問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ? 作:ちゃるもん
眠い!
血みどろもねぇから、ドキがムネムネしねぇし……低クオリティをどうにかしたいです(´・ω・`)
では、どうぞ。
蛇腹剣と拳が相見える。その反動に海面が大きく揺れ、二度三度と撃ち合う内に揺れは波へと、濁流へと変化する。
「折角の大海原だってのに、少しくらい景色を楽しませてくれてもいいんじゃないか!? なあ騎士様!」
悪態付く十六夜だが、その顔には満面の笑みが浮かべられている。対するフェイス・レスはその言葉を聞いてか否か、容赦なく四度目の斬撃を放つ。
風を切り、その首をもぎ取らんと蠢く蛇腹の剣が下から拳で叩きあげられ、四度目の邂逅を果たし、濁流の勢いが増す。
「チッ……お嬢様。分かってると思うが、抜けれると感じたら走り出せ。コイツぐらいなら幾らでも止められるが……」
十六夜の声が詰まる。それに合わせフェイス・レスの手も柄を握ったまま固まった。
さあさあ、実力はほぼ互角。卓越した技術で責め立てるフェイス・レス。力で捩じ伏せる十六夜。その様子を見守る観客がこの勝負のゆくえは何処へかと唾を飲む。
まさに、それが合図だった。
直線距離にしてうん十キロと離れた客席にまで届く轟音。天高く聳える水の柱。その場に居たもの全てが空を、柱を見上げ、何が起きたのかを推察する。しかし、推察する時間もなく柱は収束し翼へと変わる。その先に居るのは一頭の馬。
空から踏み込めてきた侵入者は十六夜達の作った濁流を叩き割り、津波を引き起こす。十六夜は飛鳥を守る形で津波を拳で割り、フェイス・レスは蛇腹剣で切り裂いた。
もはや豪雨かと錯覚する水飛沫が数秒。雨が止み始め、視界が完全に確保出来た。
ああ、そりゃそうだ。
十六夜が小さく口にする。
「お嬢様! 時間を稼ぐ! 走れぇ!!」
ビリビリと鼓膜を震わせる大声に、飛鳥は一度体を震わせヒッポカンプの腹を蹴る。
何時か感じた。あれは……そう、箱庭に呼び出された日だ。おっさんも目を覚まし、お嬢様達が売ってきた喧嘩の準備に向かった。サウザンドアイズ。白夜叉……。
「ほんとうに……箱庭ってところは最っ高に!! 楽しい場所じゃねえか!! そうは思わないか騎士様よお!!」
「残念やけど、仮面の子ならとっくに逃げたで?」
「そいつは僥倖。お前と一騎打ちなんて最高じゃねえか」
「そういってくれるんは嬉しいけど、正直燃え尽きた灰……枯れ木の流木って言われてるんよ? 僕」
「なら、まずはその叩き折れた性根を叩き直さねぇとな」
ああ、コイツが本気をだせばどれ程に強いのだろうか。どれだけ楽しめるのだろうか。圧倒的強者。しかして、白夜叉ほどの絶望は感じないコイツはどれほどに楽しませてくれるのだろう。
「随分とヤル気があるね十六夜くん。なら、こっからはゲームは関係ない。そういう事でええとやな? それなら、義仁はんは先に逃がしとかなあかんか。身内がボロボロになるのを黙って見ときたくもないやろ」
「言ってくれるじゃねぇか」
ヒッポカンプから降り、水面に立つ。ヒッポカンプの尻を叩き、義仁を避難させる。そっと木の実を持たせることも忘れない。
ヒッポカンプが滝から飛び降りたのを確認し、蛟劉は十六夜へと向き直った。
「ほなら、かかってこいよ小童」
六度目の衝突。しかし、轟音が鳴り響く訳でもなく、波が経つこともない。星を揺るがすし、神格を持つ魔王の一撃を粉砕する十六夜の腕力。その全力で振り下ろされた拳は―――
「こんな程度かいな」
蛟劉の掌に受け止められていた。
お読みいただきありがとうございます。
なんだかんだで100話越えそうな予感。いや超える(確信)
もっと文字数増やせば良いんだろうけど、怠け癖で……(;´∀`)
では、また次回〜