リンゴを斬る
バン族の反乱を鎮圧したエスデス隊とナジェンダ隊は帝都に帰還した、すぐさま祝勝パレードが行われた、大衆やエスデス隊の面々は歓喜していた、ただナジェンダ隊の面々は表情に陰りがあったのである、それから数日後。
「ふぅ」
帝都を歩いていたナジェンダはため息をついた、バン族の反乱のことを思い出していたのである。
見せしめに非戦闘員である住民をあんなむごい目にあわせるとは、正直ついていけん。
今まで帝国に疑問を抱いていたがあの一件でナジェンダは決定的な不信感を抱いたのである。
一体私はどうすればいいのだ
ナジェンダは思案していると違和感に気づいた、ナジェンダの服のポケットに見覚えのないメモが入っていたのである、ナジェンダはすぐメモを手に取った。
「これは?」
メモにはとあるレストランに行くように指示された文が書かれていた、ナジェンダは不信を感じたがそのレストランに向かうことにした、罠を覚悟して。
ナジェンダはレストランに着くとすぐに店員が話しかけて来た、店員はナジェンダを個室に案内して料理を運んでくるといいその場をあとにした。
「どうなっているんだ?」
ナジェンダは戸惑っていた、レストランに入るといきなり個室に案内されたのだから。
「とにかく様子をみるか」
しばらくするとナジェンダのもとに料理が運ばれて来た、それはフルコースで品数も半端ではない。
店員にごゆっくりと告げられ、ナジェンダは頷いた、店員は個室から去っていきナジェンダ一人だけになった。
「ふむ」
ナジェンダは数ある料理の中で注目したのはリンゴであった、ただそのリンゴは切り分けられておらず、リンゴそのものの姿であった。
「リンゴをまるかじりしろということか、豪快だな」
ボシュ!!
突然リンゴはボンと煙に包まれた、すると突然人影が現れた、それは女性であった、歳は20歳前ぐらいであろう、カジュアルな服装をしていて髪に大きなリボンをつけている。
「お・・・」
ナジェンダが叫ぼうとした瞬間女性は人差し指を口にかざした、静かにということである。
ナジェンダは頷くと女性はペンとメモ帳をナジェンダに渡した、ナジェンダは察した、筆談しろということである。
お前は何者だ?
私は革命軍のメッセンジャーです
革命軍の?
はい
私に何の用だ?
単刀直入に言います、革命軍に参加しませんか
何?
バン族の反乱で帝国の所業に苛立ちを感じていますね
ああ
でしたら
だが簡単な話ではない、私一人ならともかく、私には親族がいないからな、迷惑をかけることはない、ただ部下達が私が離反したせいでどんな扱いを受けるか、簡単には決断できん
わかりました、今回はこの辺で去ります、一週間後に再びこのレストランに来てください、その時に入るかどうかの返答をしてください
わかった
ありがとうございます
ところでひとつ聞きたいのだが、お前のそのリンゴに変身していた能力、もしかして帝具か?臣具にあれほどの能力があるわけないからな
それは秘密です
そうか
では、これにて失礼します、手間ですがその小窓を開けてください
小窓?この小窓の大きさでは人は通り抜けられないぞ
大丈夫です
わかった
再び手間ですが後ろを向いてくれませんか?
ナジェンダはそのまま後ろを向いた、するとボシュと音が響いた、ナジェンダは振り向くとそこには女性の姿はなく鳥がいたのである。
「お・・・」
ナジェンダが言い終える前に鳥は開いた小窓から飛び去ったのである。
「なんだったのだ」
ナジェンダは思いっきり首をかしげた、ただ言えることは自分にとって大きな分岐点に立ったのである、どの選択をしても困難になるのは間違いなかったのである。