緋弾のアリアと姫神の巫   作:三元新

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骨折していた利き手が復活したので筆記開始。メインのハイスクールDxDが途中なのだが、ふと思い出したので、すっかり投稿するの忘れていた最新話を1年と5ヶ月ぶりに投稿!

お待たせなのです!ハイスクールDxDはもうちょい待っててくださいのですよ


1話

俺達姉妹は今日から学校だ。俺は2年生。姉様方は3年生や先生として登校だ。ナツル姉様はいつもの如く仕事でいないが、昨日の電話で元気にしているのはわかっている。今はロシアのとあるテレビ局で有名なデザイナーさんの最新作をいくつか試着してテレビに何人かのモデルとランウェイをするらしい。

 

 

「ではなお前達。また後で会おう。……決して始業式に遅れるなよ?とくに恭子!」

 

 

「わかっているわよ!私はもう子供じゃないわよ? そんな遅れるようなことするわけないじゃない!バカにしないで!」

 

 

「どうだかねぇ。お前はドMだからさ、わざと遅れてくる可能性があるからな。あたし達はそれを心配してんのさ」

 

 

「そ、それぐらい公私別々にするわよ!? そこまで馬鹿じゃないわよ、彩音!」

 

 

「そう前も言って終業式に遅れたのは何処のどいつだ?ん?」

 

 

彩音姉さんに確信をつかれたのか押し黙る恭子姉さん。

 

 

「……ぐぬぬぬ。あ、あれは仕方がなかったのよ。そう、あれは暖かい日だったのだから私は日向ぼっこをしようと――」

 

 

「もういい。とりあえずお前は馬鹿だからな。今回もそれが無いとは限らない。だからこそ、お前は姉と弟の三人にしっかりとついて行けいいな?」

 

 

千冬姉さんは恭子姉さんの言い訳を聞く耳持たないのか手で制してとめさせる。

 

 

「で、でも「いいな?」――はい!千冬お姉様!」

 

 

どうやら恭子姉さんは千冬姉さんの殺気に負けたようだ。仕方が無いよね。あれは怖い。

 

 

「それじゃ、私は教務科(マスターズ)の所へと行ってくる。奏、彩音、士織。恭子を頼んだぞ?」

 

 

「ああ、わかっているよ千冬」

 

 

「わかったぜ、千冬姉」

 

 

「ああ、わかったよ千冬姉さん」

 

 

「な、なんで私だけ……ア、コレモイイカモ」

 

 

「それではな……あと恭子、涎を吹いておけ。今のお前の顔、非常に醜いぞ?」

 

「ハッ!?」

 

 

恭子姉さんェ……

 

 

「恭子…」

 

 

「お前なぁ……」

 

 

「…………はぁ」

 

 

「ちょっ!ちち違うのよこれはっ!? そ、そう、お腹がすいたなぁ〜なんて思っていたら出てただけで、決して仲間はずれで放置されてて且つピンポイントで私だけ弄られていたのがなんかよかっただなんて決して思っていないんだから!」

 

 

…………恭子姉さん、それ、自爆してるぞ?

 

 

「お前は……いや、もうなにも言うまい。士織、あとは任せた。私は教室へ行くとしよう」

 

 

「あたしも教室へ行くわ。 士織! ぜってぇソイツから目を離すんじゃねぇぞ! 絶対だかんな!」

 

 

奏姉さんと彩音姉さんがそうそうと立ち去った。彩音姉さんだけはこちらを心配しているのかすごく念を押して去っていく。

 

 

「ええ、わかっていますよ。このダメ姉は僕が手綱を握っていますから。心配しないでください」

 

 

「え!?私はモノ扱いなの!?」

 

 

隣で何か叫んでいるが無視をしよう。彩音姉さんはまだこちらが心配なのか見てくる。それを僕は苦笑しながらも大丈夫だと瞬き信号で伝える。彩音姉さんは目が凄くいいのでかなり距離はあるが伝わったのかひとつ頷いて今度こそ教室へと続く階段を上って行った。

