GOD SPEED BAKA   作:アクアマン

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第45話

優子サイド

 

あたしはあたしのことを秀吉だと思っている吉井君と一緒に帰路についていた

 

「本当にすまんのう、吉・・・明久。」

 

うう・・・秀吉になりきるとはいえなれないわね・・・

 

「いいって。秀吉。そういえば、今日お姉さんがプロモーションビデオのための校歌を歌うんだったよね?」

 

「ああ、そうじゃ。」

 

やっているのは秀吉だけどね・・・

 

「鉄人もその準備のせいか忙しくて今日の補習は中止になるし本当に天国だよ」

 

こいつ裏事情も知らないで呑気に言うな♯

 

「そういえば、明久?」

 

私は今にもこのバカに関節技をかけそうな気持ちを抑えつつあたしはあのことを聞いた

 

「なに、秀吉?」

 

「前から気になっておったのじゃが・・・」

 

とあたしが続きを言おうとしたその時

 

ピリリリリ!!

 

突然吉井君の懐から音が聞こえ、吉井君は懐に手を入れた。そして懐から手を戻すと吉井君の手には携帯電話があったけど、あんたそれ校則違反じゃないの!?

 

「どうしたんですか、岬先生!?」

 

電話の相手を聞いてあたしは驚いた。あんたなんで自分のクラスの副担任のケータイ番号を持っているのよ!?岬先生もなんで吉井君のケータイに電話をかけるのよ。ていうかなんで吉井君がケータイ持っていることを知っているのよ!!知っていたら没収するはずなのに!!ああ、もうツッコミどころが多すぎてツッコミしきれない!!

 

「わかりました、秀吉も近くにいるのですぐ向かいます!!」

 

向かうってどこに?と思っていたらいきなり吉井君はあたしの手を握って走り出した。

 

「ちょっと明久、どこ行くのじゃ!?」

 

「だから、秀吉。わかりきっていることを聞かないで!!」

 

わからないわよーーーーーーー!!!

 

 

走り出すこと10数分あたしたちは今は使われていない廃工場にいた。

 

「明久・・・。いったいこんなところに連れ出して何を・・・」

 

あたしは続きを言おうとしたけど吉井君は聞いていないのか秀吉の持って帰るように言われた段ボールをあさっていた。

 

「多分の秀吉のことだからここに・・・、あった!!」

 

吉井君は何かを見つけたのか見つけた何かを箱から出した。

 

「はい、秀吉」

 

そういって、吉井君は出したものをあたしに手渡したけど、これは・・・

 

「剣・・・?」

 

それは、刀身以外ほとんどが紫色をしていた剣だった。秀吉のやついったいどんな演劇を・・・、と思っていたら工場の窓から漏れてきた太陽の光が刀身に当たり刃がまぶしいぐらいに光った。ちょ、これ本物!?なんで秀吉が本物の剣なんか持っているのよ!!度重なる衝撃にあたしが混乱したその時

 

ガッシャーーーーーンッ!!

 

突然、ドラム缶らしき音が倒れる音がしてあたしは音のしたほうに顔を向ける。そこには・・・

 

「な、なによあれ・・・?」

 

思わずなりきるというのも忘れていた。無理もない。目の前には明らかに地球の生物ではない生き物が何体もいたのだから

 

「秀吉、ボーとしてないでいくよ!!」

 

吉井君はあたしに向かってそう言った瞬間

 

ドゴッ!!

 

突然後ろの壁から何かが突き抜けるような音がしてあたしは振り向くとそこには赤い色のカブトムシの形をした機械があった。それを吉井君がキャッチして・・・

 

「変身!!」

 

<Henshin>

 

そう叫んだら吉井君はさっきまでの姿とは違う、そう例えるなら昆虫のサナギのような姿となった

 

「吉井君・・・。なんなの、その姿・・・。」

 

もう秀吉になりきるとかそういう状態ではなかった。あまりのことが強烈過ぎたからだでも吉井君は聞いていなかったのか姿を変えた後異形に立ち向かった

 

「はあ!!」

 

吉井君は異形を殴ったり斧のような武器(どっから出したのよ!!)で異形を攻撃した。その戦いを見て初めてではなく何度も戦ったような感じがした。と思っていたら・・・

 

「シャーーーー」

 

異形の何体かはあたしに気づきあたしに襲い掛かってきた。

 

「いやーーーー!!」

 

あたしは恐怖で頭がおかしくなったのか吉井君に渡された剣を振り回し異形が来ないようにするがそんなことはお構いなく異形は軽く一振りで剣をはらい落とす。そして腕を高く上げて勢いおく降り下げた。

 

「ひっ!!」

 

私は殺されると思ったが足がふらつき一瞬後ろへ後ずさり異形の攻撃を間一髪直撃を免れたが・・・

 

 

 

びりりっ!!

