サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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あけましておめでとうございます、ついにUAが二万に達しました、頑張って書いてきたのでうれしいです、これも下手な自分の小説を見てくれた皆さんのおかげです、これからも投稿しますので応援お願いします。


第六十四話

   憂いを斬る

 

 

8月15日

 

 

私達ナイトレイドはカカチチ湖に到着しようとしていた、この湖を越えれば革命軍本部に到着できるのである、本部の拠点はどのようなものなのか興味があった、けどひとつ気になることがある、本部に近づいているのに見張りの人が全然見かけないのである。

 

 

「ねえ、なんで見張りの人いないの?」

 

「ちゃんといるよ、今もこの辺りを見張っている」

 

「見張っている?」

 

 

サヨは辺りを見渡した、けれども誰もいない、すると白い煙みたいなものが集まり人の形になっていく。

 

 

「これは・・・まさか帝具?」

 

サヨがポカンとしていると煙の人みたいなものは歩きだした。

 

「みんな行くぞ、サヨ、イエヤス、あれが歩いた道を逸れるなよ」

 

 

それはその道以外が危険ってことね・・・さすが本部に近づいているだけあって警戒が厳重ね・・・ナジェンダ達はしばらく歩行した、すると煙の人は音もなく消え去った。

 

 

つまりもうこれから先に罠とかないってことなのかな?サヨがそう思っていると人影が近づいて来た。

 

 

「久しぶりだな、ナジェンダ」

 

現れたのは長身の男性だった、歳は30前半ぐらいだろう、右手には杖を手にしている、杖で地面を探っているように見えた。

 

「もしかして目が?」

 

「そうだ、俺は生まれつき目が見えん」

 

そうだったんだ、余計なこと聞いちゃたかな・・・

 

 

「気にするな、目が見えなくても不自由はない、俺は鼻が利くからな」

 

そうなんだ、よかった・・・サヨはホッとした。

 

 

「ところであなたは?」

 

「俺の名はストリークだ、ここで見張りをしている」

 

「見張りを?さっきの煙の人はあなたが?」

 

「そうだ、俺の帝具で造りだした」

 

「あなたの帝具でですか?」

 

ストリークは自分の帝具を見せた、それは緑色の龍神香炉であった、香炉から煙がうっすらあふれだしている、これこそ帝具ジンフィアである。

 

 

「口で説明するよりも実際見た方が早い」

 

 

ストリークは帝具を使用した、すると香炉から煙が上がり辺り一面に広がっていった、広がるにつれて煙が薄くなっていく、ついにはまったく目で見えなくなった、これなら誰にも気づかれることなく見張りができる。

 

「この帝具は煙を造りだすことができる帝具なのですか?」

 

「いや、他にも香りを生み出すことがてきる、一時的だが身体能力をあげることがてきる」

 

 

そうなんだ、この帝具応用が利きそうね、直接戦闘には不向きだけど。

 

 

「ナジェンダ、今の内に渡しておこう」

 

ストリークはナジェンダに手荷物を渡した、ナジェンダは心なしかうれしそうである。

 

「ボス、それ何ですか?」

 

「これは彼の手製のタバコだ」

 

そっか、ボスのタバコ、彼が作っていたんだ・・・彼なら上質のタバコを作れるわね。

 

 

「あまり吸いすぎるなよ、シヴァの奴がうるさいからな」

 

 

シヴァか・・・彼女本部にいるのかな?サヨがそう思っているとナジェンダはストリークに質問した。

 

 

「話は変わるが総大将の容態は変わらないのか?」

 

「残念ながらな・・・」

 

ストリークの表情は沈んでいる、総大将が目覚めないのだから当然だろう。

 

 

「あの人は昔からこの国の行く末を憂いていた、地方を蔑ろにする中央に未来はないと・・・だからあの人は・・・プライム殿は帝国に抵抗するために決起したのだ」

 

「昔からって・・・あなたは総大将とは長いつき合いなのですか?」

 

「ああ、俺は革命軍の創設メンバーだからな」

 

 

そうなんだ!?でもなんで見張りを?もっと高い地位になれるんじゃ・・・ストリークはサヨの考えを察して語った。

 

 

「正直今の本部は居心地がよくないんでな」

 

「どういうことですか?」

 

「革命軍は大きな組織になった、だが人が集まれば集まるほど組織は変わっていくものだ、革命軍に集まった者が全て民のことを考えているわけではないからな、プライム殿の元には新国家で権力を手にしようと目論む者もいるからな」

 

「本当ですか!?」

 

・・・それが本当なら革命軍は民が安らかに暮らせる国を作ってくれるか怪しくなってしまう・・・

 

 

「心配するな、幹部にもプライム殿の理想を実現しようと命を懸けている者もいる」

 

 

「そうですよね、それを聞いて安心しました」

 

「だが、数人は私欲に走っているのも事実だ」

 

「そうなんだ・・・」

 

 

まさに安心したも束の間であった、そんな人達がいたら民を虐げる帝国と同じになってしまうんじゃ・・・不安になっているサヨを見てナジェンダはあることを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「パスター殿、ムール殿、いい加減にあのようなマネはおやめください!!」

 

「何のことだ?」

 

「とぼけないでください、お二人が村を賊から守る見返りに女性を村から差し出させていることを」

 

「俺達は差し出せとは一言も言ってないぞ、村の好意だ」

 

「それは女性を差し出さないと護衛を派遣してくれないと恐れて、仕方なく」

 

「そう思うのは向こうの勝手だろ」

 

「それでは帝国と変わらない・・・」

 

「黙れ、ナジェンダ、お前ごときが口をはさむな」

 

「お前は自分の勤めに専念していればよいのだ」

 

「・・・失礼します (くっ、私にもっと発言力があれば・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は革命軍において発言力は高い方ではないからな、他の幹部の愚行を止められないこともある」

 

「ボス・・・」

 

 

ボスは歯がゆい思いいっぱいしてきたんだろうな・・・私達が頑張って手柄を立ててボスの立場を強化しないと・・・

 

 

「お前は自分の村を救うことに専念しろ、余計なことは気にするな」

 

 

ナジェンダはサヨの思っていることを察して注意した、革命軍のいざこざに巻き込まないように。

 

 

「とにかくお前達は本部に向かえ、あまり遅れるとあいつがいらつくからな」

 

「ああ、見張り頑張ってくれ」

 

 

私達は本部に向かって歩きだした、あの山を越えたらいよいよ革命軍の本部である、今私は不安な気持ちでいっぱいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は革命軍の内部の状況を少し書いてみました、原作ではまったく語られることはないので自分なりに書きました、今年も応援お願いします。

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