 

 

「さぁ、行くぞ姉さん。新しいクラスへ」

 

 

「え?さっきのは無視なの?ねぇ………まあいいわ。いつもの事だし……納得はいってないけれど今は急がないとね。じゃ、行きましょうか」

 

 

「はい、姉様」

 

 

こうして俺達は新たな教室へといくのだった。

 

――――――――――――――――――――――

 

あれから無事、始業式は終えた。恭子姉さんもしっかり連れてきたので教務科(マスターズ)にいた千冬姉さんは安心したのかホッとした表情をしていた。表情はあんまり変わんないけど…。

 

その後教室へと戻ってきたら

 

 

「おーす!士織、恭子、元気にしてっか!」

 

 

1人の大男が手を上げながらこっちに来た。

 

 

彼の名前は、武藤剛気。車輌科(ロジ)のAランク。僕と同じ2年A組のクラスメイトで、友達である。190cm近い長身で、本来ならば実戦部隊の補助がメインの車輌科でありながら、近接格闘では中々の強さを誇る。日頃から女子にモテたい願望を抱いているが、性格がガサツかつ3枚目なせいで全くモテない。

あと、ユキちゃん……コホン。星伽白雪に好意を寄せている。

1年に全く似ていないシャープな顔立ちの美人の妹・貴希(きき)がいる。 彼女は顔立ちだけじゃなくて性格も似てないし、兄と違いモテる女の子だ。俺もよくしっている。

 

 

「おはようございます。武藤」

 

俺の学園内では基本猫を被っている。何故かと言われると、お母様にそう言われたから。『姫神の巫女である以上、学園では常に周りにお淑やかに見られるように行動しろ、星伽の巫女の様にな』と言われたのでそうしている。素の俺を出す時はプライベートで家族か幼馴染の二人のどちらかがいる時だけだ。ちなみにそれ以外の人がいる前では家族や幼馴染がいようが猫を被っている。

 

 

「おはよう、武藤! 今日も相変わらず暑苦しい顔をしてるわね!」

 

 

「おはようございます!士織さん! あとなんだと!? 暑苦しい顔ってなんだ! 暑苦しい顔って!! 轢き殺すぞ!この大バカドMが」

 

 

「殺れるものならやってみなさいよ! その程度で私が満足するとでも思ってんの? バッカみたい。そんなので死ぬほど私は弱くないわよ!この能無し筋肉ダルマ!」

 

 

「んだとコラ!」

 

 

「なによう!!」

 

 

また始まった2人の口喧嘩。毎朝飽きないのだろうか、この2人は? そして周りも楽しそうにしないでください。「やれやれ!」じゃないのです。あと賭けもしないでくださいよ……はぁ、またこんな日が続くと思うと胃が

 

 

「まぁまぁ、二人とも。そこまでにしとかないと士織くんがお腹抑えてるよ? 君たちが原因で士織くんに何かあると、女帝様がお怒りになるよ。いいのかい?」

 

 

「「それは困る!」」

 

 

2人を止めてくれた人の名は不知火亮。見てわかる通り同じクラスのお友達。とある幼馴染と一緒によくいる男子。その中に武藤もいるので、基本は幼馴染とこの2人で行動しているのをよく見る。

 

 

強襲科(アサルト)のAランク。突出した特技があるというよりは、格闘、ナイフ、拳銃、どれもバランスよく優れているタイプの武偵。イケメンかつ礼儀正しい武偵の中でも数少ない人格者で、いろんな人に対してもあれこれと気を遣ってくれる。かなりモテるらしいが、浮ついた噂はないので彼女はいないのだろう。そう言えば恭子姉さんが『キンジ×不知火…いや、武藤×不知火もいいかも』なんて呟いてたけど、どういう意味なのだろうか?今度聞いてみようかな。

 

 

「(……あれ、急に悪寒が。風邪ひいたのかしら?)」

 

