権蔵の起こす時間は的確で6時30分丁度、余裕を持って朝の通学準備と食事の準備が出来るくらいであった。やるな権蔵。

しかしまだ入学して二日目であり特に備えるような物もないのだ。そうなれば準備にかける時間も短くなる。

そういうわけで、さてもう一度部屋に戻ってゆっくりするかと部屋に戻ろうと振り返った所で部屋のドアを開けてあらぬ方向を見つめたままフリーズしていた有斐を発見する。

「一体何をしているんだ有斐?」

「あぁ、蔵人。俺もう今日は満足だわ。」

「しっかりおし!?」

何が起きたのかは知らぬが朝から既に限界な様子の有斐を見て僅かに権蔵の口調が移った感じになってしまった。

「何か異常でもあったのか。」

「さっき、女子寮から出てきた真耶……先生がパジャマ姿で『8時半!?寝坊しましたぁっ!!』って言いながら走っていったんだよ。」

「……ほう。」

我々の立場等から気軽に安息を得られるような場所ではないと考えて人が真面目に尋ねたところでそのような理由が返ってくれば途端にくだらないことのように感じるものだ。

(おい)の声も自ずと冷たさを含んだものになるのは仕方ないだろう。

「いやね、パジャマってことはさ、普通ノーブラじゃん?」

「あいにく男なので分かりかねる。」

これは紛れもない事実である。

「後は……察せよ?」

「そうか。」

元々とあるISの国家代表候補生用の専用インターフェイス開発班に所属しており、今では我々のEAFの制御OSからサポートAIまで一括に担う天才技術者も正式な場での姿ならいざ知らずプライベートとなれば年頃の男だという事なのだろう。

その後は着替えだ朝食だと準備する中で未だ目覚めた気配のない一夏(ワンサマー)をたたき起こして、ついでとばかりにその音で部屋から出てきた何也とも合流した後、我々4人で食堂へ向かうことにした。

後の二名も待ったがよいかと考えていたところで現れた権蔵が雲親と雷吾は既に起きて出て行ったと教えてくれた為である。

関係ないが食堂に向かう途中、色々気づいたらしく真っ赤な顔で女子寮の方へと戻る副担任(山田真耶)とすれ違ったりもした。

その姿を見て一人口の中で成程と言葉を転がす。

先刻の有斐の言葉があったがいざ目にするとなれば思った以上であった。

確かにあれは朝から眼福ではあれども男の身体には毒であろう。

 

さて、とりわけ重大な議題があるわけでもなく軽い雑談とともにやってきたIS学園食堂。

昨夜は我々(男子寮組)のみ歓迎会と称した権蔵の手料理(余談であるがかなり旨かった)だったのでなんだかんだで(おい)にとっては初の利用である。

「おうワンサマー今朝はいいことあったし朝飯おごってやるよ。カレーうどんな。」

「テメェくらわすぞコラ。」

今朝の副担任の姿がよっぽど嬉しかったのか不気味なほど機嫌のよい有斐が一夏に朝食のおごりという実に嬉しい発言をしてくれるが、()である我々(EAF)と違い真っ白の制服である一夏にとって朝一で飛沫が飛びやすいカレーうどんとは即ち死刑宣告も同意であろう。

そのようなくだらない会話をしながら朝食を求めて女子生徒達の列の最後に並ぶ。

そして

「で、どこに座りましょうかね。」

「分かっちゃいたけど女ばっかで座る場所がねぇ。」

「5,6人座れるスペースって中々ないもんよな。」

「席が見つからぬか…。」

我々の中でも最後尾であった己が食事の載せられた盆を受け取った後、我々一同は空きが全く見つからない座席を見渡したまま立ち尽くしていた。

「おーい。」

そんな折、都合よくこちらへ向けられたと思われる呼び声に何也が視線を向けて声の主を探す。

「なぁ、あれって俺達呼んでると思う?」

「多分。」

何也とほぼ同時に声の主を見つけたらしい有斐の疑問に何也も怪訝な顔で返事をする。

「こっちこっちー。」

「・・・・・・たしかのほほほと・・・・・・なんだっけ?」

「布仏本音だったか?」

「確かそうだったな。」

一夏と己も二人の視線を辿って声の主を特定すると一夏が名前を思い出そうと頭を捻りはじめたので早く食事にありつくために早急に答えを告げた。

「おりむー達もこっちに座りなよー。」

ぶんぶんと本人的には勢いよくと思われるが客観的にはゆるやかに長い袖を振って合図をする布仏。

「おりむーって俺のことか?」

「おりむーはおりむーだよ。」

とにかく、呼ばれているようなのでそちらに向かい、珍妙な呼び名の対象が自分なのか確認している一夏を横目に丁度同じグループで食事していたらしい相川、篠ノ之の両名に眼で挨拶をするとそれぞれ相席を了承したのでうまく一夏と箒が向かい合うようにしてぞろぞろと席についていく。

「あ、ワンサマーと俺との向かいに一つ席空けといてもらえる?」

「良いけど……誰か来るのか?」

「まだ未定だがな。」

そのまま順次席につこうとしていたところである目的を思い出した為、向かいに座ろうとしていた何也に一言告げて1つ席を空けてもらうことにする。

「男子からはワンサマーと呼ばれてるみたいだし昨日からあだ名には困らないな。おりむー。」

「これからはおりむー君だね。」

「……箒と相川さんまでそう呼ぶのか。」

本音に命名されたあだ名を楽しげに口にする相川と篠ノ之の言葉に己の隣りに座る一夏が楽しみにしていた食事を前にしてなんとも言えぬ顔になる。

「ワンサマー・オリムーってどこの国の人だよ?」

「ワンサマー・オリムー(笑)」

「お前等は少し黙ってろよ。」

そんな一夏を見逃さず茶化す何也と有斐の2人に言い返すことによって一夏はなんとか調子を取り戻すことに成功する。

「おりむーはおにぃさん達からワンサマーって呼ばれてるんだねー。」

そんな我々の様子を見てかのんびりとした調子で布仏が何也に一夏の呼び方を尋ねた。

「おにぃさんって俺ですか?」

生まれの日の遅い早いがあれども一応同学年というくくりである上に現実として年上の己と雲親を差し置いておにぃさんなどと呼ばれた本人である何也が困惑して尋ね返す。

「うんー。おにぃさんはおにぃさんだしー。」

「おにぃさんはクラスメイト的にどうかと思うけどまぁアリちゃあアリでね?」

確か4月頭の生まれだったろう?といつの間にか合流していた雲親が席につきながら付け加えるようにフォローをする。

「おにいさんwwwwwwおwwにwいwwwっwさwwっんwwwwww」

それに比べてオリムー・ワンサマー氏(随分と多国籍な地方の出身と予想される)は何也の呼ばれ方に腹を抱えて笑っていた。

お前の方も大概だぞと言いたいところではあるが。

「お前に今、朝食が跳ねまわる呪いをかけておいた。」

「白の制服に朝食カレーうどんってだけでも厳しいのに悪魔かよ!!」

そんな様子の一夏に対して何也が冷酷に死刑宣言を言い返すのであった。

 

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