サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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七ヶ月ぶりの投稿です、肩と首の痛みがひどくなってなかなか投稿できませんでした、他にも自分の下手くそな小説はなくてもいいんではないかという思いもあり投稿しませんでした、でも、今年も残り少ないと思い投稿してみました、相変わらずの下手くそですがよろしくお願いします。


第八十五話

   遠縁を斬る(前編)

 

 

劇場内の人間は突然現れた男に皆驚いていた、その男は悪名高い大臣の親戚であるイヲカルだったからである。

 

 

「・・・あのお、ここへ何用ですか?」

 

 

団長は恐る恐る質問した、下手をすれば身の破滅であるから。

 

 

「その女を探していたのだ」

 

 

イヲカルは指を指した、その先には昨夜保護された女性がいた。

 

 

「その女は俺の屋敷にあるツボを割って逃げたのだ」

 

 

「そうなのですか?」

 

「そうだ、その女は俺が連れていく、文句ないな?」

 

「は、はい・・・」

 

正直団長は本当とは思えなかったが相手が大臣の親戚であるので拒否できなかった。

 

 

イヲカルは女性に近づいていく、女性の顔は恐怖に満ちていく。

 

 

「お、お願いします!!助けてください!!このまま連れて行かれたら私は殺されてしまいます!!」

 

「どういうことですか!?聞き捨てなりません!!」

 

セリューはイヲカルに問いただした、するとイヲカルは笑みを浮かべて答えた。

 

「気にするな真っ赤な嘘だ、この場を逃れるためのな」

 

「そうなのですか?」

 

「違います!!私はこの男に誘拐されたのです!!暴行されて隙を見てやっと逃げ出して来たのです!!」

 

 

「本当ですか!?本当なら・・・」

 

「嘘だと言ってるだろ、それとも俺の言うことを信じられないか?」

 

「それは・・・」

 

「俺に逆らえば叔父上が黙ってないぞ」

 

「・・・」

 

セリューは動けずにいた、自分の行動で隊長達に迷惑がかかってしまうことを恐れたからである。

 

 

 

 

「こいつは連れていく、文句ないよな?」

 

「は、はい・・・」

 

 

 

「さあ来い!!」

 

イヲカルは女性の腕を掴み強引に連れ出した、女性は必死に抵抗するも力及ばず引っ張られていく。

 

 

 

「あの人連れて行かれますわよ、姉様」

 

「当然助けますわよ、ロリス」

 

双子は女性を助けようと行動にとりかかった、これが男ならあっさり見捨てているところであるが。

 

 

「待ちなさい、二人共」

 

 

チェルシーが双子を制止した、双子はそれにムッとした。

 

 

「なんで止めますの!?」

 

「それはこっちのセリフよ、今飛び出したら終わりよ」

 

 

周りにはイヲカルの護衛が複数いる、何よりクロメとセリューがいるのだ飛び出すのは自殺行為である。

 

「じゃああの人を見殺しにするんですの!?」

 

「男ならいいですけど女性を見殺しにするのは許せませんわ!!」

 

聞き分けのない双子にチェルシーは鋭く双子を睨みつけた。

 

 

「いい加減にしなさい、これは命令よ」

 

チェルシーの冷たい眼光に双子は怯んだ。

 

「・・・わかりましたわよ」

 

「チェルシーのくせに生意気ですわよ」

 

双子は不満を抱きながら驚いてもいた、オールベルグ時代になかったチェルシーの冷徹さに、あの頃は帝具頼りの見習いにすぎなかったのに。

 

 

・・・ふぅ、おとなしく下がってくれて助かったわ、力ずくでこられたら私じゃ手に負えないから。

 

 

チェルシーは無表情で安堵している、双子はチェルシーがそう思っているとはつゆしらずである。

 

引き下がった双子を見てマインは複雑な思いだった、見殺しにするのは有効な手段であるがそうせざるをえない自分にスッキリしない思いを感じている自分に。

 

 

何もしない、これが正しい判断よ、アタシは間違っていないわ・・・

 

 

マインは自分に言い聞かせている、言い訳と百も承知で。

 

 

 

セリューは泣き叫ぶ女性を見て葛藤していた、助けたいが隊長達に迷惑がかかることを恐れて動けずにいた。

 

 

私はどうすれば・・・

 

 

その瞬間、父に言われた言葉が脳裏に浮かび上がっていた、今は亡き父の言葉を。

 

 

 

正義の道を歩んでいれば悩む時が必ず来るだろう、その時は自分の心に正直になれ

 

 

 

・・・そうでした、私としたことが一瞬とはいえ臆して正義の本分を見失ってしまうとは・・・まだまだ未熟です、

もう私は迷いません!!

 

 

 

「待ってください!!」

 

「なんだ?」

 

「その人は私達イェーガーズで保護します」

 

「何だと!?」

 

「その人が嘘を言っているとは思えません、調査が必要です」

 

「俺の言うことが信じられないのか!?」

 

イヲカルは顔を真っ赤にしてセリューを睨みつけた、セリューは臆することなく。

 

 

「あなたに非がないのなら調査しても問題ないのでは?」

 

「うぐ・・・」

 

 

問題大ありだった、屋敷には誘拐した女性が多数おり、暴行死させた遺体もあるのであるから。

 

 

「俺は大臣の親戚だぞ、そんなまねをしてただですむと思っているのか!?」

 

「私達イェーガーズには特権があります、そんな脅しに屈しません!!」

 

「ぐぎぎ・・・」

 

 

イヲカルは怒りで言葉を発することもできなかった、しばらくしてイヲカルある決意をした。

 

 

「お前達かかれ!!」

 

イヲカルは連れて来た護衛に命令を下した。

 

 

「いいんですか!?あいつ、エスデス将軍の部下ですよ!?」

 

 

護衛全員が恐怖で青ざめた、エスデスの怒りを買えば殺されるだけではすまない、どんな惨い目に遭うかわからないからである。

 

 

 

「心配するな、俺が後で叔父上にとりなしておく」

 

「そういうことなら・・・臣具使っていいですよね?」

 

「かまわん」

 

護衛達は安堵して臣具を装備していった、完全な臨戦態勢であった。

 

 

「仕方ありません、コロ!!」

 

「キュッ!!」

 

 

コロはセリューの命令で一瞬で巨大化した、こっちも準備完了である。

 

 

「まだ容疑の段階です、殺しちゃダメですよ!!」

 

「キュッ」

 

コロはわずかに不満だったがマスターの命令には従うことにした。

 

 

「エスデス将軍の後ろ盾があるからと言っていい気になるなよ、後悔させてやる、かかれ!!」

 

 

イヲカルは護衛達に命令を下した、護衛達は一斉にセリュー達に飛びかかる、帝具と臣具の激闘が開始された。

 

 

 

 




久しぶりの小説いかがでしたか、文章の出来には自信がありませんが更新してみました、今までのペースで更新はできませんが少しずつ投稿してみます、これからもよろしくお願いします。

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