陣内これくしょん~陣内鎮守府の日常~   作:夜間飛行

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前回
提督の好感度最悪


飛行機

成田国際空港。長門型戦艦陸奥はハワイへの旅行のためここにいる。チェックインを済ませ、搭乗口から乗り込む陸奥。

 

陸奥「えーと、Bの3Cはっと…あった。ここね!海外旅行なんて初めて。楽しみ。だけどこの航空会社。ANAとかJALなら聞いたことあるけど『JOS』聞いたことない名前。まぁいいか。早く出発しないかな」

 

ポーン

 

『皆様本日はJOS『事故 多いけど 心配すんな航空』をご利用いただきありがとうございます』

 

陸奥「大丈夫かな?」

 

『当機は111便成田空港発ホノルル行きだと思います』

 

陸奥「ちゃんと確認しなさいよ!『思います』って言葉おかしいんじゃない?」

 

『機内では航空機システムに障害を与える恐れがあるため、携帯電話などの電子機器類の電源を必ずお切りください』

 

陸奥「あ、切るの忘れてたわ。これで良しと」

 

『それでは機長からの挨拶です』

 

機長『え~機長です。え~皆様この間はなんか本当にすみませんでした』

 

陸奥「何があったの!?」

 

機長『今回はあんな事がないように頑張ります』

 

陸奥「あんな事がないようにって何があったのこの間!?ちょっと機長!」

 

Prrrr

 

機長『(小声で)もしもし。今挨拶中』

 

陸奥「電源切りなさい!何かあったらどうするの!?切っときなさいよ携帯ぐらい!」

 

機長『今からハワイに行かなきゃいけない。何してんの?ハンバーグ食べてんの?無理!一緒に食べるの無理!』

 

陸奥「当たり前でしょ!?早く切って電話!」

 

機長『スキ♡』

 

陸奥「何を言ってるの!?早く電話切って障害与えるから!」

 

機長『あっ失礼いたしました。それでは間も無く成田空港発びっくりド○キー経由ホノルル行き出発いたします』

 

陸奥「会いに行く気でしょ!?完全にハンバーグ食べに行くつもりじゃない!!ちゃんと直接行ってお願いだから!!」

 

機長「なおお降りの際はお近くのブザーでお知らせください」

 

陸奥「ブザー?ブザーって……これのことかしら?」

 

試しにブザーを押してみる陸奥

 

ピンポーン

 

《次停まります》

 

陸奥「いや、バスじゃないんだから!!本当に大丈夫この飛行機!?」

 

『ただいまから非常用設備についてご説明いたします。前方のモニターをご覧ください』

 

陸奥「これはよく聞いとかなきゃ」

 

『まずシートベルトの説明をいたします。シートベルトは腰の低い位置にしっかりとお絞めください』

 

乗客役が港湾棲姫

 

陸奥「何で港湾棲姫!?良く雇ったわね!?艤装が邪魔でそもそも座席に座れてないじゃない!!」

 

艤装を外して座る港湾棲姫

 

陸奥「何でバックルが北方棲姫!?おかしいでしょ!?」

 

『続いて救命胴衣の説明をいたします』

 

陸奥「これはよく聞いとかなきゃ。大変なことになるから」

 

『救命胴衣は座席の下にございます。救命胴衣は海上への避難の際に必要となり頭からかぶりしっかりと膨らましてください。十分に膨らまない場合はチューブから息を吹き込みしっかりと膨らまします』

 

救命胴衣がアザラシの浮き輪

 

陸奥「何で!?何でアザラシの浮き輪!?」

 

『慌てず騒がず乗務員の指示をお待ちください』

 

乗客役が全員深海棲艦

 

陸奥「何で全員深海棲艦なのよ!?ていうかあなた達もおかしいなって思うでしょ!?何待ってるの!?何でこの仕事のオファー受けたのかしら」

 

