久しぶりに戦闘シーン書きました。やっぱり難しいです。
「いたああああああああああああああ!!」
「ん?」
「くたばれカンナさん!プレシャス・ラック!」
ああ、たまにいる戦闘狂か。いいよ相手したげる
「グロウ・ブースト…"セカンドゲート"」
……あれ?ファーストバウトにしかならない
「気ィつけろカンナ、プレシャス・ラックは不幸を相手に押し付けて幸運を呼び寄せるアビリティだ」
あ、そういうタイプですか。なるほどなるほど
起訴
バク転で着地地点から回避。地面はクモの巣状にヒビが入った。まともに食らってたらゲームオーバー不可避だぞこれ
「避けられた!カンナさん『幸運』なのですね!」
否定はしない
改めて相手を見る。黒スーツを着ていることからエージェント、つまりプレイヤーであることは確定だ
ただ、私に突っかかって来る理由がない。あ、でももしかしたらアニス絡みか?
「あんた何者?別に恨み買うようなことしてないと思ってるんだけど」
「恨みはないのですよ?なんか強いってネットで評判だから手合わせしたいだけなのです!」
あ、やっぱりただの戦闘狂か。仕方ない、本気出す
注意深く観察すると彼女の左手首に数字が刻印された歯車が三つついている。恐らくその組み合わせで運を操っているのだろう。そうなると777になったときが一番警戒すべきかな?
とりあえず近付けたくない
「プレシャス・ラック!」
「力を貸して、アニス。"操炎"!」
手を翳して、掌に炎を纏うイメージ。お、うまく出てきた
でも、直接当てないよ。あくまで牽制。動きを封じてブーストカノンが理想的なんだけど、どうだろう
ん? 炎の動きが変だ……違うこれ逆風!?
「ふっふっふ!運は私に味方していりゅのです!」
噛んだ
「噛んだ」
「噛んだね」
「う、うるさいのです!スペクテーターは黙ってろなのです!」
「ひっでぇ」
その油断が命取りだよ、小さな戦闘狂。回し蹴りがこめかみを捉える
「油断大敵なのですよ、カンナさん。床下注意なのです」
あ。ここさっき割ってたとこだ
地面が割れるけど片足で立ってるから踏ん張りが効かない。しかも沈む。やばい、ピンチだ
逆境を跳ね返してこそのハウンドキャット幹部。チャンスを作らなきゃ
「セカンドゲート!」
よし。そんで次だ。名も知らぬ戦闘狂の足首を掴んでこっちに引きずり込む!
「うおおおお!」
地面に思い切りビターンって叩き付けて反動によるエネルギーと風圧を得ることで浮力にして飛ぶ。ここまで上手くいくなんてね!幸運だね!
らぶしぃの手を借りて安全圏に着地。さてあの子は?
「う、ぐぐぐ」
何となく分かってたけどフィードバックで私に押し付けてきた分の不運が彼女を襲って動けなくなってるね
ファーストバウト状態ならまだ保てるかな。よし
「チェックメイトだよ、お嬢さん」
地面に埋まった彼女に炎の拳をちらつかせる
「っ!」
「動かないで。怪しい動きをしたと判断したら即殴るから」
我ながら小悪党みたいなセリフ。まぁぶっちゃけると椎那の捜索に行き詰まってイライラしてたのもあるけど
「敗北を?」
「……認めるのです。参りましたなのです」
何はともあれ、事情聴取しなきゃだよね
――――――
「プロゲーマーのさあやです。よろしくなのです」
「さ、さあやさんだとぉ!?俺ファンなんです!サインしてください!握手もお願いします!うっひょおおおお!!」
「阿修羅?戻ってきて?」
阿修羅曰く、さあやは現役女子高生のプロゲーマーで、数々のFPSゲームの世界大会で入賞している実力派だそうだ。因みに本名は音無紗綾らしい。
「で、さあやさん。何でカンナを襲ったの?」
「さっき言ったとおり、カンナさんは強いって聞いたから手合わせがしたかったのです」
「それだけ?」
炎の拳を近付ける。あ、これ楽しい
「ひいっ!?あ、あと私が所属する株式会社ゲムプラにスカウトしよかなと」
わお。でも、ダメだ
「それはできない。私は妹を救けたい。少なくともそれが叶うまではプロゲーマーになろうとは思わない」
「妹?」
「えっとね、実は――」
いままでのあらすじ。妹がゲーム起動したら消えたからそのゲームをプレイして手掛かりを探そう!……って感じです、はい
さあやさんはどんな反応を示すだろう?やっぱり警察や他の生徒みたいな感じかな?
「私も一緒に探したいのです」
え?
「だっておかしいのです!警察や友達が全然動かないなんて!」
そういえばそうだ。普通すぎて見落としてたわ
会長や椎那の彼氏が現実世界で探してくれてるとはいえ、そっちは望みが薄いからなぁ
「一緒に探すってことはチームアップするってこと?」
「なのです!もちろん幹部のカンナさんが旗印なのです!あと私のことは呼び捨てでOKなのです!」
あ、私なんだ。まぁさあやに幹部の証である肩章がないってことは、幹部は私だけなのか。そりゃ私が旗印になっちゃうね
「カンナ班、結成だね。目標はキャサリン討伐と椎那の救助。頑張ろうね」
『おー!』
「結成おめでとうございます」
「誰なのです!?」
「落ち着いて、さあや。私たちの上司、エデンさんだよ」
「っとにどこでも湧くねアンタ。ストーキングでもしてるの?」
「いえ、本部からの命令で近くのワープゲートに来ただけですよ――ああ、アニスフレア氏の時は偶然でした。他の幹部が担当だったのですが、風邪をひきましてね」
「アニスを私に殺させたのは?」
「貴女達の誰かなら誰でも良かったのです。幹部が一人亡くなりまして。新人に手柄を立てて貰い、昇格を認定させるためにあの日私はいたのです」
ああ、代わりならいくらでもいるってのはプレイヤーのことだったのか。今なら理解できる
「さて、本題です。貴女達カンナ班をハウンドキャットの第39番正式部隊として認可します。それに伴い任務を複数出します」
任務?
「まず、キャサリン討伐。あとベルゼブブの討伐、フェブリクの里の調査ですね。それともう一つ」
「何なのです?」
「アビリティを与えると噂される、『白い妖精』に最低でも一人、出会って頂きたいのです」
……なにそれ?
To be continued...