サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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第七十五話

   誘拐団を斬る(後編)

 

 

古城のアジトから少し離れたところに見張りの男が立っている、その男に何かが近づいていく、男がそれに気がついた瞬間男の首がねじ曲げられていた。

 

 

「一丁上がり」

 

 

レオーネが力任せに首をねじ曲げたのである。

 

 

 

別のところでは二人の男が見張りをしていた、二人とも真面目に見張りをせず居眠りをしていた、そのうちの一人が目を覚まそうとしていた、だがその瞬間二人の首が何かに斬りつけられ血しぶきが飛び散った。

 

 

 

「片付いたわ」

 

サヨが村雨で斬りつけたのである。

 

 

見張りを片付けて古城を包囲することができた、そしてナジェンダは皆に突撃を命じた。

 

 

「誘拐団の奴らを一人も逃がすな、全員殺せ!!」

 

 

ナジェンダの命令により古城に突入し誘拐団を次々と仕留めていく、寝込みをつかれてパニックになりバラバラに逃げ出す誘拐団、ナジェンダは冷静に次の手を打っていた。

 

 

 

「ケビン、どうだ?」

 

「はい、三人北に、四人南に、五人西に逃げました」

 

ケビンは空中から監視をしている、ケビンの臣具は空を飛行できる能力を持っている(形状は飛行ドローンをイメージしてください)

 

 

「そうか、だが手は打ってある」

 

ナジェンダは人員を配置していたのである。

 

 

 

北へ逃げ出した三人は必死に逃げている、すると三人の前にグレイグが現れた。

 

 

「クソッ!!」

 

 

三人は武器を手にしグレイグに向かって行った、グレイグはなぎなたの臣具でぶった切った、真っ二つになり地面に伏した、残りの二人は恐れをなして命ごいをした。

 

 

「助けてくれ!!俺達はこないだ入ったばかりなんだ、だから・・・」

 

「こないだ?そんなの関係ないな、てめえらはここで死ね」

 

グレイグは虫のいい命ごいを無視して二人をぶった切ったのであった。

 

 

 

 

 

 

その頃南に逃げた四人の前にライドウが阻んでいた、ライドウはなぎなたを振りかざしまず一人をぶった切った、続いてもう一人を貫いた、残った二人は血相を変えて逃げ出した。

 

 

「逃がさん!!」

 

ライドウはなぎなたを構えて念じた、するとなぎなたの刃が伸びて逃げ出した二人を貫いた、ライドウの臣具は刃が伸縮自在にできるなぎなたである。(トリシュラの試作型と思ってください)

 

 

 

 

さらに西ではすでに戦いが開始されていた、インファンが鎖がまの臣具を使用し一人を捕獲していた。

 

 

「逃がさないわよ」

 

「た、助けてくれ!!」

 

「それはダメよ、アナタもこうなる覚悟で誘拐団に入ったんでしょ?」

 

「そんな覚悟ねえよ、楽に金が稼げると聞いて入ったんだからな!!」

 

インファンは見苦しい言い訳を言った男の首を無言で切り裂いた。

 

 

「本当にダメ男ね」

 

インファンはやれやれのポーズをして鎖を外した。

 

 

残りの四人は全力で走り抜けようとしていた、すると突然大木が四人の行く手をふさいだ。

 

 

「なんだ!?なぜ大木が!?」

 

 

大木を倒したのは工兵チームのガルスであった、ガルスの臣具は丸ノコの臣具で三つのパーツを状況に応じて換装することができるのである。

 

 

「くそ、やられてたまるか!!」

 

男達は武器を構えた、だが突然男達は空中に浮かび上がった、正確には持っている武器が浮かんだのである。

 

「なんだ!?どうなっている!?」

 

 

パニックを起こしてうろたえる男達、あわてて武器を手から離し地面に落ちていく、武器はそのまま空中に浮かんでいる、これは工兵チームのギジェの大型の磁石の臣具の能力である。

 

 

落ちた男達は別の方角へ逃げだそうとした、だが逃げ道にロープが張られて逃げられない、これはマクレーンのロープの臣具である、男達は別の逃げ道を探そうとした、だがその時男達目掛けて火炎が放出された、火だるまになり苦しむ男達、やがて力尽き倒れていった、グラールのガスバーナーの臣具の力である。

 

 

 

 

一方その頃上空ではカグラがハヤテ丸の脚で男を掴んでいた、男は必死に命ごいをしている。

 

 

「た、助けてくれ!!」

 

「だーめ、そんなことしたら面白くないし」

 

 

