サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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第七話

   夢物語を斬る

 

4月10日

 

「今日はボスから帝国最強の将軍のことを聞いた、名前はエスデスといい帝国最年少の女将軍でボスの右目と右手を奪った張本人である、エスデスの帝具はデモンズエキスで氷を生み出すことができる、いったいどれだけの威力なのだろう、想像できない、エスデスは今は北の異民族の討伐に行っており帝都にはいない、鎮圧には今年いっぱいかかるとラバは言っていた、正直に言ってホッとしている、ボスが全く太刀打ちできなかった相手に私なんかが敵うわけないから、今は鍛練に集中しないと」

 

その頃北の大地では・・・

 

猛吹雪の中二人の戦士が戦っていた、ひとりはそのエスデスでもうひとりは北の異民族の王子ヌマ・セイカである。

 

ヌマ・セイカは槍を大きくふりぬく、だがエスデスはあっさり防いだ、エスデスは氷の矢を彼に浴びせた、胸板を貫いた、地面に倒れ勝負はついたと思いきや、彼の傷がみるみるふさがっていった。

 

「ほう、北の異民族に伝わる傷を瞬時に治す秘伝の秘薬何度見ても面白いな」

 

彼の傷はあっという間に完治した。

 

「だが、一度口にしたら24時間で必ず死ぬ、そうまでして生き残った民を逃がす時間稼ぎをするか」

 

「俺が始めたことだからな、これは落とし前だ、貴様を倒せば俺が死んでも国家再建は夢物語ではない、共に地獄に落ちようぞエスデス!!」

 

「地獄へは貴様ひとりで行け」

 

「つれないことを言うなエスデス」

 

「御託はいいかかってこい」

 

「ならば行くぞエスデス」

 

ヌマ・セイカは突撃していく、エスデスは無数の氷の矢を生み出し攻撃した、決着は間もなくついた。

 

4月20日

 

一週間前から帝都に現れた首斬りザンク、数十人の人間の首がその首斬りに切り落とされた、ナイトレイドはザンクの抹殺に乗り出した、ザンク捜索の最中にイエヤスは死んだはずのタツミと出会った、イエヤスはタツミを追って広場まで来た。

 

「お前、タツミか?」

 

イエヤスはタツミに問いかけた、だが、返事がない。

 

「やっぱりお前タツミじゃねえな、あいつは下半身を切り落とされたんだ、生きてるわけねぇんだよ、誰だてめぇ!」

 

イエヤスは怒鳴りつけると、タツミの姿が大男に変わった。

 

「てめぇ、まさかザンクか?」

 

「全くこんなガキに見破られるなんて不愉快、不愉快」

 

この男こそ悪名高い首斬りザンクである。

 

「さて、早速首をもらおうか」

 

「簡単にはやらねえぜ」

 

イエヤスは剣を構えると、頭上から人が降りてきた、アカメがやってきた。

 

「お前がザンクだな、直ちに葬る」

 

アカメは剣を構えた。

 

「こいつがあのアカメか、まともにやりあうのは危険だな、ならば」

 

ザンクは念じると額の玉が反応した、すると、アカメの動きが止まった。

 

「どうした、アカメ」

 

イエヤスが呼びかけても反応がない。

 

「帝具スペクテッドの能力のひとつ幻視、今アカメは最も愛しい者が見えている、動揺しているはず今のうちに首を落とす」

 

ザンクが斬りかかろうとしたその時、アカメはダッシュしてザンクの左胸を突き刺した。

 

「ば、ばかな愛しい人間の姿が見えていた・・・はずだ・・・」

 

ザンクは釈然としないまま倒れた。

 

「愛しいからこそ早くころしてあげたいんだ」

 

「アカメ、今、なんて言ったんだ?」

 

「そのうち話す」

 

イエヤスはア然としていた、アカメは月を見上げていた。

 

4月21日

 

ナイトレイドの一同は会議室にいた。

 

