サヨが斬る!   作:ウィワクシア

99 / 123
今回はえぐいダークな展開にしました、なお今回の主役であるミーラとロリスの声は松田姉妹をイメージしてください。


第九十八話

復讐を斬る(前編)

 

 

ラバが昔話を語っている頃、別の場所で戦いが行われていた、戦いといっても人数の差はかなりのものがあった、大勢の男達が二人の少女を取り囲んでいるのである、だが形勢は少女達が圧倒していた。

 

 

「たあっ!」

 

 

少女の斬撃が男の頭部を切り飛ばした、残された下顎の部分から噴水のように血が噴き出している。

 

 

「さすが姉様、私も!」

 

 

もう一人の少女も別の男を切りつけた、脳天から真っ二つに切られ大量の血しぶきが上がった。

 

 

「やりますわね、ロリス」

 

「姉様こそ」

 

 

少女達の強さを前にして男達は怯んだ、だが怒りが恐怖を上回っていた。

 

 

「このガキ!!」

 

「ブッ殺す!!」

 

「殺す前に犯してやるぜ!!」

 

 

男達が一斉に少女達に襲いかかった、だが少女達は全く動じず逆に男達を次々に切り倒していく。

 

 

「私達の敵ではありませんわ」

 

「所詮雑魚だよ」

 

「変顔にしたいけど今回はできませんわ」

 

「うん、どっちが多く殺せるかの競争だから」

 

「張り切ってもっと殺しますわよ、ロリス!」

 

「うん、姉様!」

 

 

この二人の少女の名前はミーラとロリスでかつては暗殺結社オールベルグのメンバーでオールベルグ壊滅後はいろいろないきさつがあり、不本意ながら革命軍に協力しているのである。

 

 

「ガキが!!」

 

「ぶっ殺す!!」

 

 

数人の男達、盗賊たちがロリスに一斉に襲いかかった、だが、ロリスは一瞬で首筋を切りつけ首筋から血しぶきが勢いよく噴き出した、苦痛の悲鳴を上げそのまま絶命した。

 

 

「腕を上げましたわねロリス」

 

「うん、でも奴にはまだまだ及ばない」

 

「そうですわね、あの女を殺すにはまだまだ」

 

「いつか奴をこの手で切り刻む!」

 

「ええ」

 

 

二人は思い出していた、あの屈辱の日のことを・・・

 

 

 

 

数年前、ミーラとロリスはオールベルグを壊滅させた暗殺部隊に復讐するために暗殺部隊に恨みを持つマシロ、ムディらと手を組み行動していた、だが、ムディの護衛のナックルの治療をするために革命軍本部の近くまで寄り、マシロが軍医を勤めるシヴァを強引に連れて来て診察したところ絶対安静と判断されたのである、それを聞いてムディは心底落ち込んでいた。

 

 

「な、なんとかしてください」

 

「どうにもならん」

 

「腐った左腕を切り落とせばなんとかなるでしょう!?」

 

「腕を切り落としたら大丈夫といかないんや、輸血せなあかんし、片腕なくなっただけでも相当身体のバランスが崩れるんや、リハビリに最低でも数ヶ月かかるんや」

 

「復讐を果たせる間だけ持てばいいんです、そのあとはいつ死んでもかまわない」

 

「・・・あんたの事情はとやかく言うつもりはない、けど医者としてこいつをみすみす死なせるわけにはいかん」

 

「ならば・・・」

 

「力ずくでいくんか?なら相手になるで」

 

 

シヴァはメスを取りだし身構えた、ムディは何も言わずただ立ち尽くしていた、シヴァの方が自分より強いと判断したからである、ムディは頭には自信があったがうでっぷしには全く自信がなかったのである。

 

 

「ここまで来たのに、こんな・・・」

 

 

歎き悲しむムディを見てマシロや双子は気の毒と感じた、だがこのままここにとどまるわけにはいかなかった。

 

 

「・・・じゃあ、ムディさん、私達は行きますから」

 

 

この場を離れようとする双子達を見てムディの表情は一瞬で険しいものになった。

 

 

「あなた達、私を置き去りにするつもりですか!?」

 

「置き去りも何も仕方ないですわ」

 

「ふざけないでください、ここまでどれだけ私が苦労をしたと思ってるんですか!?」

 

「そりゃあ、あなたには感謝しているけど」

 

「あなた達だけ復讐を果たすだなんて私は許しませんよ!!」

 

