サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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今回は久しぶりにあのキャラが登場します。


第七十七話

   秘境を斬る(前編)

 

 

 

8月28日

 

 

私達は今西南にある密林地帯に来ている、なぜ密林にいるかというと総大将を目覚めさせる秘薬を確保するためである、その秘薬とは百年に一度に生えるキノコである、あらゆる病に効くとの伝説があるキノコである、革命軍のメンバーも多数参加している、革命軍の今後のためにも失敗は許されないのである。

 

 

 

「それにしてもすごい密林ね」

 

「そりゃそうやろ、この帝国内で最大のジャングル地帯やからな」

 

「そんなところに来てシヴァ大丈夫?」

 

「危険があってもそのキノコウチでないと回収でけへんのやからしゃあないで」

 

 

伝説のキノコ・・・扱いがとってもデリケートなのね、私達がきっちり護衛しないと。

 

 

「・・・」

 

サヨの後ろにいる革命軍の軍服を着た女性が何かを言いたそうである、サヨ達はその女性を知っていた、彼女の名前は・・・

 

 

 

 

「なんで私こんなところにいるの!?」

 

 

彼女は涙目で絶叫した、彼女はチホシ、セリューに殺されそうになっていたところをカグラが助けたのである。

 

 

「今更何言っとるんや?」

 

「だって私雑用として革命軍に入ったのになんでこんなところに来なくちゃいけないの!?」

 

 

雑用は比較的安全と聞いたから入ったのに話が違う。

 

「しゃあないやろ、あんた臣具使いになったんやから」

 

「そ、それはそうだけど・・・」

 

「こっちの方が稼ぎええで」

 

「あああ!!わかったわよ、こうなったら開き直ってやってやるわよ!!」

 

「そうや、人生開き直りが肝心やで」

 

チホシ・・・ほとんどやけになってるわね、気持ちわかるけど。

 

 

「ところであなたの臣具って何?」

 

「うん、これだけど」

 

 

チホシが見せたものは人間の腕くらいの大きさのある魚であった、ただしとてもグロテスクな魚であった、その魚は全身真っ黒でうろこはなくしたあごは空洞であった。(この魚はオオクチホシエソをイメージしてください)

 

 

「うわっ!何このグロテスクな魚!?」

 

「・・・はっきり言わないでよ」

 

 

デリカシーのないイエヤスの言葉にチホシはへこんでいた。

 

「イエヤス少しは気を配りなさい、はっきりとグロテスクと言ったら悪いでしょう」

 

「お前も人のこと言えないだろ」

 

「・・・気にしないで本当のことだから」

 

サヨは気まずい雰囲気を変えるべく話題を変えようとした。

 

 

「ところでその臣具どんな性能なの?」

 

「うん、今見せるから」

 

チホシは臣具の魚のお尻の穴に左腕を突っ込ませた、そのまま左腕に魚を装着させたのであった。

 

 

「・・・」

 

サヨ達は微妙な表情で何も語ることができなかった、けっこうシュールだったから。

 

 

「格好悪いとはっきり言ったら」

 

「そ、そんなことないわよ、ねぇイエヤス」

 

「お、おう、なかなかシュールだぜ」

 

「イエヤスそれ褒めてないから!」

 

「無理して合わせることないから」

 

 

チホシはそう言ってくれたけど内心気にしてるわね、悪いことしちゃった。

 

 

「それどんな能力持ってんだ?見せてくれよ」

 

「わかった」

 

 

チホシが念じると口の上にある白い部分からまばゆい閃光が発した、それは強力な照明だった。

 

 

「それ照明の能力持ってんだ」

 

「うん、だけどもう一つ能力あるのよ」

 

チホシは再び念じた、だが何も起こらない。

 

「何も起こらなかったけど」

 

「ちょっと待って」

 

 

チホシは突然魚の目をくり抜きくり抜いた目をサヨに渡した。

 

 

「ち、ちょっと・・・」

 

 

突然目を渡されてサヨは困惑した、だがチホシは真面目な顔で。

 

 

「その目を通して見て」

 

サヨはわけがわからず言う通りにした、するとその目を通した光景には魚が赤い光を発していたのである、サヨは目を通さずに見てみると赤い光は見えなかった。

 

 

「これどうなっているの?」

 