 

 

異形のかぎ爪が制服に当たり制服は破れそこから下着が現れた。

 

「いやーーー!!」

 

あたしはこのことに気づき悲鳴を上げながら体を隠す。とそこへあたしがピンチになっているのに気が付いたのか吉井君が異形を撥ね飛ばしあたしの前に現れた。しかもさっき異形に払いのかれた剣を持って

 

「秀吉、大丈夫?でもなんで・・・」

 

吉井君はあたしの心配をしようとした瞬間今のあたしを見て固まった。ま、まずい・・・

 

「秀吉、それはもしかして・・・」

 

やばい、ばれた・・・!?

 

「さっきからおかしいと思っていたけど君はやはり・・・」

 

やばい・・・

 

「女の子だったんだね!!」

 

「そんなわけないでしょう!!」

 

このバカから発せられた一言にあたしの怒りの臨界点が超えたのかこのバカの急所に鋭い蹴りを入れる

 

「ぐおおおお・・・。秀吉何を・・・」

 

「あんたが悪い・・・」

 

急所をけられたバカは悶絶するがあたしもこのバカが現在鎧のような状態になっているためその装甲のせいで蹴った足がかなりしびれ倒れる。

 

「シャア?」

 

「シャア?」

 

この様子を見ていた異形も襲い掛かるのはやめて何か話し合いをしていた。多分「なにしているの、こいつら?」「バカか、こいつら?」と言っているのだろう。とそのとき

 

「シャーーーーーーーーーーーーーー」

 

突然一体の異形が廃工場の窓ガラスが割れるぐらいの咆哮を上げた。絶対こいつ「ふざけるなーーーー!!」と言っているのだろう。しかも変化はそれだけではなかった。咆哮を上げた異形の体が突然赤くなった

 

「ま、まずい・・・。これは・・・」

 

吉井君もある程度回復したのか何とか立つ。そして体が赤くなった異形は姿を変え、シロアリのような姿となった。同時に隣にいた異形も似たような変化をしそいつもシロアリのような姿となった

 

『てめえら、コントの時間はお終いだ・・・。続きはあの世でやれ・・・』

 

この姿になると言語が話せるのか怪物の一体がそんなことを言った

 

「あの世に行くのはそっちだよ!!」

 

そう言って吉井君は腰に装着していたカブトムシの角に手をかけ

 

「キャストオフ!!」

 

と叫んだあと角を反対のむきにした

 

<Cast Off>

 

そして吉井君の周りを覆っていた鎧がはじけ飛び鎧の一部が残りの緑の異形にあたり爆発したと同時に吉井君の姿はカブトムシのような姿となった

 

<Change Beetle>

 

「さあ、秀吉も!!」

 

このバカはいつまであたしのことを秀吉だと思っているのかそんなことを言った

 

「吉井君、あたしは・・・」

 

いい加減にこのバカにあたしは優子だって言おうとしたその瞬間怪物の一体がその姿を消した。そのことに気づいた吉井君は・・・

 

「クロックアップ!!」

 

<Clock Up>

 

吉井君がそう叫んだあと吉井君の姿も消えた。その瞬間周りにあったドラム缶が突然はじけ飛んだり鉄パイプが突然宙に浮かんだ。そして・・・

 

<Clock Over>

 

そんな音が聞こえた瞬間吉井君と異形はさっきと違った場所にいた。それを見た瞬間あたしは今までの違和感のことを思い出した

 

『最近吉井を追いかけると突然原因不明の昏倒が・・・』

 

さっき教室で吉井君を追いかけたクラスのことはそう言った。今の様子を見たらその答えが分かった。吉井君たちは人間の常識をはるかに超えた速さで戦っていたことを。だからあの時早く戻ってこれた。だってそれを使って彼らを昏倒させたのなら普通の人間では何が起こったのかわからないから・・・。そして、もう一つの違和感が、そして最も考えたくないことにも気づいた、それは・・・

 

『秀吉・・・。あんたいつの間に私の動きを見切ったの・・・』

 

『いろいろあってのう・・・』

 

