問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ? 作:ちゃるもん
さぁて、またなんか書きづらくなってきたぞー(白目)
では、どうぞ。
目の前の車が交差点内で急ブレーキを踏んだ。私はそれにつられてブレーキを強く踏む。体に掛かる圧。鳴り響く心臓。助かったと言う安堵。目の前の車の中には笑い会う青年が3人。酔っているのは一目瞭然だった。
妻の舞が素早く通報を始める。娘の空は急ブレーキに驚きケホケホと咳づいていた。
一向に進もうとしない前の車。クラクションを鳴らしてよかったが、下手に刺激するよりも通り過ぎてしまおうと車を前進させた。
その時、横から強い衝撃を受けた。
衝撃が収まって、舞と空の安否を確認するため振り向いた。
窓の外に見える迫り来るタイヤ。そのタイヤが後部座席を踏み潰すように通り過ぎていく。空の頭は踏み潰され、私の顔には生ぬるい何かが飛んできた。
私はその時妻の事を忘れていたのだ。娘の事で頭がいっぱいだった。けど、娘を助けようと動こうともしていなかった。出来なかった。
妻は頭を打っていたらしく、運ばれた病院で空を追うように静かに息を引き取った。私に守ることの出来ない約束を残して。
私が、あの時動けていたら。妻を助けられたかもしれない。私がもっと早く前の車を追い越していれば、誰も死なずに済んだのかもしれない。
あの平和を壊したのは、他でもない私だった。
※
pi-pi-pi-
規則的に鳴る機械音。鼻につくキツいアルコール臭。微かに聞こえる人達の声。
ゆっくりと瞼が上がる。ぼやける視界の目の前に見知った妻の姿があった。
「ま……い…………」
ゆっくりとしか動かない右手。なんでもう少し早く動かないんだろう。舞の手を取ることも出来ない……その頬に触れる事も出来ない。
ゆっくりと持ち上げられる右手を掴む。
「……ご、めん……。約束……守れな……かっ、た」
舞が何かを叫んでいる。泣いている。俺が約束を守れなかったから? ごめんな……。1人にしてしまって、ごめんなぁ舞。
疲れたなぁ……なにも、できなかったなぁ……
※
ポトリ 握っていた手から力が抜ける。身体中の血が抜けていくかのような感覚。
忙しなく動く救護班達。忙しなく鳴り響く機械音。忙しなく鳴り続く心臓。
「サラ様! 今から救命へと移行します。部屋の外にてお待ち下さい」
「あっ」
赤黒い服を身に纏った救護班に押され、部屋から追い出される。
「サラ様……」
「ジン……」
部屋の外にいた〝ノーネーム〟のメンバー。ペスト、耀、飛鳥、黒ウサギ、十六夜、ジン。私は、彼女達の顔を見れなかった。見れるはずが無かった。ただ、無言で顔を逸らすしかなかった。
お読みいただきありがとうございます。
おっさんの過去が出てきましたね。
この先、その過去をおっさんの口から語られることはあるのでしょうか。
では、また次回。