「じゃあ、あなただけついて来ればいいでしょう」

 

「あなた達も知っての通り私は戦闘は全くできないんですよ、ただ見てるだけの復讐なんて何の意味があるのですか!?」

 

「それはあなただけの問題ですよ、とにかく私達の邪魔をするならあなたでも殺すよ」

 

「ぐっ・・・」

 

 

シヴァはこの一同を見てなんとも無様でかつ哀れにも感じた、所詮復讐のためだけに組んだだけの集団である、絆など微塵もないのである。

 

 

「とにかく悪いと思う、だが私達の邪魔をしないでくれ」

 

「くっ・・・」

 

 

ムディはマシロに言われて何もできずにいた、マシロの強さはムディ自身よく知っており太刀打ちすらできないのはあきらかであったから。

 

 

「無念だ・・・」

 

 

歎き悲しむムディを見てマシロは何も言えなかった、何か言ったところで傷口に塩を塗り込むようなものであるから。

 

 

「ではシヴァ後は頼む」

 

「ああ」

 

そうマシロは言い残しその場を去ろうとしていた、だが思わぬ人物がそれを阻んだのである。

 

 

「ちょっと待て」

 

 

その瞬間マシロは足を止めた、足を止めたのは待てと言われたからではない、その声に聞き覚えがあるからではある、思い違いでなければその声の人間は・・・

 

 

マシロは声の方に振り向いた、そこには二人の人間がいた、一人は男の兵士でもう一人は女であった、マシロがよく知っている女である。

 

 

「エヴァ・・・」

 

マシロは明らかに動揺していた、双子もマシロの動揺しきった顔を見てただ事でないと察した。

 

 

「誰です?」

 

「・・・彼女の名はエヴァ、革命軍の幹部だ」

 

「幹部!?」

 

双子もさすが驚いた、まさか革命軍の幹部が目の前に現れるとは思わなかったからではある。

 

 

「しばらくだな」

 

「・・・ああ」

 

「復讐は果たしたのか?」

 

「いや、今から復讐を果たしにいくところだ」

 

「そうか、だが、お前の自由行動はここまでだ」

 

「何を言って・・・あの時は止めなかったではないか!?」

 

「あの時はな、お前のこれまでの功績が大きかったから大目に見たが、シヴァを連れ出したことで打ち止めだ」

 

「いまさら・・・」

 

「なら、私とやり合うか?」

 

 

マシロは悩んでいた、正直エヴァと戦って勝てる自信はなかったからである、だからといって復讐をあきらめるわけにはいかなかった、マシロが思考を巡り合わせているうちに双子はその場を離れようとしていた。

 

 

「マシロさん、私達行きますわね」

 

「私達がみんなの復讐果たしますから」

 

「お前ら・・・」

 

 

マシロは双子を睨みつけるも何も言うことができなかった、自分自身もムディを置き去りにして立ち去ろうとしたのであるから。

 

 

「お前ら、待て」

 

「何ですか?」

 

「お前らも待てに入っているのだぞ」

 

「な、何で!?私達は関係ないじゃない!」

 

 

双子達はわけがわからなかった、何で自分達も入るのかを。

 

 

「関係大ありだ、私はオールベルグに暗殺部隊を殺すように依頼したのだぞ」

 

「そ、それは・・_」

 

「お前らの腕を見込んで任せたのにあっさり返り討ちに遭って壊滅しおって、おかげで私はいい笑い者だ」

 

 

エヴァの表情が険しいものに変わっていった、ただならぬ気配があふれだしている。

 

 

「メ、メラ様達は一生懸命・・・」

 

「一生懸命?それがどうした、お前らは殺しのプロだろう、プロは成功という結果がすべてだ、お前らのボスは何も言って来なかったのか?」

 

 

双子は何も言い返せなかった、エヴァの言う通りメラルドは以前双子に結果を残せなかったらすべて無意味になってしまうと聞かされていたのである。

 

 

「所詮無能の手下は無能か」

 

「・・・今、何て言った?」

 

「奴は無能だと言ったのだ、お前ら耳まで無能か?」

 

「ふざけるな!!メラ様は無能なんかじゃない!!」

 

「奴を無能でなくてなんだというのだ、奴は仕事に失敗した、まさに無能の極みだ」

 

 

双子は怒りで我を忘れかけ寸前まできていた、ここまで最愛の人を侮辱されたのだから。

 

 

 

「取り消せ!!さもないと殺す!!」

 

