問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ?   作:ちゃるもん

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短いです。テスト期間だから許してね。

では、どうぞ。


第16話 もしもの恐怖

赤い壁と炎、そしてガラス。この街を表すならばこの三つが適切だろう。

 

遠くに見える赤い壁は天を衝くかと言うほど巨大で、街を見下ろせば色彩鮮やかなガラス細工達が光を反射し、私はここだと主張してくる。

 

熱い風は頬を撫で、今まで見た事も、想像すらしたことの無かった世界に年甲斐もなく心が踊る。

 

「すごいな……」

 

単純な言葉しか出てこない。それ程までに心を奪われた。義仁がいる東側もけっして美しくない訳では無い。豊かな自然とほのぼのとした平和。心が落ち着く空間。それが東側だ。

 

しかし、いや、だからこそ、この未知の光景に心を奪われていたのだろう。誰しも慣れてしまったものより、新しいものに目が惹かれるものだ。当然と言えば当然だろう。

 

「ん、ん~~~」

 

大きく伸びをする。鼻から暖かい空気が体全体へと送り込まれていく。

 

「……おじさん、気持ちは分かるけど急がないと」

「おっと、そうだった。それじゃあ行こうか」

 

冒険心が燻られ、あの街の中に飛び出したいのをグッと我慢し、耀が参加するゲーム〝造物主達の決闘〟の会場へと向かう。義仁自身は参加しないが一観客として付いていくことにした。白夜叉から主賓席へと招待されたが、そこまでの度胸はないと遠慮しておいた。

 

 

 

 

ゲーム会場は輪郭を円状に作られており、それを取り囲む形で客席が設けられている。現在は白夜叉の持っていたチラシのギフトゲームが開催されており、その舞台上では最後の決勝枠が争われていた。

 

ノーネーム出身、今回のゲームでのダークホース春日部耀。〝ロックイーター〟のコミュニティに属する自動人形、石垣の巨人。

 

巨人の一撃が耀の体を叩き潰さんと襲い掛かる。しかし耀は軽く跳躍。巨人の一撃は地面を抉る。その腕を鷲獅子から貰った旋風を操る力で駆け登る。一瞬にして巨人の背後をとり、石垣の巨人の後頭部を風を纏った足で蹴り崩す。加えて耀は瞬時に自分の体重を象へと変幻させ、落下の力と共に巨人を押し倒す。石垣の巨人が倒れると同時に、割れるような観衆の声が起こった。

 

箱庭に来て初めて大規模のギフトゲームを見た。痺れた。目の前であれだけの戦闘が繰り広げられているのだ。興奮するなという方が無理がある。

 

しかし、同時に恐ろしかった。怖かった。あの巨人の剛腕で耀の頭がザクロのように砕け散るのではないのか?

 

頭の中で興奮と恐怖が入り交じる。もしもの世界を何度も何度も想像してしまう。

 

頭を振った。恐怖を振り払うように、現実を見逃さないように……。

 

いまはただ、会場の中央でこちらを見ている耀へと手を振るのが最重要行動だ。

 

私はキチンと笑えて入れるか不安になりながら、手を振ったのだ。

 




お読みいただきありがとうございます。

ギフトに詳しくなく、耀の頑丈さを知らないおっさんはもしもの世界を考えてしまう。
しょうがないことじゃないかな。

誤字脱字報告、感想、アドバイス等がありましたら、よろしくお願いします。

来週はテスト期間内の為投稿が恐らく出来ません。ご了承ください。

では、また次回~
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