陣内これくしょん~陣内鎮守府の日常~   作:夜間飛行

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前回
陸奥、びっくりド○キーに行く


留学生ユーちゃん

鎮守府の潜水艦部屋に少女が1人座っている。U-511 愛称はユー。彼女はこの鎮守府の数少ない外国艦である。

 

ユー「日本に来て1年ちょっと経つけど日本語って難しいな。もっと勉強しなきゃなあ」

 

ユーは自分の引き出しの中にある日本語の教科書を取り出した。

 

ユー「糸を出すのが「クモ(蜘蛛)」、空に浮かんでるのも「クモ(雲)」、渡るのが「ハシ(橋)」ご飯を食べるのも「ハシ(箸)」うーんやっぱり日本語っていろんな意味があるから難しいな。それにしても暇だなぁ。どうしようか。そうだ那珂ちゃんのところに電話しようかな。今日は一日鎮守府にいるって言ってたし」

 

那珂に電話を掛けるユー

 

ユー「Hallo.ユーですけど」

 

那珂『ああ、ユーちゃん?どうしたの?』

 

ユー「実はユー今暇で那珂ちゃん今日は一日中鎮守府にいるって言ってたから遊べないかなって。そうだ!この前みたいにまたみんなでカラオケとか行けませんか?」

 

那珂『カラオケかぁ。やめとこっかな』

 

ユー「どうしてですか?」

 

那珂『那珂ちゃん歌うの大好きだけど、ユーちゃんってドイツ語か英語の歌しか歌えないでしょ?』

 

ユー「うん。そうだよ?」

 

那珂『なんかユーちゃん、ちょっと浮いてるよ?』

 

ユー「ん?今なんて言ったんですか?」

 

那珂『だから、ユーちゃんだけちょっと浮いてる』

 

ユー「ユーだけちょっと浮いてる?」

 

【ユーの想像】

自分が空中浮遊している

 

ユー「何で気づかなかったんだろう!ユー浮いてたんですか!?え、どのぐらい浮いてたんですか?」

 

那珂『まぁ、正直に言うとすっごい浮いてた』

 

ユー「危ないな!!止めてくださいよ!!じゃあカラオケはやめてユーの部屋に遊びに来るのってどうですか?」

 

那珂『ユーちゃんの部屋かぁ。やめとこっかな』

 

ユー「どうしてですか?」

 

那珂『だって軽巡寮から潜水艦寮に行くのに補給車両の専用道路を渡るじゃない?あそこの信号赤がすごく長いの』

 

ユー「ん?なんていったんですか?」

 

那珂『だから赤信号がすごく長い』

 

ユー「赤信号がすごく長い?」

 

【ユーの想像】

信号の赤信号だけがすごく伸びている

 

ユー「本当ですか!?全然気づかなかった!!そんな信号あったかな?」

 

那珂『私その信号でよく引っかかるの』

 

ユー「引っかかるんですか!?まぁそうですよね。そんなに長ければ引っかかりもしますよね。これは提督に進言して交換してもらわないと。それじゃあ今から買い物でも行きませんか?友達のよし子ちゃんも誘って」

 

よし子ちゃんとは那珂とユーの友達でごく普通の一般人である。

 

那珂『よし子ちゃんと買い物かぁ。やめといたほうがいいと思うよ?』

 

ユー「どうしてですか?」

 

那珂『だって私今買い物に行くお金ないし、よし子ちゃんもいまだに親のすねをかじってるんだよ?』

 

ユー「親のすねをかじる?」

 

【ユーの想像】

親のすねにかじりつくよし子ちゃん

 

ユー「なんでそんなことするんですかよし子ちゃんは!?お金ないからって親のすねかじっちゃだめですよ!?親はなんて言ってるんですか!?」

 

那珂『ああそれ私も気になってこの前偶然町であったときに聞いてみたの。そしたら『すねかじるのもあと2、3年だぞ』って言ってたらしいよ?』

 

ユー「2、3年もかじるんですか!?何を考えてるんですかよし子ちゃんは!!」

 

那珂『何を言ってるのユーちゃんは?ああそうだ!そんなことより川内お姉ちゃんから伝言。この前ユーちゃんに貸した『サザエさん』の本早く返してほしいってさ!それじゃ、じゃーねー!』ピッ

 

ユー「本当に日本人はよくわからないなぁ。そうだけど川内さんにサザエさんの本早く返さないと。けどこのサザエさんの本を読めば日本語の勉強になるし日本の文化もよくわかるって言ってたなぁ。ちょっと読もうかな1巻から」

 

サザエさんを読み始める

 

ユー「ん、面白いな。サザエさん面白い!あ、穴子さんが一番面白いな!もう1巻読み終わっちゃった。もう一巻読もうかな」

 

prrrr

 

ユー「黒潮さんからだ。hallo.ユーですけど?黒潮さんどうしたんですか?」

 

黒潮『今なレンタルビデオで『タイタニック』借りて見とるんやけどこの感動を誰かに伝えたくてな!ユーちゃんは見た?『タイタニック』!』

 

ユー「ユーは『タイタニック』見たことないですね」

 

黒潮『見たことないの?感動すんのに。ちょっとストーリー教えたろか?』

 

ユー「どんな話か教えてください」

 

