サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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ナイトレイドvs昆虫人間のバトルです、ご覧あれ。


第七十六話

  古代危険種を斬る

 

 

「イクゼ!!」

 

サソリ男がスサノオに突撃していく、スサノオも槍を構えて迎え撃つ。

 

「来い!!」

 

サソリ男のハサミによる猛攻が行われた、スサノオは難なく全て防いだ。

 

 

「ヤルナ、ダガコレハドウダ?」

 

猛攻のさいの一瞬の隙をついてスサノオのノドにしっぽの毒バリを突き刺した。

 

「ドウダ、コノモウドクニハタエラレンダロ!?」

 

サソリ男はすっかりいい気になっていたが平然としているスサノオに焦りを出しはじめた。

 

 

「ナゼダ?ナゼナントモナイ!?」

 

「あいにくだったな、俺には毒はきかん」

 

「ハア!?ソンナバカナコトガ・・・」

 

サソリ男は目の前にいるスサノオが毒がきかない帝具人間であることなど想像もつかなかった。

 

 

「おおお!!」

 

スサノオは槍を振り上げてサソリ男の首を吹っ飛ばした、首がなくなった胴体から血が大量に吹き出している。

 

 

 

 

サヨはカブトムシ男と刃を交えていた、硬い外骨格の前にサヨの攻撃は全て防がれていた。

 

「硬いわね、カブトムシの姿は伊達ではないわね」

 

「ノンナヘナチョコナコウゲキオレニハキカンゾ!!」

 

 

カブトムシ男は自身の防御力に絶対の自信があった、現にサヨの攻撃は全く効いていない。

 

 

「・・・アカメなら切り裂くことができるかも知れないけど私じゃ無理ね、なら」

 

サヨはある箇所に狙いを定めて切りつけた、その箇所は腕の関節だった、関節の柔らかい部分になんとか傷をつけることができた。

 

 

「ソンナカスリキズナンテコトハ・・・ナンダ?」

 

傷口から呪毒が浮かび上がり心臓へ向かい出した、そして心臓へ到着すると呪毒は心臓の鼓動を止め息の根を止めた。

 

 

「ガハッ!!」

 

カブトムシ男は力尽き倒れた、だがサヨに笑顔はなかった。

 

「私にもっと力があれば、でも今は目の前の敵に集中しないと」

 

 

 

一方その頃カーコリッテはクワガタ男に臣具で攻撃を加えるも全然効いていなかった。

 

「ダメ、全然効いていない!!」

 

臣具バラクーダは連射に優れているが破壊力にかけるのである、するとそこにマインが加勢した。

 

 

「何てこずってるのよ、だらしないわね!」

 

「しょうがないでしょ、あいつすごく硬いんだから!」

 

「アタシがやるから下がってて」

 

 

そう言われてカーコはマインに任せて下がった、クワガタ男ニヤリと笑っている。

 

 

「ツギハチビチャンカ?オレニジュウハキカナイゼ!!」

 

 

「アンタ程度がいい気にならないでよ、かかって来なさい!」

 

 

「ヨユウブッテンジャネェ!!」

 

クワガタ男は高くジャンプして飛び掛かりマインを一刀両断するつもりでいた、自分自身の硬さに自信を持ちすっかりマインをナメていた、パンプキンにエネルギーがチャージしていく、そして強力な攻撃が放たれた。

 

 

 

ドウッ!!!

 

 

「ナッ!?コンナノフセ・・・ギャアアアア!!!」

 

予想をはるかに上回る威力にクワガタ男はなすすべなく蒸発していった。

 

 

「ピンチの時ほどアタシは強い、パンプキンを甘く見たわね」

 

 

「・・・やっぱり帝具はすごいわね、私のバラクーダじゃあんな真似できない」

 

「そうじゃないでしょ、アタシとパンプキンがすごいのよ」

 

マインの態度に苦笑いしつつもカーコは帝具をすごさを認識させられたのであった。

 

 

 

 

「チッ、ナンテカテエハサミダ」

 

カミキリムシ男は鉤爪でシェーレに猛攻を繰り出していた、シェーレはなんとかエクスタスで防御している、シェーレは猛攻が止まる一瞬の時を待っていた、そしてカミキリムシ男が疲れて一瞬攻撃が止まった。

 

 

 

「エクスタス!!」

 

シェーレはこの瞬間を待っていた、エクスタスの奥の手を使用し閃光で目をくらませた、目がくらんでいるうちにシェーレはカミキリムシ男を一刀両断した、身体は真っ二つになり地面に転がった。

 

 

 

「すいません」

 

シェーレは礼儀正しく深々と頭を下げた。

 

 

 

 

レオーネはフンコロガシ男と対峙していた。

 

 

「オレノカイリキデヒネリツブシテヤルヨ」

 

「たいした自信だな、かかってきな!!」

 

「アノヨデコウカイシナ!!」

 

フンコロガシ男は渾身の力でレオーネの顔面を殴った、フンコロガシ男はしてやったりの表情をしている、だが。

 

「このていどか?」

 

 

「バ、バカナ!!」

 

レオーネは顔面にまともにパンチをくらったがケロッとしている、フンコロガシ男は信じられなかった、自分の怪力が全く通用しないなんてありえなかったから。

 

「じゃあ次は私の番だ!!」

 

レオーネも渾身の力でフンコロガシ男をぶん殴った、フンコロガシ男の頭が木っ端みじんに粉砕された。

 