『次に酸素マスクの説明をいたします』

 

陸奥「あっこれもよく聞いとかなきゃ」

 

『乱気流などの影響で酸素が薄くなる場合がございます。その場合自動的に酸素マスクが落ちてきます』

 

陸奥「すごいわね」

 

『ただし当機では予算の都合上、酸素マスクの代わりに状況に応じた垂れ幕が落ちてきます』

 

『がんばれ!!』と書かれた垂れ幕が落ちてくる

 

陸奥「『がんばれ!!』って何よ!?酸素なくて苦しいって言ってるのに『がんばれ!!』じゃないでしょ!?」

 

『また最悪のケースとして墜落が考えられます』

 

陸奥「もうこんなの出さないでよ」

 

『墜落の瞬間、かなりの衝撃が見込まれます。当機では墜落時の衝撃を少しでもやわらげるためチューインガムを用意しております』

 

陸奥「チューインガム?どういうこと?」

 

『エアバッグの代わりになればなと考えております』

 

陸奥「なるわけないでしょ!?深海棲艦のも割れたじゃない今!!」

 

『なおトラブル発生から墜落するまでの間、意外に時間を持て余すかと思われます』

 

陸奥「そんな余裕ないわよ!?生きるか死ぬかどっちかなんだから!!」

 

『墜落までのひと時をでんでん太鼓でお楽しみください』

 

陸奥「どういうこと!?もう死ぬのにでんでん太鼓で遊んでる場合じゃないでしょ!?」

 

『それでは快適な空の旅をお楽しみください』

 

画面の飛行機から煙が出てる

 

陸奥「煙出てる!煙出てるわよ!?最悪!降りようかな」

 

『それでは離陸いたします』

 

飛行機が離陸する

 

陸奥「もう飛ぶの?ああ、飛んだ飛んだ。よかった。ひとまず一安心ねこれで。大変な飛行機に乗っちゃったわね。とりあえず、雑誌でも読もうかしら」

 

雑誌を手にとる陸奥

 

陸奥「わっ、安室奈美恵とTRFのSAM結婚、古いわねこの雑誌!!何年前の雑誌よコレ!!なんでこんな古い雑誌置いてるのよ!!」

 

ポーン

 

陸奥「?」

 

『皆様間も無く富士山上空です』

 

陸奥「あ富士山。綺麗!やっぱり富士山は日本一の山よね!」

 

ピンポーン

 

《次停まります》

 

陸奥「誰が降りるの!?富士山上空よ!?どうやって降りるんだろう。落下傘かな?もう怖いこの飛行機。ラジオでも聞いて寝ていよう!早く着かないかな」

 

『JOSレイディオ!快適な空の旅をサポートするJOSレイディオ!流れてきたのは皆様のリクエストが一番多かった航空母艦加賀さんの『加賀岬』!この曲を聴きながら快適な空の旅をお楽しみください!リクエストをくれたのは神奈川県の加賀百万石さん!この歌を着メロにしてますというのは同じく神奈川県の焼き鳥☆製造機さん!この曲を聴くと元気になれますというのはまたまた同じく神奈川県のPride of IKKOSENさん!私がカラオケで一番に歌うのはこの歌ですというのはこれまた神奈川県のブルー弓道着さん!』

 

(この手によせる 袱紗 朱の色)

 

『嫌なことがあった時癒してくれるのは……』

 

陸奥「いつまで紹介してるのこの人!?始まってるじゃない曲!それによく聞いたら紹介してるの全部加賀のじゃない!どおりで最近部屋にこもって手紙を書いてたわけね。何をやってるの加賀は一体。チャンネル変えるもう!」

 

『真っ逆さまに堕ちてdesire』

 

陸奥「イヤだこの曲!変える!」

 

『Uh……翼の折れたエンジェル』

 

陸奥「縁起悪すぎよ!!ただでさえ私の運の値低いんだから!こういうときぐらいもっといい曲流してよ!他の局に変えようちょっと」

 