黒潮『これはな昔本当にあった話やねんけどなまぁ簡単にゆうたら大きい船の話なんや』

 

ユー「本当にあった大きい船の話?」

 

【ユーの想像】

巨大な磯野フネ

 

ユー「面白そうだなぁ!!そんな映画があったんですか!?それでそこからどうなるんですか?」

 

黒潮『そんでな、みんなを乗せて海を渡るんや』

 

【ユーの想像】

フネが手のひらに磯野一家を乗せて海を渡る

 

ユー「すごい面白そうじゃないですか!!フネがみんなを乗せて海を渡って、そこからどうなるんですか?」

 

黒潮『でもなぁ、最後には船が沈んでしまうねん』

 

ユー「沈んじゃうんですか」

 

【ユーの想像】

フネが沈む

 

ユー「それでそこからその話はどうなるんですか?」

 

黒潮『それでほとんどの人が死んでしまうって話や』

 

ユー「そうなんですか」

 

黒潮『まぁ難しい言葉で言うたら一巻の終わりやな』

 

ユー「ん?なんて言ったんですか今」

 

黒潮『だから『一巻の終わり』」

 

ユー「『一巻の終わり』ですか?ちょっと待ってください」

 

電話を置きサザエさんの一巻の最後のページを見る

 

ユー「一巻の終わりに……そんな話は……」

 

電話を手に取る

 

ユー「無いですよ?」

 

黒潮『何を言うとんねん。まぁ見たらわかるわ。あ!じゃああれ見たか!?『マトリックス』!めちゃくちゃカッコええで!』

 

ユー「『マトリックス』もユーは見てないですね。どんな風にかっこいいんですか?」

 

黒潮「キアヌ・リーブスがな飛んでくる(タマ)をなめっちゃ避けんねん!」

 

【ユーの想像】

キアヌ・リーブスが猫のタマを避けまくる

 

ユー「すごいなぁ!!キアヌ・リーブスがタマをすごい避けるんですか!?そんな話あったかな?でもそれのどこがかっこいいんですか?」

 

黒潮「とりあえず見たらわかるわ。せや!ユーちゃん暇やったら赤城さんに電話してやってくれへんか?」

 

ユー「どうしてですか?」

 

黒潮『赤城さん最近まるで扶桑姉妹が乗り移ったかのように不幸続きなんや。ほなバイバイ』ピッ

 

ユー「もうサザエさん読む気なくなっちゃったな。そんな話だったんだ。そうだ。赤城さん元気がないって言ってたから電話してあげなきゃ」

 

prrrr

 

ユー「hallo.ユーですけど。赤城さん元気ないって本当ですか?」

 

赤城『ユーちゃんですか?そうなんですよ。最近付いてないんです』

 

ユー「どうしたんですか?」

 

赤城『いやこないだ近所に新しくレストランが出来たじゃないですか』

 

ユー「あのイタリアンレストランですか?なんでも大盛りパスタが名物だという」

 

赤城『そう!そこです!開店当日にそこに行ってあまりにも美味しそうだったから料理の写真をいっぱい撮ったんですよ』

 

ユー「その料理の写真をいっぱい撮ったんですね。それのどこが付いてないんですか?」

 

赤城『カメラが壊れてて写真が全部パーになっちゃったんですよ』

 

ユー「ん?なんて言ったんですか?」

 

赤城『え?全部パーになっちゃったんですよ』

 

ユー「全部パーになっちゃった?」

 

【ユーの想像】

写真が全部林家パーになる

 

ユー「何でですか!?何で全部パーになるんですか!?何で料理の写真が全部パーになったりするんですか!?それは落ち込みますね」

 

赤城『あいたたたたた!』

 

ユー「?どうしたんですか?」

 

赤城『実は昨日お昼に牡蠣を食べたんですけどあたったみたいで』

 

ユー「牡蠣を食べたら当たった?」

 

【ユーの想像】

牡蠣の殻に「当たり」と書いてある

 

ユー「それはおめでとうございます」

 

赤城『何がおめでとうですか。本当に『トラブル』続きですよ。ユーちゃんも気をつけてくださいね。いつ『トラブル』に巻き込まれるかわかりませんから』

 

ユー「ユーが『トラブル』に巻き込まれる、ですか?」

 

【ユーの想像】

虎舞竜にユーが加入している

 

ユー「それは困りますね!ユー何の担当したらいいかわからないですよ!トラブルに巻き込まれたくないです!」

 

赤城『でも一番悲しかったのは最近友達が死んじゃったことですね』

 

ユー「あ〜、それは悲しいことですね」

 

赤城『それで不思議なことにそんな気がしてたんですよ。ああいうのが『虫の知らせ』っていうんですかね』

 

【ユーの想像】

虫が知らせてくれる

 

ユー「便利ですねそれは!!日本の虫はそんなことも教えてくれるんですか!?ドイツの虫は教えてくれるのかな?でも不思議ですね。何で赤城さんは友達が死ぬの分かったんですか?」

 

赤城『『第六感』ってやつですかね』

 

ユー「ん?なんて言ったんですか?」

 

赤城『こういうのは『第六感(ろっかん)でわかるんですよ』

 

ユー「ちょっと待ってくださいね」

 

サザエさんの第6巻を見る

 

ユー「わからないですよ!?」

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