問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ?   作:ちゃるもん

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投稿です。

決してテストやワールドに追われていたからクオリティが落ちた訳ではない。
ワールドのラスボスすっごいカッコよかった(*´ω`*)

では、どうぞ。


第41話 いらない感情

 ペストは困惑していた。

 

 どうして、コイツらはこうもサックりとしているのだろう。

 

 私は魔王だ。貴様らを殺そうとした魔王だ。街を破壊し、その命を奪った魔王だ。

 

 その視力だって、奪ったのは私だ。

 

 なのにどうして? そんなにも割り切れられる?

 

 いや、そもそも気にしていないのか?

 

 そんな筈は無い! それだと私たちがアホらしく見えるじゃないか!

 

 木島義仁……ジン=ラッセル……貴様たちは一体何を感じているんだ……?

 

 

 ※

 

 

「義仁さん! 無事でよかった」

 

 会議室に入るとともにジンが駆け寄り義仁へと飛びつく。

 

「ジンくんこそ。無事でよかったよ。それよりも、よかったのかい? 会議中だと聞いたんだけど」

「それなら心配いらない。少し前に終わったところだ。それに、ほどよく緊張が解けた。さて、また少し堅苦しい話になるが、今回の功績者も来たことだ。もう1度簡単に説明しよう」

 

 抱きついているジンを下ろし、サラに向き合う。

 

「まず、義仁殿には感謝を。貴方がジンを救っていなければ我々は負けていたことだろう」

 

 むしろ、私が足を引っ張っていた。とは言わなかった。

 

「そして、ペスト。君が巨人を退ける決定打となった。本当にありがとう。春日部殿にも言いたかったのだが、いないみたいだな。

 さて、我々は巨人族に勝利した。街の中に入ってきていない巨人族は全て逃げていった。つまりは……」

「もう1度攻めてくる可能性が?」

「そういう事になる。今回の襲撃の要となっていた〝黄金の堅琴〟は〝ノーネーム〟春日部殿の活躍により取り返すことが出来た。今は封印作業中だろう。ただし、資源が少ないため時間が掛かっている。相手がまた〝黄金の堅琴〟を奪おうとする可能性は大いにある。何か違和感などを感じたらすぐに知らせてくれ。

 それと、分かりきったことではあるが、収穫祭は延期。街の外に出るのは危険な為しばらくは滞在してもらうことになる。勝手だが、許してくれ。

 後は……警戒態勢の配備や攻め込まれた時の対応法だから……特に話すことは無かったか。

 それでは、解散。休めるうちに休んでおいてくれ。まだ何かあるかもしれないからな」

 

 サラが手を叩き解散の意を示す。それに伴い、会議に参加していた獣人や仮面の女性など、重役者であろう者達が部屋を後にした。

 

 部屋に残ったのはジン、ペスト、飛鳥、黒ウサギ、そして義仁とサラ。

 真っ先に声を上げたのは黒ウサギ。義仁を心配する言葉が飛び出した。

 

「義仁様! ご無事で何よりでございます。頭に怪我をしたと聞きましたが、大丈夫でしたか?」

「ええ。見ての通り」

「それはよかった。ところで……耀様はどちらに?」

「耀ちゃんなら、多分三毛猫くんのところにいるよ。詳しいところまでは分からないけどね」

 

 そうですか……。と、すこし沈んだ様子の黒ウサギ。

 

「……ねえ、義仁さん。春日部さんは、何か言っていたかしら。私……」

 

 おずおずと声を絞り出すように出す飛鳥。恐らく、耀に対して疑惑の目をしてしまったことに後悔しているのだろう。

 

「取り敢えず、耀ちゃんと話してみるといいと思うよ。僕の言葉を聞くよりもね。そうとなれば、探しに行こうか」

「私が連れていくわ。あの子は1度ペストにかかっているみたいだから、何処にいるのか何となく分かる」

 

 その言葉に反応を示すジン達。つまり、彼女はこう言いたいのだ。〝いつでも殺せるぞ〟と。

 実際どうなのかは分からない。出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。だから、警戒する。

 

 しかし、義仁は違った。

 

「それじゃあ、お願いしようかな。よろしくねペストちゃん」

「……ええ。任せておきなさい。行くわよ二人とも」

 

 ペストは黒ウサギと飛鳥を黒い風で急かし部屋を出ていく。

 

 

 チラッと後ろを向く。目が合った。首をかしげながらもほんのり笑を見せる。それがたまらなく胸を締め付ける。

 

 あれは、私達とは根本が違う。

 

 経過がどうあれ、結果がどうあれ、私達とアレは似たもの同士だろう。

 

 しかし、アレは私達とは違う選択をした。ただ、それだけの事。

 

 ああ、これが、そうなのか。この感情は初めて感じるものだ。

 

 まったく……いらない感情を教えられたものだ。

 

 

 ペストは歯噛みしながらも、ニタリと笑って見せた。




お読み頂きありがとうございます。

久しぶり過ぎる飛鳥ちゃんの出番。台詞1個
かなしいなぁ

ペストが落ちたやんけ?
ある意味最初から堕ちてるから問題ない。

では、また次回〜
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