権力を斬る(後編)
チェルシーは後悔していた、大臣のおいであるラセツをもっと危険視すべきだったと。
「これならどうだ」
ラセツは腕を伸ばしてチェルシーのスカートを掴んだ、そのままスカートを引きちぎった、チェルシーの赤のパンツがあらわになった。
「・・・」
チェルシーは赤面しつつも悲鳴はあげなかった。
「まあ、予想してたがな、これはどうだ」
ラセツはさらにチェルシーのパンツを掴んで引きちぎった、チェルシーの下半身があらわになった。
チェルシーは悲鳴をあげなかったが恥ずかしさのあまり涙がこぼれた。
・・・こんなヤツに・・・恥ずかしい・・・でも、こんなヤツに負けてたまるか!!
チェルシーはキッとラセツを睨みかえした、ラセツも少しいらついた。
「ここまで耐えるとはな・・・いい加減に面倒になってきたな、早いとこ終わらせてやるか」
ラセツは突然ズボンを降ろした、ラセツの下半身もあらわになった、その瞬間チェルシーの表情が青ざめた。
「どうだ、俺のすげえだろう」
ラセツはいやらしい顔つきでチェルシーの両足を掴んでおもいっきり広げた。
「さて、お楽しみといくか」
「・・・や、やだ・・・」
今まで必死で耐えてきたがとうとうチェルシーは涙をボロボロこぼし出した。
「やっとだぜ、ようやく見れたぜその絶望まみれのそのツラを、ヒャハハハハハ!!」
ラセツはゲス丸出しで高笑いした、そして目標へまっしぐらである。
チェルシーはラセツを振りほどこうとしたがボディブローの一撃で体が動かない。
私、こんなところで終わるの?・・・地方のチームが全滅してナイトレイドに入ったばかりなのに・・・こんなヤツに初めてを奪われて・・・
チェルシーはいろいろなことを思い出していた、太守を殺したこと、オールベルグにいたこと、そして地方のチームのこと。
地方のチームが全滅する数時間前
「じゃあ、仕事に行ってくるわね」
地方のチームの女子メンバーがチェルシーを見送っている。
「気をつけてね、チェル」
「大丈夫よ、私にはガイアファンデーションがあるから」
「それもそうね」
「そうよ、心配ないわよ」
「うん、行ってらっしゃい」
女子メンバーは笑顔で手を振って送った、これが二人の最後の会話になるとは想像もしていなかった。
殺し屋になった時からいい死にかたできるとは思ってなかったけど・・・
チェルシーはまさに乙女としての死を迎えようとしていた。
「さて、いかせてやるよ、そして俺のメスドレイになりな」
ラセツはチェルシーに挿入するために前へのりだした。
こ、こんなの・・・やだ・・・誰か助けて・・・
チェルシーは大粒の涙をこぼしながら願った。
その時ラセツはなにか殺気のようなものを感じ素早く横へ跳んだ。
するとそこには駆けつけたサヨがいた、サヨは村雨でラセツを斬りつけようとしたがかわされた。
「ふう、危ねえ」
ラセツは安堵の表情をした、一方、サヨの表情は激怒そのものだった。
「・・・チェルシーに何するつもりだったの?」
聞くまでもなくラセツはチェルシーを犯そうとしていたにしか見えなかった。
「そいつは俺を殺すつもりだったんだぜ、その俺がそいつを犯して何が悪い?」
確かに・・・自分を殺しに来た殺し屋を返り討ちにして殺したとしても文句は言えない、だけど女としてこいつの所業は許せない。
「あなたは今まで大勢の女性を好き勝手にして殺してきた、私があなたを殺す理由としては十分でしょ」
今殺しておかないと多くの女性がコイツの餌食になる・・・サヨはラセツに村雨を向けた。
「口は達者だな、だがお前に俺を殺れるのか?」
ラセツは下半身丸出しでサヨを挑発している。
「そんな粗末なものなんてことないわよ」
「・・・」
サヨの買い言葉にラセツはワナワナしている、昔のことを思い出したからである。
バギッ!!
ぐわっ!!
ラセツは殴られ吹っ飛ばされた。
て、てめえ!!何しやがる!?
フン、弱いくせに調子に乗るな
なんだと!?
親父の兄貴の息子だからって調子に乗るなって言ったんだよ
てめえ・・・
やるか!?容赦しねえぞ
ぐっ・・・
来ないか・・・粗チンヤローが
ラセツは歯ぎしりしながら思った・・・しゃくだがコイツには敵わない、だが帝具を持てばコイツにだって勝てる・・・ラセツは復讐を心の中で誓った。
「・・・俺は・・・粗チンじゃねえ!!」
何、突然、サヨはラセツの豹変に戸惑っている、するとラセツは懐から鞭を取り出した。
その鞭はけばけばしい色をしていた、サヨはあまり好感を持てなかった。
「うけてみな、帝具エキドナ、お前には見切れねえよ!!」
ラセツは鞭の帝具を振った、だが、鞭のスピードは高速とは言えなかった、これなら余裕でかわせる、とサヨは思っていると、後ろの首筋にゾクリと気配を感じた、サヨは反射的に回避した、すると突然鞭の攻撃が来た、何もないところから・・・
何、今の!?
