提督と飛鷹な一日   作:カエル帽子

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初めまして、おはこんばんちわ?です。
初投稿作品です。どうぞ生暖かい目で見てやってください。
あ、一話完結な短編物です。ハイ。



提督と飛鷹な一日

「それじゃあ飛鷹、後は頼むな。」

 

 とある鎮守府の朝、玄関にて。

 

「わかったわ、道中転んだりしないようにね。」

 

「そんなにドジじゃないっての、じゃ行ってくる。」

 

 とか言った矢先に「おっと。」とか言ってるし。

 提督の姿が見えなくなったところで

 

「さて、お仕事始めましょうか。」

 

 

 

 

 私は軽空母の飛鷹、この鎮守府では古参の部類に入るわね。私がここにきたときは戦艦の方がいなかったから

 即戦力としてずっと前線に立っていたのよね。

 結果、今こうして提督や秘書官の金剛がいない時は私が留守を預かるぐらいになっちゃったわけ。

 信頼されてるのは嬉しいんだけどね、仕事疲れるのよねぇ。

 

「これはそっちでこれは・・・。」

 

 執務室にて、書類整理をしていると窓の外が騒がしい。

 

「はぁ、またこうなるのね。」

 

 この声は駆逐艦の娘達ね。今日は何が原因かしら?

 

「それは暁がみつけたものよ!」

 

「違うわ!これは雷がさきに見つけたの!」

 

「け、喧嘩はよくないのです。」

 

「二人とも落ち着いて」

 

「むむぅーーー!!!」

 

 駆逐艦の暁、響、電、雷のいつもの四人組。暁と雷の二人が喧嘩しているようだけど。

 

「今日はどうしたのかしら?」

 

「あ、飛鷹さん!ビー玉を拾ったのですが・・・。」

 

「どっちが先に見つけたかでこうなってしまった。」

 

 電と響が説明してくれる。

 前にも似たようなことがあった気がするわね・・・というより似たようなことしかないような?

 まあとりあえず・・・。

 

「じゃあこれは私が預かるわ」

 

「えっ!?」

 

 驚く暁と雷。私が来たことに気づいてなかったみたいね。

 

「仲良くするって約束守ってくれないないんだもの。」

 

「わ、私たち仲良しよねぇ?」

 

「も、もっちろんよ、ねぇ?」

 

 目にも止まらないスピードで肩を組む二人。とりあえずこれで問題ないか。

 

「ならいいのよ。あまり騒がしくしないようにね?間違っても鎮守府内でドンパチしないでちょうだいね。」

 

「はーい。」

 

 ・・・。

 

「むむむぅ。」私が角を曲がった途端に睨み合う二人。やっぱり問題あるかなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 どうせ外に出たんだから気分転換に鎮守府内を散歩でもしようかしら。ふむふむ、小さい衝突はあっても今日も鎮守府は平常運転ね。

 と、あれは軽空母の鳳翔さん?いつもなら食堂でお昼ご飯作ってる時間のはずなのに。

 

「ん~困ったわねぇ。」

 

「鳳翔さん?なにかあった?」

 

「あぁ飛鷹さん、実は少し調味料が足りないかもと思って、おつかいに行かせた娘がいるんだけど、まだ帰ってこなくて。

 お昼の分はどうにか足りたので大丈夫なのですが、少し心配で。

 お時間あったら探してもらえませんか?」

 

 今度は迷子を捜すことになりそうね。

 

「わかったわ、それで誰をおつかいに行かせたの?」

 

 

 

 

 

 

 

 えっと、言われた店はだいたいこの辺りだけど・・・。

 

「・・・こんなものがあるのねぇ。あ、あちらにも。見たことないものばかりですわぁ。」

 

 いた。思いっきり店の前に飾ってある商品に夢中になってるわね。周りから若干不審者扱いされてないかなぁアレ。

 とりあえず声をかけてみよう。

 

「・・・熊野?何をしているの?」

 

 というと顔をこっちに向けてくれた。よかった、とりあえず周りは見えてるようね。

 

「あら飛鷹さん、ごきげんよう。ここにはいろんなものが置いてあるのねぇ、あら?あちらにもなにかありそうですわ。」

 

 原因はこれか・・・。どっか行きそうになるお洒落な重巡洋艦さんを引き留める。

 

「あ、ちょっと熊野、おつかいはどうしたの?」

 

「おつかい?・・・!いけませんわ!私としたことがお店の物に気を取られすぎて失念していましたわ!

