サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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第二十六話

   悪戯を斬る

 

 

7月15日昼

 

「わっ!!」

 

マインは今日もチェルシーの悪戯に驚かされていた。

 

 

「いいわね、その驚きっぷり、悪戯しがいあるわよ」

 

チェルシーは至福の極みであった。

 

 

「いい加減にしなさいよ、他の人にもやったらいいでしょ」

 

マインは顔を真っ赤にして激怒しているとチェルシーは困った顔で。

 

「うーん、実は他の人にもやったんだけど」

 

「そうなの!?」

 

「うん、昨日、シェーレにやったんだけど」

 

 

 

 

「はーい、実は私でした」

 

チェルシーはシェーレの目の前で猫から人に変わる悪戯をした。

 

 

「・・・」

 

シェーレはぼーとしている。

 

「・・・あの、シェーレ?」

 

「はい?」

 

「どうだった?」

 

「何がです?」

 

「私、今、シェーレに悪戯したんだけど・・・」

 

「そうだったんですか、すいません」

 

シェーレはペコリと頭を下げた。

 

「いや、謝られても・・・」

 

さすがのチェルシーも悪戯した相手に謝られて困った顔をしている。

 

「とにかく、気にしないで・・・」

 

「はい」

 

シェーレはにっこり微笑んだ。

 

 

 

 

 

「さすがの私も苦笑いするしかなかったわね」

 

やれやれ気味のチェルシーにマインは。

 

 

「だったら別の人にしたらいいでしょ」

 

 

「その後ブラートにもしたんだけど・・・」

 

チェルシーは再び困った顔をした。

 

 

 

 

 

 

チェルシーはシェーレと同じ悪戯をブラートにもした。

 

 

「おっ、相変わらずお前の帝具すごいな」

 

ブラートはそれほど驚いていなかった。

 

 

「それだけ?驚かなかったの」

 

チェルシーはやや不満げである。

 

「驚いたぜ」

 

チェルシーから見ればブラートはあまり驚いていないようにしか見えなかった。

 

「そう、じゃあね」

 

チェルシーが立ち去ろうとするとブラートは止めた。

 

「今から筋トレしないか?」

 

「え?」

 

チェルシーは突然のことに目を点にしている。

 

 

「帝具使いは体力が基本だからな、ぜひやるべきだ」

 

「ま、また今度に・・・」

 

チェルシーは慌てて逃げだそうとした。

 

「遠慮はいらんぞ」

 

ブラートはチェルシーの手を引っ張って訓練所に連れていった、チェルシーは腕立て伏せ200回するはめになった。

 

 

 

「・・・おかげで腕、今も筋肉痛よ」

 

チェルシーは不機嫌そうに腕をさすっている。

 

 

「自業自得よ」

 

マインはざまあみろの顔をしていた。

 

 

「イエヤスはどう、あいつ隙だらけだから簡単にひっかかるわよ」

 

 

「イエヤスか・・・あいつ隙だらけっていうか・・・隙しかないのよ、逆に面白くない」

 

チェルシーにとってスリルのない悪戯はやる価値などなかった。

 

 

「じゃあ、サヨは」

 

「サヨか・・・あの娘結構鋭いのよね、そこそこやり甲斐あると思うのよね、でも・・・」

 

「でもって何?」

 

マインはチェルシーがサヨに悪戯するのを気が引けるように見えた。

 

「レオーネにいじられてるのに私までいじったらかわいそうじゃない」

 

 

サヨはレオーネからの借金の要求を断るたびに胸を揉まれていた。

 

 

「アタシはかわいそうじゃないのか!!」

 

マインは理不尽さに激怒した、チェルシーは全く動じていない。

 

 

「じゃあ、ラバは?」

 

その瞬間、チェルシーの顔は微妙になっていった。

 

「ラバか・・・あいつに悪戯したら逆に喜びそうなのよね」

 

「・・・有り得るわね」

 

マインもそれについては同感した。

 

 

「じゃあ、ボスは?」

 

するとチェルシーの顔が一気に青ざめた。

 

「バカ言わないで、あなた私を亡き者にしたいの!」

 

チェルシーはナジェンダに悪戯したその後の展開を想像した。

 

「言ってみただけよ、アンタ意外とチキンね」

 

「ボスに悪戯するなんて自殺行為よチキンでも何でもないわよ」

 

チェルシーは息を荒げて弁解した。

 

 

 

「スーさんは・・・悪戯されても驚かないわね」

 

「その通り」

 

チェルシーは以前スサノオに悪戯して帝具の無駄遣いするなと説教されたのであった。

 

 

「じゃあ、レオーネは?」

 

マインが言ったその瞬間チェルシーはひどく落ち込んだ。

 

「レオーネにさっき悪戯したわよ・・・」

 

 

 

 

 

「わっ!!」

 

「あはははは、私でした」

 

レオーネはチェルシーの悪戯に驚いている。

 

「じゃあね、レオーネ」

 

 

「待て、こら」

 

 

立ち去ろうとしているチェルシーの肩をレオーネはつかんだ。

 

「人様驚かせておいてただで済むと思っているのか、ああ!!」

 

レオーネは指をボキボキ鳴らしている。

 

「ちょっと待って、顔、怖いんだけど」

 

 

チェルシーはレオーネの凄みに怯えている。

 

「さあ、だすもんだしてもらおうか!!」

 

 

チェルシーはレオーネにあり金全部まきあげられた。

 

 

 

「・・・金輪際レオーネに悪戯しないって誓ったわ」

 

「それはご愁傷様ね・・・」

 

さすがにマインはチェルシーに少し同情した。

 

 

「まあ、そういうことだからあなたが悪戯に適任なのよ」

 

「はあ、ふざけるんじゃないわよ!!」

 

マインは激怒してチェルシーを追いかけ始めた。

 

「待てー!!」

 

「あはははは」

 

チェルシーはこの上なく楽しそうである、その様子をサヨとシェーレは見ている。

 

 

「本当にお二人は仲良しですね」

 

シェーレは二人を見てニコニコしている。

 

「そうかな・・・」

 

サヨはマインがおもちゃにされているようにしか見えなかった。

 

 

今日も毎度おなじみの光景が繰り返している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作ではチェルシーはマインとタツミにしか悪戯していないんですよね、もしチェルシーがアカメに悪戯するとしたらどんな悪戯するでしょうか

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