Giocato La Divina Commedia Doc Ju Mente 奏でよ、神曲を。謳え、汝の心を   作:天神神楽

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ここの部分は、完全に紛失した箇所なので、不自然なところが多いかと思います。
単純に二人のお買い物です。


ACT2 SHINRA’s DAUGHTER (4)

「ブライト様、こちらの服はどうでしょう?」

ブライトとクレモナは学院からほどなく近くにあるビルに来ていた。神曲学院のそばにあるため、中に入っている店は、楽器店やブティックなど、学院の生徒をターゲットにしている店が多かった。平日の日中といえども、店内には沢山の客がおり、そんな中にブライトとクレモナという組み合わせは否が応にも目立っていた。

「ブライト様、この服はどうですか?」

試着室から出てきたクレモナに、店内中の視線が注がれる。今までに何回も繰り返された光景なのだが、その笑みを独り占めしている当の本人は、周りほど緊張している様子もなく頷いていた。

「うん、流石はクレモナといったところかな。似合ってるよ」

「あら、先ほどからそればかりですね。本当にちゃんと見てくれているのですか?」

「見てる見てる。個人的には二つ前の黒いのが好みかな。今の白もクレモナに良く似合うけど。赤も似合うけどね。たしか、新作のもあったな。そっちも着てみないか?」

ブライトの言葉に、すぐ後ろに控えていた女性店員(店長)が、新作の服を即座に持ってくる。普通ならばひるんでしまうような光景だが、幸か不幸か、このような現象には慣れてしまっているブライトとクレモナ。店長から服を受け取ると、それをクレモナに渡す。

「クレモナって、よくクラシカルな服装をしてるけど、こういう軽めな服装も似合うと思うぞ。ここは帝都じゃないし、そこまで周りに気を使う必要もないだろうし、色々試したらどうだ?」

「でしたら、試してみましょうか。こういう服を着るのは初めてですから、ドキドキしますわ」

クスクス微笑みながらカーテンを閉めるクレモナ。ブライトは試着室から少し離れると、店長に声をかける。

「すみませんけど、いくつか新作の服を持って来て貰って良いですか?」

「は、はいっ。少々お待ちください。――今すぐコーディネイト部隊を召集しなさい! 仮にもファッションに携わっているのなら、こんなチャンス、見逃すわけにはいかないわよ!!」

空いている店員を全て集めて、あらゆるコーディネイトを開始する店員たち。それでいて周囲に迷惑をかけないところを見るかぎり、この店の質が見て取れるともいえる。

とりあえず、服選びを店員に任せると、ブライトは近くにあった小物も何となく眺めていた。

すると、試着室からクレモナから声をかけられる。

「着替え終わったか?」

「はい。ふふ、少し恥ずかしいですね」

そういって出てきたクレモナの姿は、思わずブライトも見惚れてしまう。

「ブライト様?」

「っと、悪い。見惚れてた。そういう可愛いらしい服も似合うな」

ストレートに賞賛するブライトに、クレモナは嬉しそうにはにかむ。

「そうですか? それでしたらこれはこのまま着ていこうかしら?」

「いいんじゃないか? そうだ、これつけてみないか?」

そういって、シルバーのネックレスを渡す。それをつけていると、沢山の洋服をもった店員たちが戻ってきた。

「とてもよくお似合いですわ。これでは、私たちが見立てる隙もありませんわ」

「いえいえ、本職の方にはかないませんよ。クレモナ、いくつか見立ててもらったんだが、こっちも着てみるか?」

「はい。折角来たのですから、沢山着てみたいですわ。店員さん、そちらの服をお借りしても?」

「は、はいっ!」

クレモナに笑みを向けられ、顔を真っ赤にする店員。他の店員からうらやましそうに見つめられる中、少しふらふらしながら洋服を渡す。

その後も何着も服を試着し、その中からいくつか購入すると決めるクレモナ。その後、元の服に着替えると、店員の計算を待つ間アクセサリーを見ることにした。

「可愛らしいものも多いですね」

「学生向けのデザインも取り扱ってるみたいだな」

いくつか試しにあわせてみると、流石というべきか、どのデザインでもクレモナは付けこなしていた。

そうこうしている内に、店長が二人を呼びに来た。ブライトは支払いをしようとするクレモナを止め、ブライトが支払いをした。この姿に周りの女性たちはブライトの甲斐性っぷりにため息を零し、彼女たちの連れに大きなプレッシャーを与えた。

商品を配送してもらうことにし、先ほど買ったネックレスをそのままつけて店を出る二人。クレモナは少しすまなそうな顔をしつつも、嬉しそうな顔もしていた。

二人は一階のカフェに入ると、いくつかの思い出話などをする。

「そっか。妹ちゃんたちも来年には学院に入学か。いつの間にかそんな歳になってたんだな」

「二人ともブライト様に会いたがっていましたよ。お母様も」

「カタリナさんか……。しばらく会ってないから今度挨拶に行かないとな」

「えぇ、ぜひとも。屋敷の者たちも喜びますわ」

二人とも帝都での思い出を話し盛り上がる二人。そんな中で、今度はトルバスに来てからの話になる。

「でも、よく第一公社が異動を許したな」

「お母様やオミテックが口添えしてくださったのですわ。あ、そうでした。オミテックといえば、ブライト様、今日の夜ご予定は?」

「予定? 特にはないな」

「今日の夜、オミテック主催のパーティーに招待されているのです。よろしければ、事務所の皆さんやメディアちゃんたちも一緒に参加しませんか?」

「参加といっても、いきなりじゃ無理じゃないか?」

「私が言えば大丈夫だと思いますよ? 少しの無理なら聞いてくださると思います」

「それじゃあ、俺は参加させてもらおうかな。所長たちにも聞いてみるよ」

ブライトは、以前からクレモナにつれられて、いくつものパーティーに参加しており、とくに何も気にせず返事をしていた。ブライトの正装の服もシンラ家においてあったし、このような提案をするなら持ってきているだろうと思っていたし、実際クレモナは持ってきていた。というわけで、買い物を終え、学院に向かうクレモナと別れたブライトは早速事務所に戻って事の次第をユフィンリーに伝えると、ぶん殴られた。さすがの天才楽士も、今夜いきなりパーティー行くぞと言われても、すぐには準備できないのである。

 

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