GOD SPEED BAKA   作:アクアマン

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第3話

明久サイド

 

体がだるい。いったい僕に何が起こったんだ?しかも目の前が真っ暗だって目をつぶっているからか。なら目を開ければ解決だね。そう思った僕は重いまぶたを開けた。そして目が覚めた僕の第一声は

 

「・・・知らない天井だ」

 

だった。だって無理ないよ。明らかに僕の部屋じゃないのだから。もしかして誘拐。ということは身代金を取られるのかな!?

 

「少年」

 

でも両親や姉さんは海外だし、第一身代金出してくれる可能性がない。

 

「おい、少年」

 

万が一出してくれたとしても僕の命が無事である保証がない。あぁー、こんなことならもっと早く姫路さんに告白すれば・・・

 

「いい加減にこちらに気づけーーー!#」

 

バチコーンッ!!☆ミ

 

「んぎゃっ!? 」

 

突然背後から景気のいい一発をくらい僕は正気に戻った。そして殴られた方向を見ると先ほどの蟻軍団の格好をした人が立っていた。

 

「全く目が覚めるなり錯乱状態になって、こちらが何を言っても聞いていないのだから、ほんとにこの少年がカブトゼクターに選ばれし者が疑いたくなる」

 

蟻軍団の格好をした人はそうつぶやいていたが今の僕に言えることは唯一つ・・・

 

説明をお願いしたい

 

「とにかく目が覚めたらお前を田所さんの所へ連れて行くよう指示を出されているからさっさと来い!」

 

そういって蟻の格好をした人は僕の腕をつかみ歩き出した。てか痛い!!自分で歩くから離して!!

 

そしてなんだかんだで僕は一つの部屋に案内された。

 

「田所さん。例の少年を連れてきました」

 

蟻軍団の格好をした人はそう言った後ドアの中から

 

『ご苦労、入れ』

 

そんな声が聞こえ、僕は蟻軍団の人と一緒に中に入った。

 

部屋の中には先ほどの男の人と秘書であろう一人の女性が立っていた。

 

「苦労をかけたな。お前は下がれ。」

 

「はっ」

 

男の人は蟻軍団の人にそう指示し、蟻軍団の人は部屋から出て行った。そういえばこの男の人蟻軍団が「田所さん」と言っていたからこの人は田所と言う名前なんだろう。

 

「ZECTへようこそ。まずは自己紹介をしよう。私はZECTのリーダー、田所修一。そしてそこの女性は私の秘書である・・・」

 

「岬祐月よ」

 

二人はそういって自己紹介をした。名前を言ったのだから僕も言わないと。でもなんか重苦しいのでちょっとなごみやすく

 

「僕の名前は吉井明久です。気軽にダーリンと呼んでください♪」

 

僕はそういって自己紹介をした

 

「どうせ、息苦しいから明るくしようと今のことを言ったのだからはっきりいっておく。面白くもなんともない。」

 

ぐおっ。田所さんからそんな遠慮なしの台詞が飛びかった。そんなに面白くないのかな~(泣)?

 

「とまあそんなことはどうでもいいとして、まずは君を襲ったあの怪物について説明しよう」

 

田所さんがそういった瞬間ますます空気が重くなったように感じた。うう~息苦しい。こんな空気苦手だから逃げ出したい・・・

 

「あれは宇宙から来た生物ワームと言う存在だ。10年前の隕石のことは知っているか?」

 

ああ、確かとある島に隕石が落ちて隕石が落ちた島は落ちた1週間後に立ち入りを禁止したあれのことかな?

 

「ワームはそのとき落ちてきた隕石とともに地球に飛来した地球外生命体だ。また彼らには2つの形態がある。まず最初に君が見た緑色の状態はサナギ体と呼ばれる存在だ。彼ら程度なら通常の兵器でも倒すことが可能だ。そしてもう一つの形態と言うのが成虫体。この状態だと通常兵器でも倒すことが至難な状態だ。そしてワームは人間に擬態することができ密かに人間を殺害しながら繁殖し続けている」

 

うわっ。規模が大きすぎる。てかなんでこの人はそのこと知っているの?そうしたら田所さんは表情を察したのか

 

「あの島が立ち入りを禁止したのは隕石の被害によるものではなかった。10年前、私はあの島に落ちた隕石を調査するため島を訪れた。しかしそのときワームの大群に襲われた」

 

そういって田所さんは上着を脱いで背中を僕に見せた。その背中から恐ろしい傷跡が刻まれていた。

 

「これはそのとき彼らに襲われできた傷だ。彼らに襲われ生き延びた人は私を含め数人しかいない。そして私を含め生き残った人物はすぐにその島の立ち入りを禁止するよう政府に訴えた。これが10年前の真相だ」

 

そういって田所さんは服を着なおし再び席に着いた。

 