 思い出させてくれてありがとうですわーーー!!!」

 

 と今度は急に走り出した。でも、

 

「あ、待って!そっちはお店とは逆方向よーー!!!」

 

 これは鎮守府に帰るまで付き合わなきゃならないかしら。

 とりあえず熊野にはおつかいをこれから頼まないように鳳翔さんと提督にいっておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 まさか買い物一つでここまで疲れるとは思わなかった。

 

「とりあえずお昼にしましょうか。」

 

「あ、飛鷹さん。」

 

 と鳳翔さんに呼び止められた。

 

「お昼決めてなければ食堂で食べていきませんか?タダとはいきませんけどお安くしますよ?」

 

「いいの!?じゃあお言葉に甘えちゃおっかなー」

 鳳翔さんの料理の腕はかなりのものでリピーターも多いのよね。

 お昼、楽しみだなあ♪

 

 

 さて、艦載機の整備を始めましょうか、なんだかんだで結構数があるのよねぇ。

 

「どこでやろうかしら・・・。」

 

 と歩きながら考えていると。

 

「「「チュドーン!!!!」」」

 

 今の音は何!確かあっちから・・・となると。

「工廠のほうね!夕張は無事かしら!?あまり変なヘマはしないと思うのだけど・・・!」

 

 うちの鎮守府では、工廠は兵器、兵装に理解を持っている軽巡洋艦の夕張が仕切っている。

 自分一人じゃ全部を見ることはできないから、艦娘達の中からも施設の責任者みたいなのを決めよう。

 という提督の提案で工廠は夕張の担当となり、出撃命令が無い時は兵器の開発などでだいたい工廠にいるようになった。

 

「別にずっと工廠にいなくたっていいのよ?」と言ったことがあるけど

 

「私、兵装とか大好きなのよ。はやくこの主砲のテストしてみたいわ~」

 

 と、目をキラキラさせながら危ない発言を返された時のことは今でも鮮明に思い出せるわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 工廠の前に着くと壁に見事な大穴が開いていた。中を覗くと機材が散乱していて煙が立ち込めていた。

 工廠内の爆発は時々あるから、またか程度で済むけど、今日のはいつもの比じゃないものだった。

 とにかく夕張を探さないと!

 壁に穴が開いたことで幸いにも工廠内の煙は薄らいでいた。これなら入っても問題なさそうね。

 

「けほっ、けほっ。夕張いる!?どこ!?」

 

 大声で呼びかけてみる。すると。

 

「・・・ここよ~けほっ。」

 

 奥から歩いてくる人影。近づくにつれてようやく姿が見えた。こっちに軽く手を振りながら煤けた夕張。

 大きな怪我もしてないみたいだし、ホントよかったぁ・・・。

 

「ふぅ、無事のようでよかったわ。何があったの?」

 

 と聞くと、夕張は苦笑しながら右手で頭を掻いた。

 

「新しい主砲ができたからチェックしようと思ったんだけどー・・・操作に失敗しちゃったみたい。

 ユウバリン!ユバリン!生きてるー!?」

 

 ん?聞き慣れない名前がでてきた、ここにそんな人いたっけ?と少し困惑してると

 

「なんとかだいじょうぶよ~。」

 

「こっちもよ~。」

 

 という返事が返ってきた。

 声の聞こえた方を見やると新たに二人の人影。私の前に現れたのは・・・二人の夕張だった。

 うん、夕張だったのよ。見間違い?そんななことはなかったわ。

 

「・・・えっと・・・どちらさま?」

 

 頭の整理がつかず、思わずでてきた言葉。

 それに答えてくれたのは私の知人の夕張だった。

 

「私と同じ夕張よ?見分けつかないから私が夕張で、」

 

「私がユウバリンで~。」

 

「ワタシがユバリン。」

 

「三人揃って、夕張セブン!」

 

