FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
手を挙げてー?
あげた人は仲間だ。
そして今回がアンケートの答え発表と言ったのは・・・・・・
聞かなかったことにしてほしい、本当に。
「そう言えば私、忘れてた事があるんだよね」
「どうしたんですか先輩?」
食堂でエミヤズの作ったおやつを食べていた立香とマシュ。
食べ終わった時にふと、立香が呟いたのだ。
しかし立香の言う忘れてたことにマシュは思い当たらない。
「ほら、最近忙しかったから忘れてたんだけど、藤丸君が来たじゃん?」
「・・・・・・あ!わかりました!」
マシュがわかったようなので立香は頷く。
「それは、もちろん・・・・・・」
「はい!藤丸先輩の歓迎か・・・・・・」
「聖晶石召喚よッ!!!」
椅子から立ち上がってグッと親指を立てる立香。
残念マシュ、歓迎会ではない。
「ガ~チャ~~~~~!?」
「あうっ!?」
叫ぶマシュの後ろから飛んできた出所不明の板が立香の頭に激突した。
**
「ねえ二人は聞いたことがある?機械のメンテ明けには良い召喚結果が出やすいとか、生放送を見た後には凄い召喚が出来るという数々の都市伝説を」
「聞いたことがある。ガチャの都市伝説だ」
「何を言っているんですか!?というか、私自身の口から出た言葉にもツッコミどころがあったのですが!」
食堂を出た後に合流した藤丸を連れて3人で並んで廊下を歩く。
藤丸を挟んで右手側に立香、左手側にマシュ。
端から見れば両手に華だった。
「いや、カルデアのマスターの人数が増えたからダ・ヴィンチちゃんがメンテするって言ってたじゃん?」
「まあ、はい」
「へぇ、そうだったんだ」
藤丸は知らなかった。
そもそもこれから何をするのかもあまり理解出来ていない。
「うん、つまりはメンテ明けじゃん?今こそ貯まった石で引く、もとい喚ぶことが正しいことだと思うんだ!」
「正しいようで正しくないことだと思います!」
「石を使っての召喚?ガチャ?うっ、頭が・・・・・・」
「どうしたんですか、大丈夫ですか藤丸先輩?」
「・・・大丈夫?」
急に頭を押さえる藤丸。
それを心配するマシュと立香。
しかし二人の心配を無視して立ち上がった藤丸は言う。
「引かなきゃ(使命感)」
「藤丸先輩もどうしたんですか!?」
召喚ルームと書かれた部屋の前で騒ぐ三人。
そしてそれをなんとも言えない微妙な表情で見ているのはオルガマリーだった。
「私のカルデアのフェイトシステムがガチャ扱い・・・・・・」
「あー・・・・・・」
ロマニもフォローが出来ない。
魔術と科学の融合、つまりは両方の最先端技術がガチャ扱いである。
しかし否定もしにくい。
フェイトシステムで喚ばれるものは、本来ならマスターと英霊両方の合意による召喚なのだが現在、完全にランダム状態である。
正確には人理焼却と未熟な召喚式の奇跡的な噛み合わせの結果、ランダムになったのだが。
そんなことを素人に言っても無駄である。
「「要するにガチャですよね」」
と返されるのがオチだろう。
縁のあるサーヴァントが呼びやすいと教えたところで
「「つまりピックアップですよね」」
と返されるだろう。
不憫なり、フェイトシステム。
**
マシュの盾を床に置き、システムを起動する。
その瞬間に石も呼符も使わずに召喚サークルが輝き出す。
「何よ、これはどうなってるのよ、ロマニ!逆探知でも受けてるの?」
「いや、違う!逆探知された訳でも攻撃された訳でもない!でもこれはどうなってるんだ!?」
害意のあるモノではない。
それは一度、特異点SNでレフの姿をした何かから観測したモノと同じ悪意の塊と言うべきモノとは違う。
だが、何かしらの圧力を感じるモノだった。
召喚ルームが警戒体勢に入る。
エミヤズはその手に干将と莫耶を投影する。
クー・フーリンが槍を構える。
エリザベートがマイクを構える。
凜とイリヤとオルガマリーが回路に魔力を流す。
バゼットが拳を握る。
アンリが諦める。
マシュが盾を持てずに焦る。
そしてどんどんと緊張が高まっていくなかで立香とのパスが繋がり、立香は懐かしい感覚と共に悟る。
「皆、大丈夫だから警戒を解いて」
苦笑を浮かべているが心は懐かしさと嬉しさで溢れていた。
「きよひー、やっぱり来るよね」
むしろ来ない訳がない。
でも流石に前回は石と呼符・・・・・・いや、前回も使わなかったかもしれない。
流石きよひー、愛が重い。
「ようやく会えましたねま、す、た、ぁ?」
「うん、カルデアにようこそきよひー」
緊張に包まれていた筈の召喚ルームがおかしい空気に変化した。
セ、セイバーウォーズ来たーー!!
アップデートもようやくデキターー!!
カルデアボーイズコレクションなんてなかった。
参加出来なかったイベントは存在しないんだ!
アンケートご協力ありがとうございました!
出てないけど決定はしました!
それでストーリーを練り直しています!
さあ、次回こそアンケートの結果発表だ!