サヨが斬る!   作:ウィワクシア

30 / 123
第二十九話

   化粧を斬る

 

 

7月16日昼

 

 

アジトでチェルシーがシェーレに話かけている。

 

「シェーレってお化粧しないの?」

 

「はい」

 

「何で?シェーレかわいいのに」

 

チェルシーは不思議に感じている、するとシェーレは。

 

 

「化粧をしてもすぐ化粧したこと忘れてしまうんで」

 

なるほど、チェルシーは納得した。

 

「いいじゃない、忘れても化粧をしたことは変わらないんだし」

 

「そうですが・・・」

 

シェーレはあまり化粧自体に興味なさそうである。

 

 

「じゃあ、私が化粧してあげるわ」

 

「え?私なんかにもったいないですよ」

 

「いいの、いいの、私が好きでやるんだから」

 

チェルシーはシェーレを自室に連れていった。

 

 

しばらくして化粧が終わった。

 

「これは・・・綺麗です」

 

シェーレは化粧した自分の顔にうっとりしている。

 

「でしょ、私の化粧のテクすごいでしょ」

 

チェルシーは鼻高々である。

 

「私じゃこんな上手に化粧できません」

 

「そんなことないわよ、コツを覚えば難しくないわよ」

 

「私の場合忘れないかどうかが問題ですけど・・・」

 

シェーレは少しシュンとしていた。

 

「・・・そうね、まあ、少しずつ覚えていったら」

 

「はい、努力します」

 

 

シェーレ、大丈夫かな、真面目に努力すると思うけど・・・チェルシーは不安を顔にださず笑顔で対応した。

 

 

「ところでサヨも化粧全くしていないのよね」

 

「はい、お金がもったいないからですけど」

 

「せっかくかわいいのにもったいない・・・」

 

 

チェルシーは眉をひそめている。

 

 

「でも、村へ仕送りしなくてはならないので仕方ないです」

 

「安い化粧品でも最高のできにできるわよ」

 

 

「そうなんですか?」

 

「高ければいいってもんじゃないわよ」

 

「ぜひサヨにも教えてください」

 

まあ、あの娘今は強くなることに一生懸命だし、あまり興味持たないかも・・・そうチェルシーは思った。

 

 

「ところでサヨから聞きましたが、使い方のわからないコンパクトがあると」

 

「うん、まあね」

 

「試しに使ってみたらどうですか」

 

「え?」

 

「何事もやってみることが大事だと思います」

 

「うん、わかった」

 

チェルシーはコンパクトを取り出してシェーレに使ってみた、だが、何も起きない。

 

 

「やっぱり何も起きないわね」

 

チェルシーもこれを予想しており残念そうでない、むしろシェーレの方が残念がっている。

 

 

「残念ですね・・」

 

シュンとしているシェーレを見てチェルシーはフォローをいれる。

 

「あなたが残念がることはないわよ、もともとそんな能力ないかもしれないんだし」

 

 

「そうですね、すいません」

 

シェーレはペコリを頭を下げた。

 

「そうだ、スーさんにおやつ作ってもらおうよ、気分転換に」

 

「いいですね」

 

二人は笑顔で食堂に足を運んでいくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。