問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ? 作:ちゃるもん
問題児の不死鳥がどの程度か知らないので、なんか王道っぽい設定にしときました。今後出てくる予定はありません。
では、どうぞ。
黒ウサギに抱かれサラを探すこと十数分ほど。何度か集まった貴賓室にサラを見つけた。
「おお、義仁殿じゃないか。コースから外れ散々な目にあって意識不明と聞いていたが。その運命もさながら、いやだからこそ変に心も体も丈夫になっているんじゃないか?」
「サラ様、その言い方は些か不謹慎ではないですか」
「おっと、ついこの間失敗しているというのに……親しき仲にも礼儀あり。非礼を詫びよう」
「いえいえ、事実ではあるので……。あはは」
サラの指摘に笑うしかない義仁。超人的な身体能力、特異な異能、、応急手当の知識なんて免許を取りに行った時のものしかない。そんな人間が病気で死にかけ、腕が折れるのは優しいレベル。生きている方が可笑しいのだ。変に丈夫と言われても致し方ない。
と、そんな世間話をしに来たのではない。黒ウサギはサラの言葉に軽く流した義仁に不満を抱いているようだが、それはそれ。人なりなのだから許して欲しいと義仁は用事を済ませた。
「―――……ああ、それなら昨日ココに行くと言っていたぞ。まだ居るかは分からないが、行ってみる価値はあるとは思うぞ」
「なるほど。ありがとうございます。早速行ってみます」
聞くことも聞いたし早速と、黒ウサギと共に部屋を後にしようとした時。サラから声をかけられた。
「ああ、そうだ。義仁殿に渡さねばならないものがあった」
そう言うと机の上に置いてあった木箱を開いた。その中には銀色に輝く小さな杯が入っていた。ヒッポカンプレースの入賞者に送られる銀杯だ。
「まったく……生死の境を彷徨いながらゴールし、ヒッポカンプは暴走しながら陸を走り回る状況なんて初めて見たぞ。ともあれ、第二位おめでとう」
「実感は全くないのですが……ありがとうございます」
「それと、これは私からの餞別だ。普通に買おうと思えば軽く屋敷が買える物だ。大切に扱うように」
と、言われ銀杯と共に渡されたのは紅いペンダント。銀の枠に紅い水滴の様な形の宝石がはめ込まれている。ペンダントはほんのり暖かく、宝石の中には炎が閉じ込められているのか、何かが揺らめいていた。
後ろから覗き込んでいた黒ウサギはこのペンダントが何か分かったのか、声を荒らげた。
「これは、不死鳥のギフト!?」
「ああ。不死鳥の涙、それが結晶化した珍しい代物をペンダントにしたものだ。所有者の傷を癒す恩恵があるそうだ。後は、涙の質によるそうだが所有者の命を守ることもあるらしい。義仁殿は不運に巻き込まれやすいようなのでな。宝物庫の中に眠っていたものを引っ張り出してきた」
「だ、だからといってこんな貴重な物受け取る訳には」
いいから受け取れとサラに無理やり渡され、部屋から追い出された。
「不死鳥って、不死鳥ですよね」
「その不死鳥です。フェニックス、火の鳥とも呼ばれていますね。多分、そのペンダントを市に出そうとしても値段が付かず売れないレベルの代物です。〝ノーネーム〟の宝物庫に眠る武具達にも引けを取らないですよ」
「そうなんですか。実感が湧かないことだらけですもうなんか、考えるのが辛いですね……。取り敢えず、サラさんに教えて貰った場所へと行きましょう」
義仁は再び黒ウサギに抱かれ、サラに教えて貰った場所へと向かうのだった。
お読み頂きありがとうございます。
次回か、次々回でようやくアンダーウッドが終わると思いますん。
そしてこの黒ウサギの空気感よ……
ほかのキャラ達も活躍させられる人って凄いなとつくづく感じる今日この頃なのでした。
では、また次回〜