「虫けらごときが獅子に勝てると思ったか!!」

 

 

レオーネは勇ましく勝ち名乗りをあげた、その頃ブラートは古代危険種ニーグヘグと交戦していた、ブラートはノインテーターを振りかざし頭部にきりかかった、だが硬すぎて切り裂くことができなかった。

 

 

 

「こいつは硬えな、だが手はある」

 

ブラートは再度きりかかった、だが切り裂くことができない、ニーグヘグは口から溶解液を吐き出した、ブラートは素早くかわした、側にあった岩に溶解液が浴びせられた、たちまちに岩はどろどろに溶かされた。

 

 

 

 

「こいつはまともにくらえばやばいな、だがもう見切ったぜ!!」

 

 

ニーグヘグは溶解液を連射して吐き出した、ブラートは難なくかわしていく、そして再度ニーグヘグに切りつけた。

 

 

ズバッ!!

 

 

今度は脳天から真っ二つに切り裂くことができた、ブラートは同じ箇所を寸分狂わず切りつけていたのである。

 

 

ギャオオオオオ!!!

 

 

ニーグヘグは断末魔の雄叫びを叫びながら絶命していった。

 

 

 

「バ、バカナ、ニーグヘグガコンナニアッサリト・・・」

 

カマキリ男は呆然としていた、古代危険種ニーグヘグがこんなにあっさりやられるなんて夢にも思っていなかったから。

 

 

 

「残りはお前だけだぜ」

 

 

「ヨクモオレタチノヒガンヲ!!」

 

カマキリ男は憎悪の眼差しでラバを睨みつけた、恨みのある帝国を叩き潰す、それは兄や同胞の悲願であった、それが今潰えてしまった、その悔しさは言葉で現せなかった。

 

 

「帝国を恨む気持ちはわかるがお前らはやっちゃいけないことをやっちまった!!」

 

「ダマレ!!」

 

 

もう帝国に復讐することはかなわない、せめて兄の敵であるこいつだけは殺す、渾身の力で鎌をラバの胸に切り付けた。

 

 

 

「ドウダ!!」

 

カマキリ男はラバを仕留めたと思った、だがいつのまにかラバの胸に糸のようなものが巻付けられていた、それで鎌を防いだ。

 

 

「糸にはこんな使い方があるんだよ!」

 

「ナラバソノクビキリオトシテヤル!!」

 

ラバは即座に糸で槍を紡ぎカマキリ男の胸に投げつけ槍が直撃した。

 

 

「コ、コノテイドノキズ・・・」

 

「いいやもう終わっている、クローステールが胸に刺さった時点でお前の心臓へ糸は向かっている」

 

 

胸に刺さった槍は体内でほどけ心臓へ向かって行った、糸は心臓を包み込みバラバラに切り刻んだ。

 

「ガハッ!!」

 

カマキリ男は大量の吐血をしてそのままいきたえた、その表情は憎悪と無念で満ちあふれていた。

 

 

 

「俺達が帝国を打倒してやるから安心して地獄に行きな」

 

 

悪党の供養をするつもりはないがラバなりの後始末であった、こうして誘拐団は壊滅したのであった。

 

 

 

 

 

古城から離れた所に子供を抱えて逃げている男がいた、ナイトレイドがアジトを襲撃しているときにちょうど子供をさらいに行っていたのである、アジトが襲われているのを確認すると反転して逃げ出したのである。

 

 

「なんてことだアジトが潰されるとは・・・これからどうすれば」

 

男が苦慮していると上空から翼を持った男性が降りてきた、それはランであった、男は突然のことに思考が停止した。

 

 

 

「誘拐団の一味ですね?」

 

男はその男性に見覚えがあった、確かイエーガーズの一員だったはずである、男は恐怖に駆られ取り乱してしまった。

 

 

 

「なあ、金やるから見逃してくれ!!」

 

「は?」

 

「ガキ一人くらいいいじゃねえか、それで金手に入るんなら・・・ぐはっ!!」

 

 

ランは男の顔面を力いっぱい殴りつけていた、男の口から折れた歯が飛び散った、男は痛みのあまりのたうちまわっている。

 

 

「そんな申し出私が受けると思っているのですか?」

 

 

この時のランはいつもの冷静さはなかった、怒りで我を忘れているようにも見えた。

 

 

「た、たひゅけ・・・」

 

男の命ごいを聞いてランは我に返り冷静さを取り戻した。

 

 

「私としたことが・・・いけませんね冷静にならないと」

 

 

ランは自分を戒め男を逮捕して子供を保護して帝都へ戻ったのであった。

 

 

 

 

数時間後誘拐団の古城のアジトに数人の人影があった、それはイエーガーズの一員スタイリッシュであった。

 

 

「夜の散歩に出かけてみるものね、おかげで面白いものを見つけることができたわ」

 

スタイリッシュはニーグヘグの死骸を見てご満悦であった。

 

 

 

「さすがのアタシもこの危険種は見たことないわ、じっくり研究してあげるわ」

 

スタイリッシュは強化兵に死骸を持っていくよう指示を与えた。

 

 

「さてどんな発見が見つかるかしらね、楽しみだわ」

 

 

辺り一面にスタイリッシュの高笑いが鳴り響いた、後にあのような発明が世に現れるとは誰も予想していなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 




スタイリッシュが久々に登場しました、十八話以来ですから八ヶ月ぶりです、ずいぶん月日が経ちました、これからも応援お願いします。

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