「しかし、いずれ彼らは島から外へ出て人間を襲うかもしれない。そう感じた私と生き残った数人のチームはZECTを作りあげ彼らを研究し、彼らに対抗できるシステム、マスクドライダーズシステムを作り上げた。しかし時間は残酷であり時がたつにつれあの日生き残った者は次々と死んで今あの時生き残ったのは私しかいない。私はあの日死んだ者、そしてその後死んだ者の思いを背負ってここにいる。そして私の秘書である岬も似た境遇を持っている」

 

田所さんはそういうと岬さんは憎しみのこもった声でその口を開いた

 

「私の両親はあの日、隕石を調査するため島を訪れ二人ともワームに殺された。だから私は社長がZECTを立ち上げたと聞いてすぐに入隊した。両親を殺したワームに復讐するために!!」

 

岬さんはそんなことを言っていた。その言葉には怒りと悲しみが混じっていた。

 

 

「あれから10年ワームはあの島で繁殖を続けついにやってきた。しかし、同時に我々は5つのライダーシステムを完成した」

 

田所さんはそういって拳を強く握り締めながらそういった。てあれ5つ?

 

「あの~、5つと言いましたよね?」

 

「ああ、君が持っているカブト虫をモチーフとしたカブトゼクターに、蜂をモチーフとしたザビーゼクター、トンボをモチーフとしたドレイクゼクター、サソリをモチーフとしたサソードゼクター、そしてクワガタ虫をモチーフとしたガタックゼクターの5つだ。これらは意思を持ち資格者が命の危険にさらされたときもしくは資格者の意思で現れる。」

 

そういって田所さんは窓を開け・・・

 

「百聞は一見にしかず。カブトゼクターを呼んでみたまえ」

 

田所さんはそういったので僕は先ほどのカブト虫がくるよう頭の中で念じてみた。そしたら・・・

 

ドゴッ!!

 

突然部屋の天井を突き抜けて先ほどの赤いカブト虫がやってきた。

 

「なんで窓を開けたのに天井をぶち破るんだ・・・」

 

田所さんはそういって頭を抱えながら椅子に座った。いやでも僕のせいじゃありませんからね!?

 

「とりあえず、このように君の意思でそいつが現れる。」

 

田所さんはそう疲れた声で結論に持っていった。あれそういえば・・・

 

「あの~一つ気になったのですが・・・ワームとやらに対抗するためにこれらを作り上げたのから、僕のような一介の学生ではなくここの人に資格者を出せばよかったのでは?」

 

僕はそんな当たり前の疑問を田所さんに言った。そしたら田所さんは・・・

 

「確かに最初はZECTのメンバーに資格者を選ぼうとした。しかし、5つのゼクターは突然外へ飛び出してしまった。おそらく、我々ZECTのメンバーは彼らに選ばれなかった。だから残りの4つのゼクターは現在行方不明。彼らは自らを主へと決める人物を探すためいまもどこかにいる。しかし現在ワームに対抗できるのはカブトゼクターに選ばれた君だけだ。そこで君をここに連れてきた本当の理由を話す。単刀直入にいう。吉井君ZECTに入る気はあるかね?」

 

田所さんはそういって僕をみるけど・・・

 

「でも僕純粋な学生ですし・・・急にそんなことを言われても・・・」

 

しかし、田所さんは僕の言ったことをお構いなしに電卓をたたき

 

「ZECTに入ったら初任給はこのぐらい出る。」

 

そういって電卓に打ち出された数字を見ると・・・ぐおっ!

 

そこに記されていた数字は僕の月の仕送り3年分の金額であった

 

「さらに月の給料はこのぐらい。」

 

そういって電卓を打ち直し数字をみせると・・・ぐあっ!

 

今度は5年分!?

 

「さらにすべてが終わりZECTが解散になるとき危険手当を含めた退職金はこのぐらいだ。」

 

そしてその額を見ると・・・ぐはっ!!

 

・・・学問のすすめを書いた人が5000人いる。

 

「どうだ。ZECTに入るかね?」

 

「入ります」

 

即決だった。何!?お金につられた?違うよ。地球の未来を守るためだよ!!

 

「そう言うのは私とてうれしい。しかしくれぐれもこのことは他言しないように」

 

「何で?あっ、もしかして地球のピンチをそう広めてしまったら世界中がパニックになるから?」

 

僕はそういって当然の理由を言った。

 

「それもあるが、ワームは先ほど人間に擬態できると言ったが、彼らは姿形をそっくりに変えるだけでなく擬態した人物の記憶を受け継ぐことができる。もし君が話した人物がとっくの昔にワームに擬態した人物だったり、話した後ワームがその人物に成り代わってしまったらZECTの所在を知られてしまい大量のワームがなだれ込む可能性がある。現状カブトのみの状況で彼らを何とかするかするのは難しい。だから絶対に他言は禁止だ。」

 

そういって田所さんは怖い目で僕をにらむ。この感じ、鉄人と同じかそれ以上だ・・・。

 

「はいっ!わかりました!!」

 

その迫力に負け僕は同意する。

 

「では君のZECT入隊記念とし一つプレゼントをあげよう。」

 

そういって田所さんは指を鳴らし、後ろからかなり大きいモニターが現れた。そしてモニターに映像が写りだされた。そこには赤いカブト虫のようなバイクが写っていた。

 

