FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
リアルが唐突に忙しさが増しまして・・・・・・
言い訳ですよね。
「これは本当に効果があるのでしょうか?そもそもどう使うのでしょうか」
立香が混乱するよりも少し前、セイバー(アルトリア)は一人、シミュレーションルームで種火を集めていた。
倒されることなくカルデアに来たために、セイバーは冬木の真実を知っている。
だから黒幕のことも知っている。
だからこそ自分の実力が足りないこともわかっていた。
一人で戦場に突撃していくシロウを守ることを考えると尚更に。
「ランサーやライダーには効果があるらしいのですが、カルデアの召喚式は冬木と違うらしいですし」
それは正しい言葉なのだが、何故か曜日の違いとしか思えない人が出てきそうである。
とにもかくにも本来、マスターによるステータスの上下こそあるものの召喚されたあとにサーヴァント自身が劇的に成長することはまずない。
だが、カルデアのフェイトシステムは違う。
霊基再臨によって性能が上昇していく。
戦えない作家系のサーヴァントですら(戦うかどうかは別として)戦闘能力が上がるのだ。
戦闘能力の高いサーヴァントも同じように強化されるのだ。
黒幕を相手にした場合の実力不足など、時間はかかるだろうがいずれ関係なくなるだろう。
「まあ、誰であろうと聖剣の完全解放なら一撃ですが」
つまり最強は誰か?
・・・・・・独り言でも負けず嫌いの騎士王様だった。
だが、自称最強で直感Aのアルトリアも、おろおろすることになるとは思ってもいなかった。
***
アルトリアがシミュレーションルームから出ると何故か廊下に団子が落ちていた。
「・・・・・・そういえば月見の時期でしたね。ならこれはあのドクターが落としたのでしょうか?」
アルトリアの直感はロマニを信じていいと告げているが、何故かどうしても胡散臭く感じてしまう人物。
その彼なら廊下に団子を落としていても違和感はない。
山のような団子を無理に持っていこうとすれば落とすのも仕方ない。
だがそれは食糧難だったブリテンの王として許せない。
食べ物を無駄にするなんて許せない。
「シロウやアーチャーに渡せば再利用ができるのでしょうか?」
そう言って落ちていた団子の一つを拾った時だった。
「セイバー・・・・・・」
「シロウ?」
後ろからマスターが声をかけてくる。
しかしその声音は普段と違う。
まるで、否定したかったのに状況がそうさせないとでも言うような。
「自首してくれセイバー、俺も一緒に謝るから」
「?」
シロウが何を言っているのかわからない。
しかしアルトリアの直感が何か嫌なものを告げている。
ここで視点を完全に第三者としてこの状況をまとめてみる。
大量に盗まれていた(廊下にいくつか落ちている)団子を追いかけてきたマスター、大量に落ちている団子の前に立ち、団子を持っているセイバー。
もしも団子を持っているセイバーがすまないさんやデオン君ちゃんなら疑われることはなかっただろう。
落ちている物が、盗まれていた物が食糧でなかったら、正しい騎士の王が疑われることはなかっただろう。
でも落ちていた物は団子だ。
様々な世界で腹ペコ王や、餓えすぎもとい上杉アルトリアなど腹ペコキャラの定着が進んでいるアルトリアが疑われない訳がない。
前の世界で経験したために真実を知っている《アーチャー》エミヤや立香もこの状況をみたら赤セイバー(男)を疑うよりも先にアルトリアの事情聴取をしていただろう。
まあ、腹ペコ王だから疑われても仕方ない。
***
「その、状況証拠が整っていたので現在、セイバーさんの取り調べ中だそうです」
複雑な顔をしながら立香に教えるマシュ。
恐らくマシュの中にいる円卓最優の騎士はフォローしたいのだろう。
騎士王が盗み食いなどという意地汚いことはしないと。
その事をマシュも何処かでわかっている。
でもオルレアンで聖女と食糧を巡って揉めていたからこそフォローもしにくいのだろう。
実態は腹ペコ王だから仕方ない。
「ああ、セイバーってそっち?」
「? はい、他にセイバーさんはこのカルデアには居ませんし」
「確かにね」
お月見イベントだからカエサルのせいと勝手に思い込んでいた。
確かにアルトリアも大量に食べ物を消費していくサーヴァントだった。
「・・・・・・フォローできないよね」
「・・・・・・そうですね」
二人は苦笑いを浮かべた。
腹ペコ王だから疑われるのは仕方ない。
近況報告ー
忙しさが増しました。
いつの間にか二部も更新され、現在水着イベント。
配布鯖がジャンヌ・オルタ『クラスバーサーカー』
略してオバカちゃんってマジですか?
リアルを放り出してやらなきゃ!