「さて、ザンクから回収した帝具、試しにお前達装着してみるか?」

 

ナジェンダはサヨ達に言った。

 

「私はいいわ、イエヤス、あなた試したら」

 

「そうか?じゃ早速」

 

イエヤスは装着した。

 

「何が起こるかな、とりあえず気合いをいれて」

 

イエヤスは念じると帝具が発動した、すると、アカメ達の服が透けて下着が見えた。

 

「おお、これはすげえぜ、帝具ってすげえぜ」

 

イエヤスは大興奮している。

 

「さらに気合いをいれたらさらに透けるかな?ぬん!!」

 

さらに気合いをいれた。

 

「まあ、さすがにそんな都合よく・・・」

 

すると、下着も透けて全裸が見えた。

 

「マ、マジか?やってみるもんだぜ」

 

イエヤスはさらに興奮した。

 

「ねぇイエヤスどう?」

 

サヨの問いかけにイエヤスは後ろを振り向いた、すると、サヨの全裸も見えた。

 

「こ、こっちもか?」

 

イエヤスがうろたえていると。

 

「おい、どうだ?」

 

ラバとブラートの方を見ると二人の全裸が見えた。

 

「・・・そうだよな、女だけってわけにはいかないよな」

 

イエヤスは気力ががた落ちした。

 

「おーい、イエヤスどうだ?」

 

レオーネが聞いてきたので振り向くとレオーネとナジェンダの全裸が見えた。

 

「さ、さすが大人の女だぜ」

 

イエヤスの気力が上がった。

 

「それにしても凄すぎるぜこれ、にしても全裸が見えたなんて言ったら殺されちまうな、どう言ったらいいかな」

 

イエヤスは答に困っていた。

 

「そうだ、がいこつが見えたと言えばいいな、ナイスアイデアだぜ」

 

イエヤスはニヤニヤしていると、マインが問いかけた。

 

「何ニヤニヤしているの・・・ま、まさか透けて見えているの!?」

 

マインはかんずいた。

 

「(やばい、なんとかごまかさないと)す、透けてない下着は透けてない」

 

「下着って・・・ま、まさか下着も透けてるの!?」

 

イエヤスは墓穴を掘った、一同は大騒ぎになった。

 

「イエヤス、あなた、なんてことしてくれるのよ、後でぶっ飛ばすから」

 

サヨは真っ赤になりながら叫んだ。

 

「すべて見られちまったわけだな」

 

ブラートは赤くなった。

 

「てめぇ、ナジェンダさんのヌードを・・・なんてうらやましい、てめぇは死刑だ」

 

ラバは血の涙を流した。

 

「ボス」

 

「好きにしろ」

 

レオーネとナジェンダは激怒している。

 

「ま、待ってくれ、透けているのは服だけだ」

 

なんとかごまかそうと必死である。

 

「本当、じゃあ、シェーレの下着は何色?」

 

「(た、確か紫だったはず)紫だ」

 

「違います」

 

シェーレはキッパリと言った。

 

「そ、そんなはずは?確か紫だったはずだ!?」

 

イエヤスは慌てている。

 

「だったはず?やっぱり全部透けてるんじゃない!!」

 

「ヤ、ヤバい」

 

万事休すである。

 

「思い出しました、紫でした」

 

「いまさらおせえよ!!」

 

イエヤスが絶叫すると、マインは帝具を構えていた。

 

「このど変態、覚悟はいいわね」

 

「ま、待っ・・・」

 

マインは言い終える前に帝具をぶっ放した。

 

「ウギヤアアアアア!!」

 

イエヤスの悲鳴が鳴り響いた。

 

「つまり、念じたら全部透けたと?」

 

「・・・はい」

 

イエヤスは黒焦げだった。

 

「どうやらお前はこの帝具と適合できたようだな、正直に言って全く適合できるとは思ってなかったぞ」

 

「ちょっとボス、まさか」

 

マインは慌てて問いかけた。

 

