猫を斬る
コンコン
ノックの音がすると一人の男が入ってきた、この男はゲバゼの部下で報告のために入ってきたのである。
「財政官殿よろしいですか?」
するとゲバゼの返答はなかった、再度報告しようとしたがテーブルに置かれたワインを見て察した。
「酔って寝てしまったのか」
男は起こさずそのままにしておくことにした、以前同じように寝ているところを起こしてゲバゼに怒鳴られたことがあるからであった。
「今日は起きないな」
男はそのまま退室しようとした、だがその瞬間あるものを見たのである、それは床に寝転んでいる四匹の猫であった。
「猫?いつの間に飼ったんだ?」
少なくとも昨日まではいなかったはず、少し不思議に思ったがあの人なら気まぐれで飼おうとしてもおかしくない、そう判断して退室したのであった。
誰もいなくなった部屋で突然猫の一匹が姿を消した、その瞬間人間の姿が現れた、それはチェルシーであった。
「ふー、危なかった」
チェルシーはとっさに猫に変化して危機を乗り越えようとしたのである。
「何言ってんの!?」
他の3匹の猫が変化が解けてエア、ルナ、ファルの姿が現れた。
「私達の変化はチェルさんのと違っていつ解けるかわからないんだよ、本当に危なかったのは私達だよ」
ファルは鬼気迫る形相でチェルシーに文句を言った、本当に危なかったのである。
「まあまあ、やり過ごせたんだし、よしということで」
「・・・もし変化が解けたらどうしたの?」
「もちろん助けるわよ」
「本当?」
「本当よ」
・・・本当なのかな?笑顔で話しているけど実際どうなのかな?
「ファル、そのくらいにしましょう、今はここから脱出するのが優先です」
「わかったよ、ルナ」
ルナの言うとおりだ、もしもの話をしてもしょうがない、早く逃げないと。
「じゃあ、退散するわよ」
チェルシーは帝具で自信と三人を鳥に変化させて窓から脱出したのであった、屋敷から脱出した後は変化を解いてある地点まで走った、そこには待機していた西の異民族の密偵がいた、ゲバゼの隠し財産の情報を教えるという取り決めをしていたのである。
「これで任務完了ね」
「・・・そうだね」
「どうしたの?不満そうな顔をして」
「私達が苦労して手に入れた情報をあっさり渡したのがスッキリしなくて」
「気持ちはわかるけど決まっていたことだし」
「そうだけどさ」
「別にいいじゃない、私達こうして無事なんだし」
「エアの言うことはもっともだけどさ」
なんか手柄を横取りされた感じなんだよね、なんかスッキリしない。
「まあまあ、これを見て機嫌直そうよ」
チェルシーは懐からあるものを取り出した、右手に指輪とかの宝石の類が、左手に金貨の入った袋が握られていた。
「どうしたのそれ!?」
「ゲバゼから拝借したの」
「いつの間に」
「ナイショ」
本当にこの人抜け目がないな、味方でよかったと思う。
「チェルさんいいのですか?くすねてきて」
「いいのいいの、西の連中に渡すのは隠し財産の情報だけだし」
所有物については何も言ってこなかった、つまりちょろまかしてもいいのだ、もし何か言ってきてもしらを切ればいいなんとか乗り切れる自信はある。
「じゃあ、今からスウィーツの食べ歩きするわよ」
「いいんですか?」
「いいの、私達の仕事は終わったんだから」
ゲバゼを仕留めて隠し財産の情報を渡す、それ以外の役割は与えられていないのである。
「その前にお願いしていいかな?」
「何ですか?」
「パンツ見せて」
「ええええ!!?そ、そんなの嫌ですよ!!」
エアは顔を真っ赤にしてこれ以上なく取り乱した、チェルシーはそれを見て困った表情をした。
「・・・冗談よ、間に受けないで」
「そ、そんなこと言ったってわかりませんよ!!」
冗談を言う感じには見えなかった、この人やっぱり掴みどころがない。
「エア、落ち着いてください、冷静に考えたらありえませんよ」
「そうだけど・・・」
いきなり言われたら取り乱しても仕方ないよ、パンツを見せてと言われたら女の子なら取り乱すよ。
「でもサヨはパンツ見せようとしたよ」
「ええええ!!?どういうことですか!?」
「私が言ったんじゃないわよ、メロディがサヨにそう言ったんだから」
「全然意味わからない、どういうことですか?」
何でサヨさんがパンツ見せようとしたのわけがわからない。
「殺し屋の心得を教えるとかなんとか」
「ますます意味がわからない」
「まあ詳しい話は食べながら教えるから」
「詳しく教えてくださいね」
その後四人はスウィーツの店に入りスウィーツを食べながら一部始終話した、三人はその話を聞いて大笑いしたのであった。