侵入者を斬る(前編)
6月11日
深夜のナイトレイドのアジト、そこにマインが水を飲みに起きていた、マインは左手を強く握りしめた。
ズキ!!
「ダメ、まだ少し痛む・・・こんなことでぐずぐずしていられないのに、アカメの分まで働かないといけないのに」
マインは殉職したアカメの穴を埋めたくて仕方がなかった。
「それに・・・」
数日前
「ボス、いつまでサヨとシェーレのコンビ続けているの!?」
マインは二人のコンビ継続をとても不満だった。
「そうは言ってもお前、ケガ治ってないだろ」
マインはナジェンダにいたいところをつかれて言葉に詰まった。
「それにあの二人は思った以上に活躍している、当分あのままでいくつもりだ」
「そ、そんな・・・」
「とにかくお前のケガが治ってからゆっくり考えるさ」
「わかったわよ」
マインは不満でいっぱいだが反論できなかった。
「まあ、実際アタシがケガしているのも事実だし・・・でもアタシのケガが治ればこっちのものよ、見てなさいサヨ!!」
マインが大きく口を開けて高笑いしている、その瞬間。
「ほう、美少女の臭いをたどって来てみればとびきりの美少女がいたぞ」
「!?」
突然後ろから聞き覚えのない声がした、マインは後ろを振り向いた、すると誰もいない。
「今の声何?」
その瞬間何かに髪の毛を触られた、再び後ろを振り向くと見知らぬ男が自分の髪の毛をくんくん嗅いでいた。
「なかなか香しいな」
男は匂いにうっとりしている、マインは全身に鳥肌が立った、そして絶叫した。
「いやあああああああ!!!」
マインはパニックになりつつも状況を分析している。
「何、こいつ、どうやってここに!?」
男は全身黒ずくめの服を着ている、歳は18ぐらいであろう(この男は「アララギコヨミ」をイメージしてください)
「アンタ何者!?」
男は返答しなかった、そして突然マインのスカートをめくりあげた、マインのピンクのパンツが丸出しになった。
「!!?、キャアアアア!!」
マインは真っ赤になり絶叫した、そしてすぐさまスカートを押さえた。
「な、何するのよ!!」
激怒しているマインをよそに男は正面からマインの胸を揉んだ。
もにゅ!!
「ひっ!!」
マインは思わず悲鳴を上げた。
もにもにもにもに
男は懸命にマインの胸を揉み続けている。
「おおおお、このちっぱい最高の揉みごこちだー!!」
男は歓喜に湧いている、すると何処かブチッと音がした。
「死ね!!」
マインは怒りの鉄拳を男の顔面に食らわした、もろに入った、だが。
「今、何かしたかな?」
男は全くこたえていなかった。
「この!!死ね、死ね、死ね!!」
マインは鉄拳のラッシュをした、男の顔面に次々に鉄拳が炸裂していく、だが男は平然としている。
「いいぞ、もっと殴れ、これこそ最高のご褒美だー!!」
男は大喜びしている、これにはマインはぞっとした。
「この変態!!」
マインはさらに殴り続けた、やはり効果はない、マインは不審を抱いていった。
「どうなっているの、アタシのパンチが効かないなんて、それに殴った跡が全然ない、一体どうなっているの?」
そうしている内にサヨとシェーレが帝具を持って駆けつけた、二人とも寝巻きのままである、サヨは真っ白の浴衣でシェーレは薄紫のネグリジェである。
「大丈夫ですか、マイン」
「見ての通り全然大丈夫じゃないわよ、早く助けなさい!!」
シェーレの心配を無視し助けを要求するマインを見てサヨはぶれないわねと思った。
「ほう、今度は黒髪の美少女と眼鏡のお姉さんか、まさにここは桃源郷だな」
男はご満悦であった、それを見てサヨは不愉快になった。
「あなた、ここでこんなハレンチなことをしてただで済むと思っているの?」
「まあな」
「忠告するわ、今すぐやめないと死んでもらうわよ」
サヨは村雨を抜いた。
「お前にできるかな?」
男はマインを持ち上げてマインの胸に顔をうずめた。
「いやあああああ!!」
マインは涙目で絶叫した。
男の態度にさらにサヨは不愉快になった。
「ちょっと早く助けなさい、サヨ!!」
「言われなくても」
サヨは駆け出した、上半身は斬れないマインに当たっちゃう、そうサヨは判断した、ならば、サヨは男の足首を狙いに定めた。
ズバッ!!
