帝都を斬る
「出てけー!!」
兵舎に入隊届けを申し込みするために訪れた二人はたたき出された。
「ちょっとなんてことしてくれたのよ」
「ちょっと待て俺は俺の力を見てくれと言っただけだぜ、それだけで追い出すなんてあんまりだろ」
「確かに・・・、最近同じことを言った人がいた?まさかタツミ?ありえるわね」
サヨが推理しているとイエヤスは。
「どうするこれから」
「そうね・・・」
二人が困っていると、後ろから。
「困っているならお姉さんが助けてやろうか」
振り向くと露出の高い衣装を着た巨乳の女がいた。
「これがてい・・・」
イエヤスが見とれていると。
ボガン!!
サヨはイエヤスの頭を殴った。
「痛えななにすんだよ」
「何ジロジロ見てるのよいやらしい」
「しょうがないだろ、俺らの村にあんなグラマーな姉ちゃんいなかったんだから
お前と違ってすげえグ・・・」
ボガン!!
再び殴った。
「いい度胸ね・・・」
サヨは激怒していた。
「たくっボカボカ殴りやがって、そういやお前タツミのこと殴ったことなかったな、まさかタツミのこと・・・」
「な、何言ってるの、ぶつわよ」
サヨは真っ赤になっていた。
二人は激しく言い争いになった。
「・・・何やってんだお前ら」
女はキョトンとした。
「まあいいや、お前ら帝都に夢見て田舎から来たんだろ」
「何故わかった」
イエヤスは驚いた。
「私は帝都で生まれ育ったんだそれぐらい簡単にわかるさ、で、とっておきの裏技があるんだけど」
「なあ頼む教えくれよ」
イエヤスは即効で頼んだ。
「じゃあご飯おごって」
女はニコッと言った。
「なあいいだろ」
「うんそれぐらいなら」
サヨは承諾した。
「・・・それにしてもこのベルト、私の趣味じゃないわね」
サヨは女のベルトを見て思った。
三人は酒場に着いた。
「じゃあ早速酒を・・・」
「パンとシチュー三人前」
サヨは店員に注文した。
「えっ?!」
女は驚いた。
「それで十分でしょ」
「おいおい酒場来て酒なしはないだろ」
女は眉をひそめた。
「お昼からお酒なんてダメでしょ」
「そんなこと言うと帰っちゃうよー(このカタブツ)」
女は不満たらたらだった。
「じゃあこの話はなしということで」
「いっ!?」
女はすごく驚いた。
「・・・いいよそれで」
女はため息をついた。
三人は食事を終えた。
「なあそろそろ裏技教えてくれよ」
「そうだな・・・(お冷やじゃ盛り上がらないな)」
女は気を取り直した。
「ぶっちゃけ金だな」
「金?」
「私のダチに軍人がいてなそいつに金やればすぐだよ」
「そうか、じゃこれでいけるかな」
イエヤスは大きな袋をテーブルにのせた」
「おおーすんごいもってんじゃん」
女は感激している。
「帝都に来る途中危険種狩って褒美もらってたからな」
イエヤスは自慢げだった。
「へえーお前らつよ・・・」
「調子に乗らない!」
女が言い終える前にサヨが叫んだ。
「忘れたの?おだてられて調子に乗って依頼安請け合いしまくったこと」
サヨは激怒した。
「そのおかげでますます到着が遅れちゃたんじゃない」
サヨはイエヤスに説教を始めた。
「あの、話進めていいかな・・・」
女はキョトンとしている。
「あ、はいどうぞ」
「まあとにかくこれだけあれば大丈夫だよ、じゃ早速・・・」
女は金袋に手を伸ばした、するとサヨは手で遮った。
「その人に会わせて、私が直接渡すから」
サヨの言葉に女は動揺した。
「えっとそれは・・・」
「その人の名前は、歳は、階級は?」
「・・・」
女はサヨの質問に言葉がつまった。
「そうだ私マッサージの仕事があったんだ、こうしちゃおれん、じゃあねー」
女は逃げた。
「おいせっかくチャンスを・・・」
イエヤスは慌てた。
「ばかねあれは詐欺よ詐欺」
サヨは冷静に言った。
「そうなのか?」
「そんなおいしい話あるわけないでしょ、それに行商の人言ってたじゃない」
「帝都にはバケモノがいるんだ」
サヨは行商の話を思い出していた。
「そうか?あの姉ちゃんそんな悪い奴には見えなかったけど、胸はバケモノだったけど」
「とにかく用心しましょう」
サヨは気を引き締めた。
女は逃げた後ぼやいていた。
「あーあ、女の方しっかりしてたな稼ぎそこねちゃった」
女は微笑みだした。
「それにしてもこないだの少年ちょろかったな、それに私好みのかわいいヤツだったし、また会えるといいな」
女は機嫌を取り戻した。
夕方になった、二人は橋の近くにいた。
「あれから別の兵舎で入隊届けだしたけど」
「帝都すげえ不景気なんだな、入隊希望者すげえ数だったな」
「くじ引きで入隊を決めるそうよ」
「ああ、もうだめだお前くじ運ねえもん」
「わかってるわよそれぐらい」
「これからどうする」
「ひとまず宿に戻りましょう」
「宿?あのぼろ小屋が?」
「節約よ節約」
二人が話をしていると。
「ねえ、泊まるとこないならうちこない?」
後ろから少女の声がした、振り向くと身分の高そうなお嬢様がいた。
「あの、宿はとってあるんですけど」
サヨはとっさにそう答えた。
「あらそうなの・・・ところであなた達お名前は?」
「サヨ」
「イエヤス」
「ふうん、ところであなた達二人だけ?」
「いえ、もう一人いるんですけどはぐれちゃって」
「じゃあ、なおさらうちへおいでよ、うちのパパ軍の偉い人と友達ですぐ彼見つけることができるわよ」
「(本当かな?でも話がうますぎるわね)」
サヨは疑っている。
「帝都は広いわよ、二人だけじゃ彼見つけることができないわよ」
「マジ?」
「そうよどうする?」
それを聞いてイエヤスは。
「なあサヨ、お言葉に甘えようぜ」
「うん、それがいいかな・・・」
「決まり」
二人は少女の誘いを受けた、馬車に乗り彼女の屋敷に向かった、だがサヨは不安を感じていた。