「赤い光見えたでしょう?」

 

 

「うん」

 

「この赤い光人間には見えないのよ、ガウシアの目を通せば見えるのよ」

 

「ガウシア?」

 

「この臣具の名前なの」

 

「へえーなかなか面白い能力だな」

 

 

イエヤスが面白がっているとガウシアのくり抜いた目が一瞬で再生して元に戻った。

 

 

「こ、これって?」

 

この再生能力まさか・・・

 

 

「このガウシアは生物型臣具なの」

 

生物型!?スーさんやコロやアジトを襲った変態と同じ、でも・・・

 

 

「この臣具は腕に装着しないと動かないのよ」

 

 

自動じゃないんだ、臣具って思ったよりも深いわね。

 

 

「ねえチホシガウシアお披露目してるの?」

 

「そうだけど」

 

「ボクのもお披露目したいんだけど」

 

「好きにしたら」

 

 

突然ショートカットの女の子が割り込んできた、彼女はどこかで会ったことがあるような・・・

 

 

「あなたどこかで会ったっけ」

 

「さあ」

 

「あなたの名前は?」

 

「ボクの名前はキャスカだよ」(キャスカはアカメが斬る零第4話でガイに殺されたモブ娘です)

 

 

「キャスカ・・・そうだ!確か本部でチホシがキャスカって呼んでたわね」

 

「まあその話は後にしてボクの臣具見せてあげるよ」

 

 

この人結構せっかちね、まあいいかな、それにしてもこの人の臣具どんなんだろう。

 

 

「これ」

 

「これってもしかして生物型?」

 

「当たり」

 

 

当たりって言ったけどこの人の臣具も魚だし、チホシには悪いけどグロテスクではないわね、ただはらびれがすごく長いわね、目はものすごく小さいし。(この魚はナガヅエエノをイメージしてください)

 

 

「この子の名前はテロイス、この長いはらびれで数キロ先の生き物の察知できるんだよ」

 

「察知?」

 

「うん、見てて」

 

キャスカはチホシと同じように左腕に魚を装着した、すると無数のはらびれがゆらゆら揺れ始めた。

 

 

「かなり距離があるけどかなりの人数がこっちに近づいてきてるよ」

 

「えっ!?」

 

 

一体何者なのかな?まあ目的は何となく予想できるけど・・・きっと例のキノコに違いない。

 

 

「少し急ごうか?」

 

「そうね」

 

 

私達は少し急ぐことにした、しばらくすると同行していた女の子が息切れをし始めた。

 

「大丈夫?」

 

「は、はい」

 

見た限りではかなりきつそうに見えるが足を引っ張りたくないので必死なのであろう、それにしてもこの子初めて見るわね、革命軍の軍服とか着ていないから不思議に思ってなかったけど。

 

 

(この少女はアカメが斬るアニメ第三話に出てきた難民の少女です)

 

 

「どうしました?」

 

「あなたの着ている服が気になって」

 

「私の服変ですか?」

 

「そういう意味じゃないわ、革命軍の軍服じゃなかった気になったということだから、あなたの服とてもオシャレよ」

 

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

服を褒められて照れて赤くなっている、かわいいわね、まあ実際この子の服は濃い青紫のミニスカート、同じ色の半袖のえり付きのシャツ、えり元には水色のリボン、私から見たらすごくオシャレに見える。

 

 

「ねえ、この子なんでこんな秘境に連れて来たの?危ないでしょ」

 

 

どう見ても強いとは思えない、11、12歳くらいの普通の女の子である、この子にどんな秘密が?

 

 

「この水飲んでみい」

 

「この水は?」

 

「とりあえず飲んだらわかる」

 

シヴァに言われて私達は差し出された水を飲んでみた、すると・・・

 

 

「この水すごくおいしい」

 

「本当だ、すげえうめえ!」

 

こんなにおいしい水飲んだことがない、でもこの子と何の関係が?