「カブト専用のバイク。その名もカブトエクステンダー。これを君にやろう。免許証は後で我々のほうから出しておく。」

 

そういって再びモニターがしまっていく。

 

「吉井明久君。ZECTは君を歓迎する。」

 

そういって田所さんは僕の手を硬く握り締める。

 

「そういえば、吉井君。明日から土日と祝日で3連休だったな?」

 

「はい。それが何ですか?」

 

そういった瞬間、岬さんから恐怖の言葉が語られた。

 

「では社長。吉井君のZECTの入隊が確定しましたので戦い方や、カブトエクステンダーの操縦法を彼の休みを利用して教えます。」

 

岬さんからそんな恐怖の言葉が語られた。てか何で!?と思っていると顔に出ていたのか・・・

 

「君はまだカブトの使い方を知らない。先ほどの戦いも私が指示を出さなきゃ負けていたかもしれないからな。君の休みを利用しカブトの使い方をみっちり教えてやる」

 

田所さんからそんな言葉が出た。この人もしかして鉄人の親族か・・・?でも僕の天国の3日間がそんな地獄に変わるぐらいなら逃げるしかない。そう思った僕は逃走準備を図った。しかしそのとき。

 

バタンッ

 

突然ドアが開き中から蟻軍団の方々が現れ僕の両手をぎっちりと捕らえた。

 

「言い忘れていた。彼らはZECTの戦闘員で蟻をモチーフとしたゼクトルーパーだ。では吉井君を頼んだぞ」

 

『はっ!』

 

そういって彼らは僕の両手をがっちりホールドしたまま僕を引きずっていった。

 

「助けて~~~!」

 

僕は無駄にも等しい叫び声を上げるしかなかった。そして3日間僕は地獄を見た。そして10回はきれいな花が咲いた川をみた。余談だが3回はそこで雄二もいた。

 

 

 

田所サイド

 

吉井君が訓練室に連れて行かれたのを見とどけた私はパソコンを見て彼が通っている学校を調べた。

 

「彼は文月学園の生徒か・・・。岬!」

 

「なんでしょうか?」

 

「お前に任務を与える。お前には・・・」

 

そして私は岬に任務の内容を説明し彼女が「わかりました」と言って部屋から出た後私は腰を上げて外を見た。

 

「この戦い。果たして勝つのか我々人類か、それともワームか・・・」

 

その答えを知るのはおそらく神でしか知らない。その言葉を私は言った。

 

 

 

明久サイド

 

あの地獄から3日後。僕は休み明けの学校へ登校した。一つだけよかったことは今朝は観察処分者の仕事がなかったぐらいかな。もしあったら僕の命は終わっていたかもしれない。でも学校にいる間はZECTのことを忘れられる。ある意味オアシスだ。とりあえず教室に入ると僕はすぐにちゃぶ台に突っ伏した。

 

「明久、どうしたのじゃ?」

 

僕の親友の一人である、見た目は女の子でも実際は男である木下秀吉がそんな疑問を投げかける。

 

「ごめん。なんでもない。」

 

僕はそういってこの場をやり過ごす。ごめんね。ZECTのことを話すわけにはいかないんだ。

 

「いや、何かあったに違いないぞ。なにしろこの3日間俺は翔子に追われ臨死体験を3回やったがそのとき見えた景色にはなぜかお前もいた」

 

そんなことを言いながら僕の悪友の一人、ゴリラの生まれ変わりでもある霧島(旧姓:坂本)雄二が現れた。

 

「ちょっと待て。今失礼なことと恐ろしいことを思わなかったか?」

 

勘が鋭いやつだ。

 

「・・・そんなことより朗報だ。今日からこのクラスに副担任が来るらしい。しかも女性だ」

 

そんなことを言いながら僕の悪友の一人土屋康太(別名:ムッツリーニ)が現れた。ナイスフォローだ。ムッツリーニ!

 

「副担任?この時期に珍しいな。ムッツリーニ、名前は?」

 

「・・・そこまでは知らん。」

 

そんなトークをしていると担任である鉄人が教室に入ってきて雄二たちはあわてて席に戻る。

 

「お前たち、喜べ。今日からこの教室に副担任が入る。しかも女性だ。」

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー』

 

鉄人がそんなことを言った瞬間Fクラスのバカどもはガラスが割れるぐらいの大音量で雄たけびを上げた。

 

「静かにしろ。それでは入ってください」

 

鉄人がバカどもを黙らせ、問題の副担任を呼んだ。

 

クラス中が息を飲んで見守る中、中に入ってきたのは・・・ってあれこの人って・・・!?

 

「今日からこのクラスの副担任になります岬祐月です。皆さんよろしくお願いします」

 

そういってZECTのリーダーの秘書である岬さんは一礼した。そしてこの瞬間僕の心のオアシスは崩壊した・・・。




言い忘れていたけど、バカテスの時系列は

ラ・ペディスバイト編→今回のことあたりです。ザビー編までは頭の中でストックができています。

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