サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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第百五十二話

蟠りを斬る(中編)

 

 

 

サヨ達は集めた情報を元に今夜の任務の打ち合わせをした、打ち合わせは何事もなく無難に終わった、今夜の任務に向けて各々調整をすることになった、だがサヨはスッキリしないものを感じていた。

 

 

「どうした?」

 

「あ、ラバ、ちょっとね」

 

「もしかして」

 

「うん、マシロって人のことが気になって」

 

 

マシロのことは全く知らない、アカメを強く憎んでいたこと以外は、自分に何かできるとは思えない、それでもこのまま何もしないというのもどうかと思う。

 

 

「ああ、あの人か・・・」

 

「ラバはマシロのこと知っているの?」

 

「まぁね、あの人はいろんな意味で有名だからな」

 

「有名?」

 

「あの人は一度革命軍を脱走している」

 

「えっ、それってまずいんじゃ・・・」

 

「もちろんまずい、普通なら脱走兵として処分の対象になる、だがエヴァさんは不問にした」

 

「不問にしたの!?それっていいの?」

 

「普通はだめだ、だが軍略の実権はあの人が握っているからな」

 

 

かなり好き勝手やってるわねあの人、だけど聞いた話だと壊滅寸前だった組織を彼女が立て直して今の革命軍を築いた張本人だからそれくらいはできるんだろうな。

 

 

 

「実際彼女はあらゆる分野において有能だったから処分を免れたというのもある」

 

「まぁ実際情報収集もこなしていたし」

 

「だがある日ある事態が起こった」

 

「えっ何が起こったの?」

 

「アカメちゃんを殺しに来たんだ」

 

「えっ!!?」

 

「サヨちゃん達が入る一月前のことだ」

 

 

ラバは語り始めた、マシロ、マシロ達がアカメを殺しに向かった日のことを・・・

 

 

 

 

マシロはあの日以来任務をこなしていた、エヴァに完膚なきまでに叩きのめされてからずっと、彼女は復讐を忘れたわけではない自分に実力がないと痛感したのである、過酷な任務をこなして実力を高めてエヴァを叩きのめして堂々と復讐に乗り出そうと思っていたのである、だがある日それは突然潰えることになる、復讐の対象であったアカメが革命軍に加入したのである、当然納得できるものではなかった、だがエヴァはアカメに対する復讐を禁じたのである、アカメはエスデスを仕留めるための切り札になりえるため失うわけにはいかないのである、エスデスを仕留めた後なら好きにしろと言ったものの承服できるものではない、だがコウガの死が犬死になってもいいなら好きにしろと言われたのである、そう言われたらなす術がない、仕方なくアカメが用済みになるまで待つしかなかったのである、今も黙々と任務をこなす日々が続いている。

 

 

 

「・・・私は何をやっているのだ」

 

 

アカメへの復讐を行えないまま今日まで至ってしまった、すべてを投げ出して復讐を果たしたい、だがコウガの死が犬死になってしまうかと思えば踏み出せないのだ、エヴァに体よく利用されていることはわかっている、だがコウガが夢見た世界を実現させたいという気持ちもある、マシロの心はもどかしい思いで一杯だった。

 

 

「らしくありませんねマシロさん」

 

「・・・お前らか」

 

 

マシロが振り向くとそこには知ってる者がいた、かつて共に復讐を果たそうとした双子の姉妹ミーラとロリスである。

 

 

「しょんぼりしてかっこ悪いよマシロさん」

 

「・・・ほっとけ」

 

 

かっこ悪いことはわかっている、だがどうにもできないこともあるのだ。

 

 

「そんなマシロさんにいいニュースがあります」

 

「なんだ?」

 

「アカメが任務で帝都から離れるみたいだよ」

 

「本当か!?」

 

「本当です、エヴァの机の引き出しに入っていたアカメへの命令書を見ましたから」

 

「見たって・・・お前達盗み見をしたのか?」

 

「そうだよ」

 

 

そうだよって命知らずにもほどがあるなこいつら。

 

 

「幸いにも次の私達の次の任務の近くです」

 

「まさにアカメに復讐するチャンスなの」

 

 

それが本当ならこれ以上ないチャンスだろう、だがあまりにも都合がよくないか?

 

 

「マシロさんも一緒に来ます?」

 

「私?なぜ私を誘う、お前達だけで復讐を果たせるチャンスであろう」

 

「マシロさんにはあの時助けてもらった借りがありますから誘ったのです」

 

「これで貸し借りなしにしょうと思ったんだよ」

 

 

そういうことか、別に私は自分が不愉快だからやっただけなのだが。

 

 

「そういうことなら受けよう」

 

「では今から向かいましょう」

 

「アカメを仕留めるのは早いもの勝ちだよ」

 

「もちろんだ」

 

 

マシロの心には先ほどまでにはなかった高揚感があった、断たれてしまった復讐の機会が思わぬ形で実現したのだから。

 

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