『……というのはまたまた神奈川県のKIBUNKOYOさん!私は出撃の前にいつもこの曲を聴いていますというのはこれまた神奈川県のずいずいさん!』

 

陸奥「まだ紹介してるの!?どんだけ紹介するの!?4、5個くらいでいいでしょふつう」

 

『それでは空の旅を楽しんでください!加賀で『加賀岬』』

 

(ヒョーヒョーヒョーヒョォォォオオオオ)

 

陸奥「終わってるじゃない!最後の尺八の部分!ここだけ聞いても意味ないわよ!?それと瑞鶴ってあんな感じだけど出撃前に『加賀岬』聞いてるのね。全然快適じゃないじゃない!怖い怖い!」

 

女性の悲鳴

 

陸奥「え?」

 

男『おいお前らよく聞けぇ!この飛行機をハイジャックしたぁ!!』

 

陸奥「えぇぇぇーーー!!?」

 

男『お前ら地獄の旅の始まりだぁ!!』

 

陸奥「本当に最悪!!出だしから最悪よもう!!どうしたらいいのよこれ!?」

 

ポーン

 

『機長の悪ふざけでございます』

 

陸奥「いい加減にしなさいよ!!ちゃんと操縦してよ!!」

 

機長『すみませんでしたー(棒読み)』

 

陸奥「砲撃するわよ!?謝る気ないでしょ!!ちゃんと操縦して!あーもう怖いわ」

 

ポーン

 

『ただいま富士山上空を飛んでおります』

 

陸奥「まだ飛んでるの!?遅いわね!!」

 

『皆様に悲しいお知らせがございます。機長より燃料が底を尽きたとの連絡が入りました』

 

陸奥「早すぎるでしょ!?機長!もっと積んどきなさいよ燃料!どうするのこれ!?」

 

機体が揺れ始める

 

陸奥「きゃあ!?もう最悪!!ちょっと揺れてるけど!?機長!」

 

『お客様の中でアラブの石油王はいませんか!?』

 

陸奥「いたってどうなるのよ!?どうにもなんないでしょ!?四六時中石油持ち歩いてるわけじゃあるまいし!」

 

『それかお客様の中で艦娘の方はいらっしゃいませんか!?』

 

陸奥「艦娘?どういうこと?この状況で私必要ないでしょ?」

 

『準備ができ次第こちらのほうで解体させていただきます!!』

 

陸奥「殺す気!?確かに艦娘解体すれば燃料出てくるけど!!私そんなことで死にたくないわよ!!かなり機体揺れてるけど機長大丈夫なの!?」

 

ポーン

 

『皆様』

 

陸奥「?」

 

『ご心配くださいませ』

 

陸奥「しなきゃいけないの!?揺れてるわよ機長!!」

 

機長『今から海上に緊急着陸いたします!乗客の皆さん急いで救命胴衣をお付けください!』

 

陸奥「救命胴衣!救命胴衣は確か座席の下に、うわ本当にアザラシの浮き輪じゃない!!これをつけてと!・・・!機長!苦しい!酸素!酸素がほしいです!機長!酸素!酸素をください!」

 

垂れ幕『うるさい!!』

 

陸奥「『うるさい!!』って何よ!?『がんばれ!!』じゃないの!?『がんばれ!!』もおかしいけど!!」

 

機長『本当にすみません!やってしまった!当機は墜落いたします!!』

 

ヒューーー

 

陸奥「本当に落ちてる!どうしよう!私まだ死にたくない!どうしよう!」

 

落ちていくさなか座席の横に手を伸ばす陸奥。

 

非常に穏やかな顔ででんでん太鼓を楽しむ陸奥

 

キキーーっ

 

陸奥「?」

 

機長『びっくり~、びっくりド〇キーに到着しました』

 

陸奥「本当に来たのね!?」

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