サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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第二十七話

   ろくでなしを斬る

 

 

 

 

ナイトレイドと三獣士が各地で死闘を繰り広げていた頃、レオーネは帝都でエスデスの偵察をしていた。

 

 

「・・・」

 

レオーネの顔がこわばっている、今にも逆上してエスデスに飛び掛かりそうであった。

 

 

「・・・!!」

 

レオーネはあるものを見て汗だくであった、エスデスは椅子に座ってソフトクリームを食べていた、あるものを踏み付けにしながら、そのあるものとはアカメの首であった。

 

 

「・・・落ち着け、これは挑発だ」

 

レオーネはそう自分に言い聞かせている、だが、亡き親友を弄ばされて何も思わないはずはなかった。

 

「・・・落ち着け、私はプロだ、奴の思惑にのるな、頭を冷やすんだ」

 

 

レオーネは深呼吸をしてひとまず落ち着いた。

 

 

「・・・私は自分の野生の本能を・・・信じる!!」

 

レオーネはその場を全速力で立ち去った。

 

 

「気配が消えた・・・仕掛けてくると思ったが、冷静な判断だな」

 

エスデスは少し残念そうである。

 

「さて、この首をどうするか・・・たまには芸術をたしなむのもいいか」

 

エスデスはアカメの首をつかんで微笑んでいた、面白いことを思いついたからである。

 

 

 

レオーネは走った、がむしゃらに走った、レオーネの目から大粒の涙が溢れていた。

 

「ゴメン、アカメ、私では・・・」

 

 

レオーネは悔しかった、親友を置き去りにした情けない自分に、いつかエスデスを殺せるほどの強さを手にいれる、そう、レオーネは決意したのであった。

 

 

 

 

 

7月15日夜

 

 

「・・・?」

 

レオーネは一瞬ここがどこなのかわからなかった、だが、ここがアジトだとすぐに理解できた。

 

 

「・・・そうか、私、酔って寝てしまったんだな」

 

 

悪夢もいいとこだあの光景をもう一度見てしまうとは・・・

 

 

レオーネはおもいっきり背伸びをした、そしてアカメとの最初の出会いを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

「へえ、お前がアカメか」

 

「ああ」

 

アカメは無愛想に返事した。

 

 

「お前、帝国の暗殺部隊にいたんだっけ」

 

「ああ」

 

またしても無愛想に返事した。

 

「お前も帝具使いなんだっけ」

 

 

「ああ」

 

 

「・・・なあ、お前、ああしか言えないのか」

 

「・・・」

 

 

アカメは無言のままである、そしてそのまま振り向き立ち去ろうとしていた。

 

 

無愛想な奴だな、ようし・・・

 

 

レオーネはニヤリと笑いアカメに近寄った、そして。

 

 

もにゅ

 

 

レオーネは後ろからアカメの胸を揉んだ。

 

 

「!!?」

 

 

突然のことにアカメは立ち尽くした。

 

 

もにもにもにもにもにもに

 

 

レオーネはアカメの胸を揉み続けた。

 

 

「やめろ!!」

 

 

アカメは怒りにまかせてレオーネの手を振り払った。

 

「お前、何のつもりだ!?」

 

アカメは顔を真っ赤にしてレオーネを睨みつけた。

 

 

「へえ、お前、そんな顔できたんだ、全然表情なかったからさ、安心したよ」

 

「お前、私をなんだと思っている」

 

アカメの怒りにレオーネは全然臆していない。

 

「まあ、親睦も深まったことで飲みにいこうぜ、もち、お前のおごりで」

 

「ふざけるな、私にあんなことをしておいて」

 

アカメの怒りはさらに高まった。

 

 

「まあまあ、細かいことは気にするな、いこうぜ」

 

レオーネはお構いなしに歩きだした。

 

 

全く、なんて図々しい奴だ、でも、なんか憎めない奴だな、とアカメは思った。

 

「言っておくが割り勘だぞ」

 

「おいおい、けちくさいこと言うなよ」

 

「私は酒はあまり飲まん、肉ならおごってやってもいい」

 

「んじゃそれでいい」

 

「お前、本当に図々しい奴だな」

 

「それが私の取り柄だからな」

 

「褒めてないぞ」

 

 

アカメは呆れつつもどこか楽しげであった。

 

 

 

 

 

 

 

レオーネは思い出した後しばらく天井を見つめていた、そして。

 

 

「さて、ひとっ風呂浴びてくるか」

 

 

レオーネは立ち上がり浴場へ向かうのであった。

 

 

 

アカメ、お前と再会するのはまだまだ先になりそうだ、それまで待っててくれよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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