 どっから取り出したかわからないスピーカーから「てってて~」と効果音が流れて決めポーズ。

 おまけに「決まったわね!イエーイ!」とハイタッチ。

 なんだろう、頭痛しかしないんだけどこの状況。

 

「えーと、どうして三人になっているのかしら?」

 

「助手がほしいな~って提督に言ったら二人を連れてきたのよ。私も驚いたわ~まさか私自身を連れてくるとは思わなかったもん。」

 

 三人の夕張の説明からわかったことは、

 

「助手も理解ある人じゃないといけない」

 

 から、

 

「それなら同じ夕張使えばいいんじゃね?」

 

 となり

 

「それに三人同じ人がいるって面白そうだろ、決めポーズとかできるしみんなの驚く顔が見れるぜ?」

 

 と明らかにふざけた結論に至った提督(バカ)の仕業ということだった。

 

「それで復旧にはどれくらいかかりそう?」

 

「幸い大事な装置とかには被害はなさそうだから数日あれば元通りね。」

 

「わかったわ。あとで報告書ちょうだいね。」

 

「りょうかいよ~。」

 

「なるべくはやく復旧できるよう努めてみるわー。」

 

 横のユウバリンとユバリンから返事がきた。なんだろう、ものすごく居心地が悪い。

 

「人手がたりなかったら私に言って。こっちで用意するから。」

 

「ん、じゃあお願いするわ~。」

 

 この居心地の悪さを払拭するためにも仕事に戻ろうと考え、私は工廠を後にした。

 ・・・決めポーズか・・・。ちょっと憧れちゃうな~。

 

 

 

 

 

 

 

 とある鎮守府の夕方。私は執務室で残った書類の片付けにはいっていた。

 

「・・・ん~書類整理はこれぐらいかしら、つっかれたぁ。これからどうしようかな~。」

 

 とぼんやり考えていると、

 

「飛鷹いるかぁ?隼鷹だぜ、ヒャッハー!っと仕事中だったか?」

 

 世紀末な声とともに執務室に入ってきたのは軽空母の隼鷹。私の姉妹艦にあたる艦娘で私が一番艦で隼鷹が二番艦ね。

 

「ちょうど終わったところよ、どうしたの?」

 

「この後一緒に飲みに行こうぜ!昼間におやっさんががいい酒仕入れたぞって教えてくれてさぁ、行くっきゃないでしょ?」

 

 晩酌のお誘いだった。最近飲みに行ってない私には嬉しい誘いだった。

 

「いいわねぇ、おやっさんとは最近会ってなかったし。ちょっと書類片づけていくから待ってて~。」

 

「真面目だねぇ、それぐらい提督は気にしないだろうに。」

 

 少し呆れたように隼鷹は言う。確かにあの人ならここまで片づけてあれば十分だと言ってくれるだろう。

 でも提督はめんどくさがりで怠慢な性格の持ち主だから手を抜くとすぐその状況に甘えてくるのよねぇ。

 

「甘いわよ、これぐらいきっちりやらないと提督に示しがつかないのよ。」

 

「ん~逆な気がするんだけどなぁ。」

 

 と苦笑いしながら呟く隼鷹。

 

「これでよしっと。さあ行きましょう、今日は飲むわよ!」

 

「おお~私も負けてらんないぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 とある鎮守府の夜、居酒屋からの帰り道にて。

 

「あ~今日の酒はホント美味かったな。またすぐ入荷してくんないかなぁ?」

 

 今日おやっさんが仕入れてくれた酒はかなりのレア物だったらしい。

 あまりの美味しさに、いつもよりか、かなりはしゃいでいたとは思うんだけど・・・。

 

「・・・くー・・・。」

 

「・・・なんでこうなったんのかねぇ?」

 

 そう、私、隼鷹が飛鷹をおぶっているのだ。

 まさか酔いつぶれて寝ちまうとは。まぁなんか今日いろいろあったらしいのは飲んでる時に聞いたけども。

 やっと鎮守府の入口についたところで、見慣れた後姿が見えた。

 

「もしかして提督かぁ?遅いお帰りだねぇ。」

 

「ん?隼鷹か。また飲んできたのか?ほどほどにしとけよぉ~。っておぶってんの飛鷹か!?」

 

 さしもの提督も驚いたようだ、飛鷹が酔いつぶれるなんて今まで一度も無かったからなあ。

 

「そうだよ、まさか寝ちまうとは思わなっかたけどな。

 今日はいろいろあったらしいぞ?なんだっけ、夕張セブンだったか(笑)提督は信じられるかぁ?」

 

「・・・なんで7人に増えてんだ?え?おっかしいなぁ・・・。」

 

 急に考え込む提督。これって笑うところじゃないのかなぁ?