 

 

「この水そこのジェリーが造り出したんやで、ジェリーは無から水を造り出せる臣具使いなんやで」

 

 

「そうなの!?まあ無から氷を造り出せる帝具があるんだから水を造り出せる臣具があっても不思議じゃないわね」

 

「そういうことや」

 

「なあ、もっとくれよ」

 

「は、はい」

 

イエヤスはジェリーにコップを渡した、ジェリーはコップに意識を集中させている、そしてジェリーは口から水を出したのであった、イエヤスはその光景を見て吹き出した。

 

「きたねえじゃねえか!!なんてもん飲ませんだ!!」

 

イエヤスの憤慨にジェリーは怖がり目をウルウルさせた。

 

 

「何泣かせとるんやひどい奴やな」

 

「だけどよ・・・」

 

 

ボガン!!

 

 

「何やってるのよ!!本当あなたデリカシーないわね!!」

 

「ワリイ・・・」

 

サヨの鉄拳が炸裂してイエヤスは謝った、ジェリーはまだ目をウルウルさせている。

 

 

「ゴメンね、このばかがデリカシーのないこと言って」

 

「いいえ気にしないでください、本当のことですから」

 

 

涙目のままニッコリ微笑んでくれた、すごくいい子だ・・・私も心の中で少しだけ汚いと思ってしまった、心が痛い!!

 

 

 

「けどよなんでこの子をここに連れて来たんだ?」

 

「それはジャングルの水は地元の人間以外が飲むと水当たりすることがあるんや、だから連れて来たんや」

 

「確かに、水はすごく大事だからね、それを考えればこの子の能力すごく大事ね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

ジェリーはサヨに褒められて照れて赤くなっている、サヨはジェリーをかわいいと思った。

 

 

 

「サヨさん達盛り上がっているね」

 

「ジェリーの能力を目の当たりにしてビックリしたんでしょう」

 

「ジェリーのお水美味しいんだけどね・・・」

 

 

サヨ達の少し後ろにファル、ルナ、エアが歩いている、ラバとスサノオがエア達を守るように歩いている。

 

 

「エアちゃん達大丈夫?」

 

「は、はい」

 

「あまり無理するなよ、俺達のペースに無理して合わせることはないのだからな」

 

「大丈夫だよスーさん、私達これでも少したくましくなったんだから」

 

「エアはずいぶん張り切っていました、久しぶりにラバさんに会えるので」

 

「何か言った?」

 

「な、何でもありません!!ルナ余計なこと言わないで!!」

 

「とにかく私達はまだ大丈夫ですから」

 

「わかった無理するなよ」

 

 

赤くなったエアを見てファルとルナはかわいいと心の中で思ったのである、そのエア達を後ろから見ている者達がいる、その二人はメイド服を着ていた、ジャングルにメイド服の女子とは何ともシュールであった。

 

 

「まったくあいつらのんきだね」

 

「まあ今はいいんじゃないですか、じきにここは修羅場になるんですから」

 

 

このメイド服の女子達はギルベルダとカサンドラである、かつて二人は暗殺結社オールベルグの殺し屋だったがオールベルグが壊滅して帝国に一矢報いるために革命軍にいるのである、ちなみに二人は革命軍の理念にまったく賛同していない。

 

 

 

「それにしてもなんでアタシ達こんなところに来てるんだ?」

 

「それはエヴァさんの命令ですから」

 

「それはわかってるよ、なんでアタシ達があいつの命令に従わないといけないんだ?」

 

「気持ちはわかります、だけど今の私達は・・・」

 

「みなまで言うなわかってるよ、今のアタシ達じゃ帝国に一泡吹かせることはできないんだからな」

 

「ではさっさと仕事を終わらせましょう」

 

「ああ」

 

 

二人はミジメでならなかった、オールベルグにいた頃は命の危険は日常茶飯事であったがやり甲斐はあった、あの頃はメラルド・オールベルグが健在だった、彼女のためならどんな過酷な任務もこなすことができた、だが彼女がいない今はとにかく虚しさを感じずにはいられなかった、それでも帝国に一矢を報いるべく革命軍の仕事をこなさなくてはならないのであった、こうして様々な想いを抱いて一行は進むのであった。

 

 

 

今回の参加メンバー

 

 

ブラート レオーネ ラバック シェーレ サヨ イエヤス スサノオ エア ルナ ファル 

 

シヴァ カーコリッテ ガザム レッド サン サイード ギルベルダ カサンドラ

 

キャスカ チホシ ジェリー バァド マムシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




久しぶりに三人娘が登場しました、この三人の帝具の能力覚えていますか?次回で少し活躍します、これからも応援お願いします。

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