サヨは男の左足首を斬りつけた、仕留めた、サヨは思った、だが。
「今、何かしたか?」
男は平然としている、村雨で斬りつけたのに。
「何ともない!?確かに斬りつけたのにまさか義足なの?」
サヨは困惑していた、斬った感触は確かに肉そのものだったから、つまり肉でできた義足ということになる。
「何してんのよ!!」
マインはサヨに激怒した。
「ちょっと待って、そいつおかしい」
「そうよこいつは変態よ」
「だからそういう意味じゃあ・・・」
サヨは男に不気味さを感じた、村雨が効かないなんておかしい、こいつの謎を解かないと、サヨは焦っていると。
「サヨ、私にまかせてください」
シェーレがエクスタスを構えて前にでた。
「シェーレ、大丈夫?」
「できるだけやってみます」
サヨは思った、シェーレのほうが有利に戦えると。
「わかった、気をつけて」
「はい」
シェーレは笑顔で答えた。
「お前達では僕は倒せないよ」
男は完全にナメていた、だが、そこに付け入れる隙が生まれるかもしれない。
「行きます」
シェーレはダッシュした、男はいまだにマインの胸に顔をうずめている。
「さて、どんな手でくるか」
男はシェーレのほうを向いた、シェーレはその瞬間を見逃さなかった。
「エクスタス!!」
シェーレは奥の手を使った、まばゆい閃光がおこった。
「うおおおお!!目が、目があああ!!」
男は閃光をまともに見て目がくらんだ、男に隙ができた。
「マイン、逃げて」
マインは男の腕を振りほどいた、そしてその場にうつぶせた。
ジャコッ!!
シェーレは男を一刀両断した、上半身と下半身が見事に分かれ床に落ちた。
「マインにいやらしいことをしたのでごめんなさいは言いませんよ」
温厚なシェーレもさすがに怒っている。
男は見事に上半身と下半身に分けられた。
「それにしてもこいつ何者だったのかな」
男の死体を見てサヨはつぶやいた、マインは自分の手で男を殺せなかったことを悔しがっている。
「まあ、とにかくこれで・・・」
するとその瞬間、男の下半身に変化がおこった。
バチッ!!バチッ!!バチッ!!シュュュゥゥゥ!!
突然、男の下半身が再生を始めた、サヨはこれに見覚えがあった、セリューの帝具コロと同じである。
「・・・」
サヨは青ざめていた、あの日の記憶が、アカメが死んだあの日のことが脳裏に浮かんだから。
シュュュゥゥゥ!!
男は完全に元通りに再生した、何事もなかったかのようにケロッとしている。
「・・・あなた、もしかして生物型帝具?」
サヨはおそるおそる質問した、それ以外にありえないから、だが、男の答えはサヨの予想とは違った。
「違う、僕は帝具ではない、僕は生物型臣具、臣具人間だ」
「・・・臣具人間?」
サヨは臣具という言葉に聞き覚えがあった、以前、アカメから聞いたことがあった。
臣具、それは今から600年前時の皇帝が帝具を超える兵器を目指し製造した兵器である、だが、作られた兵器は余りにもひどいものであった、だが、皇帝は諦めなかった、さらなる研究をし、次々と兵器を作りだした、だが、作られた兵器は期待ハズレであった、研究しては作り、そして失敗する、その繰り返しであった、やがて、時の皇帝は亡くなった、その息子が新たな皇帝になった、皇帝は兵器の研究の強化をした、父の果たせなかった悲願を自分の手でが果たしたかったのである、長い月日が流れた、多くの失敗を繰り返しついに帝具に匹敵する兵器の開発に成功したのである、しかし、すでに国庫は底を尽きかけ、国力は低下し新たな兵器の製造は不可能であった、皇帝はひどく嘆き悲しんだ、そのショックで急病をおこした、治療もむなしく皇帝は亡くなった、しかも皇帝は後継者を決めておらず、激しい後継者争いがおこった、そしてついにはあの帝国最大の大内乱が起こってしまうのであった、内乱の際には作られた兵器の一部が使用された、帝具ほど強力ではないが数が帝具よりも多いので以外と重宝された、帝具と同様多くの兵器は行方不明になった、アカメも暗殺部隊時代に臣具を使用した、その臣具は上位に部類されるものであった、今でも多くの臣具が帝国各所に眠っている。
「臣具のことはアカメから聞いていたけどまさか生物型もあるなんて・・・」
生物型である以上村雨の呪毒は効かない、しかもどんな能力を持っているかわからない、サヨは戦慄した。
「とにかく核を見つけないと」
生物型を倒すには核を砕くしか方法はない、でも簡単には見つけることはできないだろう。
「さて、第2ラウンドといこうか」
臣具人間は余裕の表情を見せている。
今回は原作とは違う設定を作りました、生物型帝具があるのなら生物型臣具もあってもいいんじゃないかと思い作りました、あららぎこよみをモデルにしたのは彼もすごい再生能力を持っているからです、次回はあのキャラが登場しますお楽しみに。