「殺す?お前らごときにできるとでも?」

 

「殺して見せる!!」

 

 

双子は双剣を持ち出し身構えた、二人から凄まじい殺気があふれている。

 

 

「お前ら、止せ!!」

 

「止めないでください!!」

 

 

マシロは双子をなんとか止めようとしたが聞く耳持たないとあきらめた、双子がエヴァに勝てるとは到底思わなかった、自分でも勝てる自信がほとんどなかったからである。

 

 

「私を殺る気か面白い、サービスだ右手だけで片をつけてやる」

 

「こ、こいつ、どこまでバカに・・・」

 

 

こいつはすぐに殺さない、メラ様を侮辱したことを後悔させながらなぶり殺してやる!!

 

 

 

双子は全速でエヴァに向かっていった、二人は両足の腱を切断して身動きを取れなくしてからなぶり殺しにしてやろうと決めた、回りくどい撹乱は一切せずにエヴァに切りかかった。

 

 

「くらえ!!」

 

 

ボギィ

 

 

その瞬間、何かが砕ける鈍い音が響いた、双子の剣がすべて真っ二つに折られ地面に落ちたのである。

 

 

「バ、バカな・・・」

 

 

二人はただ呆然とした、四本の剣を右手だけですべてへし折るなんてありえなかったからである。

 

 

 

「そんな薄い剣などへし折るのはわけない」

 

 

エヴァはまさにしてやったりの表情をしていた、双子をこれ以上なく見下している。

 

 

「片はついた、まだやるか?」

 

「当然だ、まだまだこれからだ!!」

 

「では、第二戦開始だ!」

 

 

エヴァは右足でミーラの腹を思いっきり蹴飛ばした、吹っ飛ばされたミーラは苦痛のうめき声を上げてうずくまっている。

 

 

「姉様!?お前、右手しか使わないんじゃ!?」

 

「第二戦と言っただろう、それは無効だ、そもそも敵である私の言うことを鵜呑みにしていたのか?本当にバカだな」

 

 

ロリスは何も言い返せなかった、全くその通りだったのであるから、ロリスが悔しさで歯ぎしりしている間にエヴァは左手でロリスの襟首を掴み持ち上げた。

 

 

「は、離せ!」

 

 

当然エヴァはロリスを離すことなく右手でロリスのこめかみに張り手をかました。

 

 

「うえっ!」

 

 

強烈な脳しんとうをおこされ強い吐き気に襲われロリスは嘔吐した、吐いたものはエヴァの腕にかかった。

 

 

「汚いな、この分も上乗せしておくぞ」

 

 

エヴァは兵士の方に思いっきりロリスを投げつけた、仰向けに倒れたロリスの目の前に兵士が立っている。

 

 

「好きにしていいぞ」

 

 

エヴァの許可がでると兵士はロリスのスカートを思いっきりめくり上げた、ロリスの黄色のパンツが丸見えになった。

 

 

 

「な、何をする!?」

 

 

 

ロリスは脳しんとうがまだ治っておらず手を動かせないのでスカートを直すことが出来ない。

 

 

「何って、パンツ丸だしにしたんだよ」

 

「ふざけるな!!ブっ殺してやる!!」

 

 

ロリスの殺気に全く臆することなく兵士はロリスのパンツを掴み膝までずりおろした、ロリスの下半身が丸だしになった。

 

 

「いやあああ!!」

 

 

恥辱に満ちた悲鳴が上がった、恥ずかしさのあまりロリスの目から大粒の涙がボロボロこぼれ落ちた。

 

 

「へへへ、ちんこはないな、まあ、あったらあったらで別の楽しみをするだけさ」

 

 

 

いやらしい顔つきの兵士をロリスはこれ以上ない憎しみの目で睨みつけた。

 

 

「当たり前だろ!!私は美少女だぞ、そんなものあるわけないだろ!!」

 

 

「自分で美少女と言うか?まあいいや、俺は俺で楽しむからな」

 

「な、何をする・・・」

 

ロリスは嫌な予感がした、自分が何をされるのかを、果てしない恐怖が彼女を襲う。

 

「ペロペロするんだよ」

 

「や、やめ・・・いやあああ!!!」

 

 

 

ロリスの絶望に満ちた悲鳴が再び上がった、さらなる絶望が彼女を襲うことをまだ誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




えぐい展開にしてみましたが、文章が下手でそう感じないかもしれません、次回もえぐい展開になります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。