カグラはニッコリ微笑んで男を鋭くとがった木に目掛けて投げつけた、男は木に背中から串刺しになった、まさにモズのはやにえそのものだった、血を吐き苦しみながら男はいきたえた。

 

 

「やっぱり串刺しは何度やっても面白い!」

 

カグラは無邪気で残酷な笑みを浮かべた。

 

 

 

一方その頃古城の方では誘拐団は形勢逆転を狙うべく大砲を出してきた。

 

 

「撃て!!」

 

轟音とともに大砲の弾が打ち出された、飛んで来る弾の前にトレイルが前に出た、トレイルは両手を前に構える、するとトレイルが装備しているこてから電気が放出されバリアが展開された、バリアに弾が直撃し爆発が起こった、トレイルには傷一つなかった、トレイルの臣具はバリアを発生させることができるこてである。

 

 

ミラージェンは呆然としている誘拐団達を次々と狙撃して仕留めていった。

 

 

「大方始末できたな」

 

「はい、逃げた連中も始末できたようです、おや!?ちょっと待ってください西から別の集団がやって来ます」

 

 

「誘拐団の別働隊かもしれん、皆警戒しろ」

 

 

ナジェンダの指示で警戒体制に入った、するとラバが報告した集団が現れた。

 

「!?」

 

ラバはその中の一人を見て驚愕した、その男に見覚えがあったからである。

 

「お前俺の顔を見て驚いたな、俺の顔に見覚えがあるようだな?」

 

 

見覚えがあるも何もかつてラバが仕留めた異民族の男にそっくりだからである。

 

 

かつて帝都で女性の誘拐事件があった、ナイトレイドにその誘拐犯の始末をしてくれという依頼があったのである、その犯人は帝国に恨みのある異民族の仕業であった、ナイトレイドはその異民族を全員始末したのであった。

 

 

「俺の兄貴を殺したのはてめえか!?」

 

男は憎悪に満ちた目でラバを睨んだ。 

 

 

・・・兄貴か、道理でうり二つだと思った、歪んだ性格もうり二つだろうな。

 

 

 

「それよりもお前ら誘拐団の一味か?」

 

「一味じゃねえよ、あいつらはただの道具だ」

 

 

道具か、誘拐団の奴らも似たようなこと考えていたんだろうな、まあ言う必要ねえな・・・

 

 

「とにかく子供をさらったことには変わりねえんだ、ここで死んでもらうぜ」

 

「てめえにできるかな?やれるものならやってみろ!!」

 

 

異民族は自信満々であった、それほど強いとは思えないが・・・

 

 

「目に物を見せてやるぜ!!」

 

男が叫ぶと異民族の連中の体がみるみるうちに変色していった、そして鈍い音を鳴らしながら変身していった、その姿は昆虫そのものであった。

 

 

「な、なんだこりゃあ!?」

 

その場にいたラバ達全員が驚いた、人間が昆虫に変身するなんてまるで・・・

 

 

「まるでレオーネみたいですね」

 

シェーレは誰もが思ったことをあっさり言った。

 

「おい!!私をあんなのと一緒にするな!!」

 

レオーネにとっては不愉快の極みであった、あんなのと一緒にされたのだから・・・

 

 

「一体どういうネタなんだ?」

 

帝具を使ってるわけでもないのになぜ変身できたのであろう・・・

 

 

「ミセテヤルヨ」

 

男が手を上げると後ろから巨大な危険種が現れた、それはいかにも硬そうな甲殻で覆われていた、見たこともないおぞましい姿の危険種であった(この危険種はエイリアンクイーンの姿をイメージしてください)

 

 

「コノコダイキケンシュ「ニーグヘグ」ノチカラデオレタチハオオキナチカラヲテニイレタンダ」

 

誇らしげな異民族を見てラバはため息をついてあきれはてた。

 

 

「そのために人間を捨てるだなんていかれてるぜ」

 

 

「ダマレ!!テイコクヲホロボセルノナラヨロコンデヒトヲヤメルゾ!!」

 

 

「まあ、お前達がどんな姿になろうとも始末することには変わらねえがな」

 

 

「ヤッテミロ、オレタチノチカラミセツケテヤル」

 

 

異民族だった連中は殺気をみなぎらせ戦闘体制をとった、ナジェンダもそれを見て全員に指示を出す。

 

 

「皆最後の仕上げだ、この連中を始末して任務を完了させるぞ!!」

 

 

「了解!!」

 

ナイトレイドと昆虫人間の激闘が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は革命軍のメンバーの臣具がたくさん出てきました、みなさんはインファンとかグレイグ覚えていますか?多分覚えていないと思いますが、これからも応援お願いします。

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