なんで秀吉があたしの動きを見切れたのか・・・

 

『なに言っているのさ、秀吉~。わかっているはずなのに~』

 

どうして秀吉が吉井君が彼らを昏倒させた理由を知っているのか・・・

 

『わかりました、秀吉も近くにいるのですぐ向かいます!!』

 

どうして秀吉(中身はあたしだけど)をこんな危険なところに連れて行ったのか・・・

 

『秀吉、ボーとしてないでいくよ!!』

 

『さあ、秀吉も!!』

 

そして秀吉にもできるような言葉の数々。これらを考えると導かれる結論は一つしかない。そう秀吉は・・・

 

そう考えた瞬間吉井君と戦っているとは別のシロアリもどきがあたしに向かってきた

 

「シャーーーー!」

 

そんな奇声を上げながら怪物は腕を構えた。その腕は鋼鉄やコンクリートも粉砕する事ができるような腕だった。

 

「い、いや・・・」

 

あたしは体を隠しながら後ずさりをするが次第にあたしの背中が壁に当たりあたしは逃げ場を失う・・・

 

「シャーーーーーー!!」

 

そして怪物はあたしを殺そうと腕を振り上げた

 

「いやーーーーーーーーーーーー!!」

 

そして、怪物の腕が振り下ろされたその時!!

 

 

<Standby>

 

 

どっからかそんな声が聞こえた瞬間あたしの足元から何かが現れ怪物に体当たりをした

 

「シャアーーーー!!」

 

突然のことで怪物は後ずさる

 

「こ、今度は何・・・?」

 

あたしはそう言いながら地面の中から現れた正体を見る。それは・・・

 

「サソリ・・・?」

 

サソリのようなメカだった。いったいこれは・・・。あたしは気になったその時

 

「姉上、無事か!?」

 

突然入口のほうから聞きなれた声が聞こえた。その声の正体、それは・・・

 

「秀吉!!」

 

あたしがそう叫んだ同時に秀吉は駆けつけあたしのもとへ来る。

 

「秀吉、どうしてここが分かったの。てかプロモーションビデオは・・・」

 

あたしはわけを言った

 

「こんなことがあろうかとワシもワシの写真と引き換えにムッツリーニに頼んで盗聴器と発信機をわしの鞄に仕込んでおいたのじゃ!!それとビデオの撮影は終わったから急いで発信機を頼りに来たわけじゃ!!」

 

なるほど、だから土屋君あたしに盗聴器をくれた後「今日は大漁」ていったわけね・・・。

 

「秀吉のお姉さん、どうしてここに!?」

 

吉井君もこのことに気づいたのか怪物を羽交い絞めにしながら聞いた

 

「明久、説明はあとじゃ。今は・・・」

 

そう言って秀吉はあたしが握っていた剣を持つとサソリもどきを掴み・・・

 

「変身!!」

 

<Henshin>

 

秀吉の体がさっきの吉井君とは姿が違うが雰囲気は似たような姿となった

 

「さあ、開演じゃ!!」

 

そういって、秀吉はあたしに襲い掛かってきたシロアリもどきに向かって突撃していった。その戦いも吉井君と同じく何回も戦ったことがあるような姿だった

 

「秀吉・・・」

 

あたしは戦っている愚弟をみて思った。あたしは日常生活で優等生を演じているその裏であなたは危険な戦いをしていたことに。そして入れ替わりを断ったのもあたしが巻き込まれないようにするため・・・。愚弟が大変なことになっているのにあたしは呑気に・・・。ほんとバカみたい・・・。そう思ったあたしの顔は笑いながらそして目には一つの涙がこぼれていた

 

「はあ!!」

 

秀吉のその叫びであたしはもう一度秀吉を見る

 

「キャストオフ!!」

 

<Cast Off>

 

<Change Scorpion>

 

そして秀吉の叫びとともにその姿をサソリのような姿となった。

 

『シャアーーーー!!』

 

秀吉がその姿となった瞬間吉井君に羽交い絞めされていた怪物が無理やり振りほどき2人一緒に秀吉に襲い掛かってきた。けど・・・

 

「さあ、終演じゃ・・・」

 

秀吉がそうつぶやくと剣に合体していたサソリもどきの尾を押し込みながら・・・

 

「ライダースラッシュ!!」

 

<Rider Slash>

 

そう叫んだ瞬間、剣からとてつもないエネルギーが見えた。同時に・・・

 