 

「なあに考え込んでんだ提督ぅ?しわが増えんぞ?」

 

「うへぇ、そいつは嫌だなぁ。」

 

 と笑ってみせた。どうも提督は飲んだりしてたわけじゃなさそうだ。

 

「ふむ、可愛い寝顔だなぁ。普段からは考えられんな・・・。」

 

 唐突に提督が飛鷹の顔を覗き込む。

 

「こら、女の子の顔まじまじと見ない!」

 

「え~もうちょい見たい。」

 

「だ~め、後は本人に許可を得てからだ。しつこい男は嫌われるぜ?」

 

「むう、飛鷹のこんなかわいい顔普段じゃ絶対見れないのになぁ。」

 

 心底残念そうにつぶやく提督。

 

「見れただけよかったじゃないか。明日飛鷹にちくってやる♪」

 

「やめろ!?さすがに洒落にならんから!」

 

 提督に寝顔見られたとなれば恥ずかしさのあまり爆撃して記憶を消去させようとするだろうなぁ。

 あ~その光景が目に浮かぶぜ。

 

「んぅ・・・。」

 

 声が大きすぎたのか、飛鷹が反応した。が起きるまでには至らなかったみたいだ。

 

「っと騒ぎすぎたか。」

 

 提督も少し反省しているようだ。

 

「なぁ提督。」

 

 今ここには誰もいないし、飛鷹も寝ているから以前から気になってることを聞くことにした。

 

「金剛とはうまくいってんのか?」

 

 そう、提督は金剛と付き合ってる。一番好きな艦娘は?と聞かれたりすると金剛だと即答するぐらいには。

 

「そりゃあまあ、金剛があの性格だからな、嫌いになるわけがないね。」

 

「お~のろけ発言。ごちそうさまっと。」

 

「それで?」

 

 提督が目が据わった。普段おちゃらけてる様とはまったく違う様子の提督。どんな話かだいたい察したんだろうな。

 別に誰と付き合うかは私には関係ないけど、少なからず飛鷹も提督には気があったと思ってる。

 だからどうしても言いたかった。真面目で少し堅いところもあるけど、飛鷹は私の姉みたいなもんだから。

 

「えっとだな、金剛と付き合ったりとかはなんにも言わないけどさ。飛鷹を・・・あ~なんだ、う~ん・・・。」

 

 言葉に迷う、う~んと考えること数秒。考えるのをやめることにした。

 

「やめやめ、考えるのやめたっ!提督!金剛とラブラブするのはいいが飛鷹を泣かせたりするなよ?もし泣かせたら爆撃するからな!」

 

 と言ってやった。うん、やっぱこういった方がしっくりくるな。

 提督は予想してたよりも明るくド直球に言われたことでいつものおちゃらけた様で

 

「そんなことは絶対しないさ、もし俺がやっちまったらその時は遠慮なくやってくれよな。」

 

 と、返してくれた。

 

「お~し約束したからな、忘れんなよ?」

 

「あぁ約束だ。」

 

「ふみゅう・・・。」

 

「「ぷっ、くすくすくす。」」

 

 普段からこれぐらいかわいいとこみせてもいいだろうに。

 提督も同じことを思ったようで二人して笑いあった。

 

 

 

 

 

 

 次の日のとある鎮守府の朝。

 

「提督~ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」

 

「い、いいぞ。どしたの?」

 

 思わずびくっとしてしまった。なんかいつもと様子が違うような?

 

「私の寝顔かわいかった?」

 

「そりゃあもうかわ・・・あ。」

 

 やっべ、思わずいつもの癖が・・・!

 

「全機爆走!さあ、飛びったって!!!」

 

「ぎゃああああ!!!隼鷹のバカヤロぉ!!」

 

 後からごめんな~と差し入れを持ってきた隼鷹に謝られた。

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