サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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第三十三話

   鍛練を斬る(後編)

 

 

 

訓練所ではラバとイエヤスが腕立て伏せに励んでいる。

 

 

「どうした、イエヤス、差が広がる一方だぞ!!」

 

ラバはどや顔で腕立て伏せに励んでいる、するとイエヤスは不満げにラバを睨みつける。

 

 

「・・・お前なあ、こんなの差が広がるに決まってるだろ!!」

 

ラバの背中にレオーネが座りイエヤスの背中にブラートが座っている。

 

 

「それでもリードしていることには変わりねえ」

 

 

よくどや顔できるわね、サヨは苦笑いしつつ思った、その時シェーレが。

 

 

「それにしてもお二人の差、それほど大差ついていないんですよね、それってつまり・・・」

 

 

ボガン!!

 

 

レオーネの鉄拳が炸裂した、シェーレの頭にたんこぶができた。

 

 

「単にラバが非力なだけだ」

 

あくまでレオーネは自分の体重は無関係だと無言のアピールをしている。

 

 

「そういや以前、似たようなことあったな・・・」

 

 

イエヤスは寂しそうな表情をした、ある鍛練のことを思い出したからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日同じように鍛練をしていた、ただ、ラバの背中にはレオーネが座り、イエヤスの背中にはアカメが座っている。

 

 

ボガン!!

 

 

アカメはレオーネに殴られた、アカメの頭にたんこぶができた。

 

 

「何をする、私は本当のことを言っただけだぞ、現にレオーネの体重は・・・」

 

 

ボガン!!

 

 

再びアカメはレオーネに殴られた。

 

 

「何をする、私はレオーネの体重を言おうとしただけだぞ」

 

アカメは涙目で訴えるも。

 

「それ、言っちゃダメだろ!!」

 

 

レオーネが激しく怒るもアカメは何故殴られたのか理解していない。

 

「いいじゃん、体重ぐらい知られたって」

 

イエヤスが考えなしに言ってしまった、レオーネの怒りがイエヤスにむけられた。

 

 

「てめえ、乙女の体重を何だと思ってる!!」

 

レオーネは指折りしながらイエヤスに近づいていく、イエヤスはダッシュして逃げるもレオーネにすぐ捕まった。

 

 

「てめえ、覚悟できてるな!!」

 

訓練所にイエヤスの悲鳴が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

「俺、あの時アカメが死ぬなんて夢にも思わなかったな・・・」

 

イエヤスがしんみりしていると、ブラートが。

 

「俺達ナイトレイドはいつ誰が死んでもおかしくないからな、だからこそつねに鍛練しなくてはならないんだ」

 

ブラートの言葉には重みがあった、それを聞いてイエヤスは気合いが入った。

 

 

「俺、もっと鍛練に励むよ」

 

イエヤスは腕立て伏せを再開した。

 

「じゃあ、今度は私がイエヤスに座って、ブラートがラバに座りなよ、そうすれば私の体重は関係ないってわかるから」

 

ラバは明らかに顔色が変わった、するとイエヤスが。

 

 

「やめとけよラバ、力ないのばれるぜ」

 

イエヤスはラバを鼻で笑うと、ラバは激怒した。

 

 

「ふざけるな、お前なんかに負けるかよ、見てろ!!」

 

ラバはブラートを背中に座らせて腕立て伏せを再開した、凄まじい気迫だった、最初のうちは・・・

 

 

しばらくしてラバは燃え尽きうつぶせに横たわっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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