真剣で魔王さまに恋しなさい!   作:優雅

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魔王、川神学園に編入する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川神学園。

この学園は、校門が和風な作りになっている以外は、外見に大きな違いはない普通の学校だ。だが、この学園は他とは違う制度がある。それは生徒同士による決闘制度である。これは生徒同士がお互いのワッペンを重ねる事で成立し、教師の立会の元行われる。そんな一見変わった制度を持つ川神学園の屋上に、まるで影が立体的になるように盛り上がった。しかし、それは一瞬で直ぐさま影は元の地面に戻るが、そこには先ほどとは違い二人の男がいた。その内に一人は、この川神学園の制服を来ている。

そう、この二人こそ先程武神に目をつけられ、僅かな魔力を使って逃げた二人。魔王サタンとアルシエルこと、真央貞夫と芦屋四郎なのだった。

 

「あ、あぶねー!真剣(まじ)で死ぬかと思った!!」

 

今現在の真央は、悪魔ではなく人間だ。故に、以前のような優れたポテンシャルはない。いくら、わずかとは言え魔力があろうとも、あの拳を受ければひとたまりもない。

今思い出しただけでも冷や汗をかく真央に対し、急に芦屋は土下座をするのだった。

 

「申し訳ございません、魔王さま!!!」

「ちょ、芦屋!?お前、なにやってんの!?」

「本来なら魔王さまをお守りするのが私の使命だというのに、その使命を守るどころか魔王さまに救われ、わずかになってしまった魔力を使わせてしまうとは!」

「い、いや、別にいいって…だから、土下座はやめろ!」

 

額を地面に擦りつけながらも自身の犯した過ちを叫ぶ芦屋とそれを必死に止めようとする真央という、何やら変な図が川神学園の屋上で展開されていた。

もしもこの場に他の人物がいた場合、明らかにこの二人は白い目で見られていただろう。

そんな中、真央はあることに気がついていた。

 

(そういや、空間転移を使ったのに魔力の減りがいつも以上に少ない…一体どうなってんだ?)

 

真央が先ほど行った空間転移は魔力の消費が多く、魔力を少なくなった今では一度きりしか使えないものだ。しかも、使えば魔力はほぼ空になってしまう。

けれど、現在の真央の魔力はそれなりに余力を残してある。本来の魔力消費が、3/4になったかのように思えるのであった。

魔力消費の少なさについて考察する真央とずっと謝り続けている芦屋。この二人の行為は、たった一度のチャイムにより中断された。

---キーンコーンカーンコーン

どこにでもあるありふれたチャイム。だが、真央にとっては特別な意味があった。

 

「げっ…チャイムが鳴ったって事は…まずっ!!」

 

チャイムが鳴ったことに真央は慌てて飛び出していった。それに気づいたのか、芦屋もすぐに立ち上がり真央を追いかけていった。

走る中、やる気のなさそうな教師から「廊下は走るなよ~」と声をかけられたが、真央はそれを無視して走る。今の真央には一つの事しか頭にない。

 

(まずい…まずいまずい!このままじゃ、編入初日から遅刻だ!そんなことになったら、クラスメイトからの評判が悪くなる!そうなったら、いずれニッポンを支配するためのセンキョでの支持率が!!)

 

何故か、いづれ日本を正当な手段で手に入れようと考えているのであった。

魔王としては真面目すぎるのではないか?

 

 

 

* * *

 

 

 

真央たちが去った屋上…そこは誰もいないように見えて、実はもう一人この場にいるのだった。

その者は、この川神学園の学園長。”老武神”川神鉄心だ。

 

「ふむ……なんともまぁ、個性的な人物が学園に入ったものじゃのう…まったく、ミキティも無茶を言ったもんじゃ。いきなり身元不確かな人物の内、一人を生徒にもう一人を用務員にしろなど…はぁ

じゃが、あの二人…禍々しい何かを持っているが見たところ根はいい者たちじゃ。ま、ほっといても問題なかろう」

 

川神鉄心は教育者として、それでいいのか?と聞きたくなるようなセリフを言い残し学園長室へと去っていくのだった。

 

 

 

* * *

 

 

 

一方、真央の方は職員室にて担任となる小島梅子(こじまうめこ)と合い、自身のクラス1-Fに案内されるのだった。

先に梅子が入っていくのだったがすぐにクラスの中が騒がしくなるのだが、響くムチの音で一瞬で静かになった。その様子からクラス…というか、教師に若干の不安を抱く真央だった。

 

「真央、入ってこい」

 

若干の冷や汗をかくなか、真央はこれから一年通う教室に入っていく。すると、突然何かが倒れる音がする中、真央は一礼し

 

「真央貞夫です。これからよろしくお願いします!」

 

そう、言うのだった。

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