サヨはなんとか回避できた、だが、帝具の能力がわからない、なんとかしないと・・・ラセツは再び鞭を振った、これもスピードはない。
これもおそらく違う・・・気配を探らないと・・・サヨは鞭の気配を探った、今度は真上から。
この攻撃もなんとかかわした、だが、気配を探って紙一重での回避は体力を消耗する、長引けば不利、サヨはそう判断した。
「素早いヤツだ!!」
ラセツは立て続けて鞭を振るった、サヨはかろうじて回避している、ラセツは次第にいらついてきた。
サヨはラセツは帝具使いとしては三獣士より弱いと確信した、身のこなしもたいしたことがなく、攻撃の際も微かに気配が出てしまっているから、もし、凄腕なら気配を出すこともなくとっくに仕留められていたから。
それでもこの帝具の能力やっかい・・・何しろ目に見えている鞭が幻だから・・・サヨは少し焦りを感じていた。
一方、ラセツもサヨに攻撃をかわされ続けて焦りを感じていた。
ちっ、らちがあかねえな・・・こうなったら奥の手を使うか。
ラセツは再度鞭を振るった、サヨは気配を感じて回避に徹する、だが、その時。
「奥の手発動!!」
その瞬間鞭が八本に分かれた、八本の鞭がサヨに襲い掛かった、一本の時よりスピードは落ちるが広範囲で回避が困難だった、サヨは必死に回避するがそのうちの一本がサヨのふくらはぎをかすめた。
しまった、かわしきれなかった、でもかすり・・・その瞬間サヨの体に異変が起こった。
これは・・・毒?・・・まずい、このままでは・・・だんだんサヨの動きがにぶくなっていく。
ラセツはサヨの表情を見てしてやったりの顔であった。
「どうだ、エキドナの毒は、八本に分けたから毒は弱まったが、動けなくするには十分だ」
エキドナは八本から一本に戻った、ラセツはサヨに止めをさそうとしている。
チェルシーはサヨの苦戦を見て自分のふがいなさが許せなかった。
・・・私の失敗のせいでサヨまで・・・なんとかしないと・・・でも、ガイアファンデーションは戦いの帝具じゃないから・・・どうすれば・・・その時チェルシーは昔のことを頭に浮かんだ。
ねえ、チェル、ガイアファンデーションって自分以外の対象を変化できないの?
うん、そうなの
そのコンパクトを使って変化できないかな?
どうかな?
今度試してみない?
うん、わかった、仕事から帰ったら試してみるわ
うん
チェルシーは迷っていた、本当に自分以外のものを変化させることができるのか・・・だけど他に手はない、やるしかない、チェルシーは腹をくくりコンパクトを取り出した。
チェルシーはコンパクトを広げて鏡をあらわにした。
コンパクトの普通の使い方は鏡を自分自身に使うのだが今回は自分を変化させるのではないから、チェルシーはラセツの方に鏡を向けた、だが何も起こらない。
やっぱりこれだけじゃダメね・・・ヤツに化粧をしないと・・・幸いヤツは今勝利を確信して油断している、やるしかない。
「さて、これで止めだ」
ラセツは大きく鞭を振りかぶった、後ろは隙だらけである、チェルシーはラセツに向けて駆け出した、コンパクトをラセツに向けて化粧をラセツにかけた。
チェルシーはあるものをイメージしていた、それは・・・
ドロン!!
ラセツは枯れ木に変化した、ラセツは突然のことに混乱した。
「な、なんだ、何が起こった!?」
枯れ木に変化したラセツは動けなかった。
「今よ、それを斬って!!」
「わ、わかった」
サヨも何が起こったのかわからなかった、だが、千載一遇の好機だった、これを逃したら勝機はなかった、毒で力が入らないが全身の力を振り絞って枯れ木となったラセツを斬りつけた。
ズバッ!!
斬りつけた瞬間ラセツの変化が解けた、そして傷口から呪毒が心臓に向かっていく、そして呪毒が心臓に達し鼓動が止まった、消え行く意識の中でラセツは。
嘘だろ?俺はこんなところで・・・ヤツに復讐を・・・
ラセツの息の根は止まった、悪逆の報いである。
サヨは乱れた呼吸を整えながら・・・なんとか勝てた・・・でも、チェルシーの援護がなかったら危なかった、帝具はやはりすごいわね・・・サヨはチェルシーの元へ駆け寄った。
「チェルシー、すごいじゃない、敵を変化させて動きを止めるなんて・・・」
「うん、出来るかどうかは一か八かだったけど」
「とにかくありがとう」
「私もありがとう、おかげで乙女を失わずにすんだわ」
「えっと・・・その格好なんとかしないと・・・」
チェルシーは服を破かれてほとんど全裸だった。
「大丈夫よ、えい」
チェルシーは変化してハムスターになった、そしてサヨの肩に乗った。
「じゃあ、行こうか」
「うん」
サヨは毒で弱っているが力を振り絞って歩きだした、そしてチェルシーは地方のチームの仲間を思っていた。
私、これからも頑張るからみんな見守っててね
「ねえ、お願いがあるんだけど」
「何?」
「これからは私のことをチェルって呼んで欲しいんだけど」
「チェル?」
「こっちの方が親しみあるでしょう」
「わかった、これからもよろしくね、チェル」
「うん」
二人の絆はより深まったのであった。
オリジナル帝具を初めて出しました、今までで一番文章の制作が難しかったです、文章も一番出来が悪いでしょう、相変わらず自分には文才ありませんね、とにかくこれからもよろしくお願いします。