問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ?   作:ちゃるもん

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投稿です。

眠いんじやぁ。
ちょっと頭働いてないので引き伸ばし回です。

では、どうぞ。


第96話 お風呂

 ジン達が子供専用の公共浴場に入っている間、義仁は一人スタッフ用の小さな湯船に肩まで浸らせていた。

 足を伸ばしきるほどの広さはないその湯船は昔住んでいた家の風呂に似ていた。

 

「ふぅ……ここ数ヶ月ずっと大きなお風呂にしか入ってなかったから、懐かしいなこの感じ」

 

 足をへの字に曲げ、背中を壁に付ける。そして、ジン君達の言っていた神隠しについてぼんやりと考えてみた。

 とは言っても、神隠しについての知識も情報もゼロに近しいので、なんか生き物が突然居なくなる凄いバージョンとしか分からない。

 

「それと、蛟劉さんは、殿下君に気を付けてって言ってたけど。敵って、事なのかな」

 

 とは言っても、こちらもこちらで戦闘技能皆無のオッサンが警戒したところで焼石に水……。どころか警戒していることがバレて逃げられるのが目に見えてる。

 

「けどこの時点で意識しちゃってるってことだよなぁ。もう流れに身を流せるしかないかな。

 もしくは、頼れそうな人を探すとか?」

 

 頼れそうな人となれば何人でも頭の中に浮かんでくるが……。如何せん居場所が分からない。

 白夜叉は蛟劉に役目を預け何処かへ行った。蛟劉は何となく察しが付いているようにも見えたが、挨拶回りに行った。

 黒ウサギや十六夜も北側に来ているので探せば見つかるかもしれない。が、ジン君達は護衛から逃げてきたみたいだった。そして、十六夜君達がいるのは十中八九ゲームを開催している会場。または、会議が行われる会場。

 

「どっちも護衛がいるよ、ね……うん。本当なら無理にでも護衛の人と合流した方がいいのだけど……。ずっと護衛がいるのもストレスが溜まるものものなのかな。うーん……どうしたものか」

 

 他に頼れる相手として、サンドラや白雪姫もいるのだが、北側に来ているかが分からない。少なくとも白雪姫は〝ノーネーム〟でお留守番しているため助けを乞うことは出来ない。

 

「自分でどうにかするしかないか。多分あの子達の方が強いんだろうけど。都合の悪い所は出ていって、護衛役って言って……も、バレるよなぁ」

 

 多少筋肉は付いてきたとはいえ、それも所詮は手伝いや畑仕事などの副産物。ほんのり脂肪の上から割れてる? と、少し疑問に思える程度の物をぽよんぽよんと叩く。

 

「うん、無理があるな」

 

 ここで一度大きく伸びをする。天井から一滴、ぴちょんとお湯に波を立たせる。そして、はっとした。

 

「そう言えば蛟劉さんお風呂入っていないけど、あのままで行っちゃったのかな」

 




お読みいただきありがとうございます。

オッサンだから、一緒に入ってもいいのかと思ったけど、いやダメだろと我に返りこうなりましたん。
あと、こっちの方が頭使わないで済む。

では、また次回〜

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