問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ? 作:ちゃるもん
眠気が勝ったわ(´・ω・`)
最近午後休憩がないから眠いのん(´・ω・`)
では、どうぞ。
白夜叉がマイクに向かい一言。くっくっくっと楽しそうに、その笑いを噛み殺す。
「皆の者、衝撃に備えよ。先程のより大きな物が来るぞ?」
そう言い残し、会場の数十メートル先にあるゴール地点へと跳躍した。水面が揺らぎ、しかし白夜叉の体は沈まない。急な行動に観客達は困惑するも、言われたとおり椅子にしがみつくなどして衝撃に備えていた。
「ラプ子よ、スクリーンの映像を先頭集団から樹海前へと移すのだ。面白いのが見られると思うぞ?」
ラプ子と呼ばれた手のひらサイズの青き小人。その顔にはふたつあるはずの瞳がひとつしかないにしても何処か愛らしさを残していた。この小人はラプラスの悪魔、その分体の1匹。スクリーンに映し出された映像もこの小人の恩恵があってこそだ。
ラプ子が白夜叉の指示に食べ物と引き換えに応じ、スクリーンの映像が樹海の前、すなわち春日部耀と〝二翼〟筆頭グリフィスが対峙している所だ。
『……私は十六夜達みたいに貴方に制裁加えに来たわけじゃない。むしろ助けに来た。
……私はよく知らないけど、十六夜に出るよう言われたんでしょ? 角と翼を失ったのは聞いてる。流石にこれ以上貴方に何かをするのはやり過ぎ……だと、私は思う。
……だから、ここで私が落としてあげる。その後は好きに逃げればいい。
……白夜叉は解説席から離れられない。ノーネームの主力達もゲームに集中してるだろうから、今なら逃げれる。なんなら、私も逃げるのを手伝ってもいい。
どう? このまま進んで潰されるよりもマシだと思うけど?』
耀の提案に何度も頷くグリフィス。〝二翼〟に属する者も、属していない者もその姿には好印象を持つことはまずなかった。
映像は進み、グリフィスが元の龍馬へと姿へと変えていく。しかし、片方の翼は根元から引きちぎられ、あの天を突く巨大な龍角はへし折られている。
「巨龍を真っ正面から受け止められるコミュニティと、蛟魔王を敵に回せばああもなろうよ」
小さく呟かれた白夜叉の言葉はマイクを通して観客にも伝わり、同情の念を持ちつつあった者からの視線は呆れへと変わった。その呆れから、グリフィス等が起こした暴力沙汰も明るみになっていく。最早グリフィスを擁護するものはいなかった。
〝アンダーウッド〟に住む者にとって〝ジン=ラッセル率いるノーネーム〟とは最早英雄的存在。巨人の進行を彼等だけで押し返し、巨龍を真っ正面から受け止め大樹を護り、捩じ伏せる。更には修羅神仏を介入させない……どんな存在であろうと土地を回復させる手段を伝えに来た伝道師。子供達からは憧れの存在。大人からは救世主。特に功績を残していないグリフィスの評価が地に落ちるのは早かった。
「さて、来るぞ」
白夜叉は手に持っていた扇を閉じる。スクリーンにはグリフィスから離れた耀が巨大な突撃槍を構えていた。
「かっかっかっ! よもや龍角すらも権限させて見せようとは!」
そして、その突撃槍がグリフィスを吹き飛ばす。その衝撃で水が割れ、大地がめくれ騰がる。それは目に見える程の衝撃。常人がどれだけ集まろうが近付くだけで消し飛ばされるその衝撃。
その衝撃を白夜叉は扇で軽く振り払った。
一瞬の間もなく掻き消される衝撃。水を割る鋭さも、大地を翻す力強さも全て白夜叉の前には無意味。衝撃に備えろと言われ備えていたものの訪れたのは力強い風のみ。
「いつか儂を超える者があのコミュニティから出てくるかもしれぬな」
そう言う白夜叉の手からは数滴の血が零れ落ちた。
至極楽しそうにスクリーンを睨む白夜叉。観客はその姿に、その言葉に、その血に体を震わせた。
一方義仁と蛟劉は……
「いやぁぁぁぁぁァァァァァアアア!!!?!???!?!!!」
お読みいただきありがとうございます。
次回は気分変えて遊ぼうかなと。
なので最後は締まりませんが繋としてさけんで頂きました。
兎に角眠くて……文字数稼ぎで精一杯でしたん(´・ω・`)
ごめんて(´・ω・`)
では、また次回〜