「適合したしな、預けるつもりだ」

 

「冗談じゃないわよ!!こんな変態にそんな帝具預けるのなら、アタシ今すぐナイトレイド脱退するから!!」

 

マインは激怒している。

 

「気持ちは分かるが落ち着け、この件は私に任せてくれ、責任は私が取る」

 

「わかったわよ・・・」

 

マインは渋々了解した。

 

「にしても本当に帝具はすげえな、もしかしたら、生き返りの帝具もあるんじゃないか」

 

イエヤスがはしゃいでいると一同は静まりかえった。

 

「どうしたんだよ?」

 

イエヤスは皆の様子にキョトンとしている。

 

「・・・ねぇよ、そんな帝具は、命はひとつだけだ」

 

ブラートは険しい表情で言った、サヨとイエヤスは深刻な表情になった。

 

「けどよ、探してみたらあるかも・・・」

 

「そんな帝具があるのなら始皇帝は生きながらえている」

 

アカメは否定した。

 

「でも、それは寿命だったから適応しなかったわけでそれ以外なら・・」

 

サヨは諦めきれなかった。

 

「ないな、断言していい」

 

ナジェンダは断言した。

 

「なぜです!?」

 

「もしそんな帝具があるのなら最優先で確保するはずだ、現時点でないということは最初からなかったということだ」

 

「・・・」

 

ナジェンダの説明に二人は呆然としている。

 

「あきらめろ、敵に付け込まれるぞ」

 

アカメの言葉に二人は何も言えなかった。

 

しばらくしてサヨ達はタツミの墓標に来ていた。

 

「ねぇ、その帝具よく適合できたわね、カッコイイと思ったの?」

 

「いや、カッコイイとは思わなかった」

 

「だったらなんで?」

 

サヨは不思議そうにしている。

 

「幻でももう一回タツミに会わしてくれてありがとなと思ったら適合できたんだよ」

 

「そ、そんなんで適合できたの?」

 

サヨは帝具は奥が深いと思った。

 

「じゃあ、俺、戻るぜ」

 

「うん、私はもうちょっとここにいるから」

 

「わかった」

 

イエヤスは戻っていった。

 

しばらくサヨはタツミの墓標に語っていると、後ろから。

 

「サヨ・・・」

 

シェーレが話しかけてきた。

 

「サヨ、大丈夫ですか」

 

シェーレは心配している。

 

「うん・・・」

 

サヨの言葉に力はなかった。

 

「生き返りの帝具がないとわかったのはショックだったけど、そんな都合のいい帝具がそうそうあるわけがないし」

 

「残念ですが、帝具でもそこまでは」

 

「私が気にしてるのは、帝都に来る途中で夜盗に襲われたことなの、タツミは正面突破しようと言ったんだけど、私はバラバラに逃げようって言ったの、もしタツミの言うとおりにしていればタツミは死なずにすんだんじゃないかなと思っているの・・・」

 

サヨの目から涙がボロボロこぼれだした、すると、シェーレは後ろからサヨを抱きしめた。

 

「今は好きなだけ泣いていいですよ」

 

「いいの?殺し屋がそんな甘くて」

 

「今はいいんじゃないでしょうか」

 

その言葉を聞くとサヨはさらに泣きだした。

 

「・・・今でも思うの、タツミの判断が正しかったんじゃなかったって」

 

「でも、三人共死んでしまう可能性もありましたよ」

 

「そうよね、わかってる、けど、今は・・・」

 

「今はいっぱい泣いてください」

 

「うん、うっ、うっ、うっ、」

 

サヨは泣き続けている、シェーレは優しく抱きしめている。

 

「ありがとう、シェーレ」

 

「こちらこそ、サヨ、(おかげで、役に立てることをもうひとつ見つけました)」

 

夜空に星が輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




結構話を書きましたが文才のなさを改めて痛感します、それでも、ぽつぽつ書いていくので読んでください。

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