財政官を斬る
サヨは自分の標的である街の守備隊長のところへ向かっていた、アカメとマシロ達の一件のことは気になるがマシロはそのことについて何も言う事はないと態度を示したため追及できなかったのである、それに丁度その時標的抹殺のミーティングが開始されたためその話は幕引きになったのである。
さっきの話が気にならないと言えば嘘になるけど今は任務が最優先、切り替えないと・・・
サヨだけでなく他の者達もそれぞれ指定された標的の元へ向かって行った。
とある屋敷で中年の男が上機嫌で酒を飲み干していた、男の名はゲバゼ、この街で財政官を務めている男である、去年までは帝都にいたがこの街に赴任されたのである。
「この街に来て本当に良かったわい」
最初はこの街に赴任されたことを不服としていたがナイトレイドが帝都で暗殺活動を行っていることを知ると態度を一変させた、帝都にいればいつ殺されるか不安であったが帝都よりはるか離れたこの街なら殺される心配はなく心置きなく搾取に励むことができるのである。
「今日も愚民どもから搾取することができた、あとは・・・」
コンコン
ノックの音が突然した、ゲバゼは入ってこいと言うとドアが開いた、そこには四人のメイド娘がいた、ゲバゼは彼女達を見て妙な素振りをしている。
「何だそのちっこいのは?」
「この娘達は見習いです」
「そうか、なら早くやってくれ、さわやか全身モミモミコースをな」
「わかりました」
メイド達はそのままゲバゼの元へ近づいて行く、その中の一人はゲバゼの正面で立ち止まり腕に装備した腕輪をゲバゼに見せながら唱えた。
「質問に正直に答えて」
腕輪の宝玉が光り輝きゲバゼに光が照らされた、すると髪飾りをつけたメイドはゲバゼに質問した。
「あなたの隠し財産のありか教えて」
ゲバゼは正直に隠し財産のありかを教えた、メイドはその後もいくつか質問した、ゲバゼはその質問に全て答えた。
「一通り聞き出せたわね、じゃあ後始末っと」
メイドは懐から針を取り出しゲバゼの首に突き刺した、ゲバゼはそのまま息絶えた。
「仕事完了っと」
そのメイドは変装したチェルシーであった、ゲバゼの抹殺に彼女が選ばれたのであった、そして残りの三人は。
「ご苦労様です」
三人はエア、ルナ、ファルであった、ゲバゼから隠し財産のありかや様々な情報を引き出させるためにチェルシーと共にしたのである。
「それにしてもあなた達の帝具便利ね」
彼女達の腕輪の帝具は対象に暗示をかけることで操ることができるのである、ただ全ての暗示を受け付けるわけではない例えば死ねとか殺せとかの暗示はかけることができないのである。
「でしょう、ラバさんも操ったことあるんだから」
ファルは鼻高々で語った、帝具で暗殺の依頼料をラバにたてかえさせたことがあるのである。
「たてかえどころじゃおさまらないんだけどね」
この帝具ならもっと大きなことができる、大衆を扇動したり、一軍を指定したところへ移動させたり、様々である。
「ところであなた達人死を目の当たりにしたけど大丈夫?」
「はい、ジャドさんと一緒に任務を行った際に何度か目の当たりにしたのでなんとか大丈夫です」
「あのおっさんとか、いろいろ大変じゃない?」
チェルシーが知っているジャドは任務達成のためなら冷酷に徹することができる男である、そんな男と共にいて気疲れしないのだろうか。
「ジャドさんアイスおねだりしたら渋々だけど奢ってくれるよ」
「そうなの?」
あの任務には冷酷に徹する密偵がねえ、所詮は男か女の子には甘いのかな
「とにかく早くここから立ち去りましょう、グズグズしてたら・・・」
その瞬間ドアをノックする音がした、チェルシー達に動揺が走る、この部屋には隠れる場所が一切なく誰かに目撃されたら一巻の終わりである。
「チェルシーさん!」
「わかってる」
チェルシーに一つ手があった、ただ絶対うまくいく保証はなく賭けであった、だがやるしかないのである。