「クロックアップ!!」

 

<Clock Up>

 

吉井君と同じように叫んだあと秀吉の姿が一瞬消える。そして・・・

 

<Clock Over>

 

秀吉の姿が再び現れたと同時に怪物は爆発した。何が起こったのかは見えなかったがおそらくあの常識を超えた速さであの怪物を斬ったのだろう。そして怪物が全滅したのか吉井君と秀吉の姿が元に戻る

 

「えーと・・・。サソードは秀吉のはずだけど、どう見ても今お姉さんが変身してたよね・・・。これってどういう・・・」

 

吉井君はまだ入れ替わりのことに気づいてないのか頭を悩ませる。とそこへ・・・

 

「吉井君。その答えは簡単よ。二人は入れ替わっていたの」

 

そういいながら工場の入り口からアリのような格好をした黒ずくめの集団を引き連れ岬先生が現れた

 

「入れ替わっていてもゼクターはその程度では資格者を間違えない。というより資格者に擬態してもゼクターが反応しないように作られているから当然よね。だからサソードゼクターは秀吉君が来るまで反応しなかった。」

 

「なるほど!!」

 

このバカもようやく納得をする。しかし・・・

 

「しかし、気になるのはただ一つ。君たちどうして入れ替わっていたの・・・?」

 

そういって岬先生は満身の笑みを浮かべ後ろには修羅が見えるような状態となった

 

「岬さんのあの姿初めて見た・・・」

 

「俺なんだか、怖えよ!」

 

「あわわ・・・」

 

後ろにいる黒ずくめの人たちも岬先生の怒りにおびえる

 

「確かお姉さんのほうは今日学校のプロモーションビデオの撮影だったはずよね・・・。つまり入れ替わったということは撮影に出てたのは秀吉君のほう。どうして入れ替わりをしたのかしら・・・」

 

そういって岬さんは殺気全開であたしたちに近づいてくる

 

『ひいいいいいいい!!』

 

その後、あたしたちは岬先生から発せられる殺気におびえすべて(あたしが超がつくぐらいの音痴、優等生のプライドを守るため入れ替わりをした等)をすべて白状しその後小1時間岬先生によるお説教を受けるのであった

 

「木下さん・・・、音痴だったんだ・・・。」

 

白状中に聞こえた吉井君のその言葉を聞いたあたしはお説教が終わった後「このことは秘密にして!!」と顔を赤らめながら口封じをするのであった。

 

秀吉サイド

 

岬教諭の説教が終わり解放されたわしらであったが、今回の件が原因で姉上にわしが大変なことに巻き込まれていることを知ってしまった。だから岬教諭、明久と一緒にZECTのことワームのことそして今のワシらのことを姉上に話したのじゃ

 

「そういうことだったの・・・。しかも、坂本君や土屋君、そして姫路さんもあの姿に・・・。おまけに島田さんだけじゃなく代表や愛子まで知っているなんて・・・。」

 

すべてを知った姉上はあまりのことに驚愕しておった

 

「ところで姉上はどうするのじゃ?」

 

「どうするって?」

 

姉上が言った言葉に岬教諭が言った

 

「今回の一件であなたはすべてを知ってしまった。知れ渡らないようにするため今回の記憶を消去するかZECTに入隊するかよ。」

 

岬先生の一言を聞いたあたしの答えは一つだった

 

「そのZECTとやらに入ります。皆さんこんな愚弟の姉ですがよろしくお願いします」

 

そういって姉上は深々とお辞儀をしたのじゃ

 

「決定ね。それじゃあ、あなたにちょうどいいポストがあるわよ」

 

そう言って岬先生は言葉をつづけた

 

「あなたのポストはサソード、つまり秀吉君の補佐よ。それじゃあ、あたしは行くけど木下さんはあとで隊員の車に乗って本部に来るように。坂本君たちに知らせないといけないからね・・・」

 

そう言って岬教諭は去って行った。同時に姉上はわしの肩をつかみ

 

「覚悟しなさい・・・。あたしが入ったからにはこの間のようなことは2度とないようにしてあげるから・・・」

 

そういって姉上は物騒なことを言っておるが内心は何か嬉しそうじゃった。こうしてまたZECTに新しいメンバーが入ったのじゃがこれはうれしいのかどうか微妙じゃのう・・・。




「資格者に擬態してもゼクターが反応しない」の部分に関しては1話のあとがきを見てください。それでは感想もお待ちしています
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