「(ん?恭子が震えてる?なんでだ……あ、なるほど。いつもの発作(ドM)か)」

 

 

さて、さっさと席に座らないと時間が

 

 

「……ぅーす」

 

 

ガラガラ音と共に誰かが入ってきた。どうやら俺の幼馴染の一人、遠山キンジだ。

 

 

「おはよう、キンジ。どうしたの顔色悪いよ?」

 

「ん? ああ、士織か。いや、気にすんな。…ちょっと、な」

 

 

うーん。この疲れよう……あ。

 

 

「もしかして、なったか?」

 

 

俺は周りに聞こえないように小声で話しかける。

 

 

「あぁー…まぁ、うん。そんなところだ」

 

 

キンジも小声で答えてくれた。ああ、やっぱりそうなんだね。

 

 

「詳しくは聞かないけれど、その、大丈夫だったか? 怪我してない? してるなら治すよ?」

 

 

「いや、大丈夫だ……と言いたいとこだが、怪我してないが身体が久しぶりの反動でだるくてな。また、治してくれるか?」

 

 

「うん、任せて! それぐらいはお安いご用さ」

 

 

俺はキンジの体質を知っている。いや、正確にはキンジのご先祖さま、つまり遠山一家の体質を知っているのだ。家とは昔から交流していたからね。まぁ、その体質についてはまた後日だね。

 

ちなみにキンジは余程疲れていたのか机に座ると同時にだらーんと突っ伏した。

 

 

「よう、キンジ!また同じクラスだな」

 

 

「おはよう、キンジ! あなたも相変わらず幸薄い顔をしてるわね!」

 

 

「おはよう、武藤に恭子。あと幸薄いはよけいだ」

 

 

キンジは疲れた声を出しながらも律儀に挨拶とツッコミを返す。人が疲れてる?ふん、そんなのお構い無し! な2人はキンジにそのまま絡む。

 

 

「どうしたんだ? まさか女の子に振られたか!?」 

 

 

「なに?それともユキちゃんに押しかけられたとか?」

 

 

「なんだと!?白雪さんに押しかけられただと! 許せまじキンジ!!」

 

 

「武藤、恭子…今の俺に女の話題は振るな……あと、恭子。お前は余計なことを喋るな」

 

 

はぁ…、とすごく重たいため息が口から出ているキンジ。今朝は余程大変な目にあったようだ。あとで身体だけじゃなく、心のケアもしとかないとな

 

 

「恋愛相談なら、いつでも乗ってやるからな!!」

 

 

急に武藤がおかしな事を言い出した。……彼女いない歴=年齢の君がか?

 

 

「あっはははは! 彼女いない歴=年齢のあの武藤が恋愛相談!? プククク、冗談はその顔だけにしてよ! 私を笑い殺す気なの?」

 

 

「武藤君の恋愛相談って意味ないと思うんだよね。」

 

 

「お前ら!!あとで絶対轢いてやるからな!!」

 

 

しばらくワーワー騒いでいたらホームルームの時間になったのか先生がきた。

 

 

「はいはい、皆さん席に着いてくださーい」

 

 

ほんわかな雰囲気で教室に入ってきたのは、俺が三学期の時に一時期いた探偵科の主任をしている高天原ゆとり先生だ。

 

 

常に笑顔で穏やかな性格で気が弱いのだが、彼女が教卓に立つと生徒は早足に自分の席に戻った。ちなみにこの先生はこの見た目だが頭を撃たれて戦えない体になる前は、『血濡れのゆとり(ブラッディー・ユトリ)』と呼ばれていた傭兵として有名な人だ。あと、強襲科(アサルト)の担当である蘭豹先生と尋問科(タギュラ)担当の綴先生の三人でルームシェアをしていて、過去の先輩の話だがとある強襲科(アサルト)のお馬鹿な生徒がゆとり先生に調子に乗って脅していると、この2人がきてその生徒は文字通り血祭り(物理)にされ、肉体的精神的にもやられたそうだ。そのあとのその生徒は知らないらしい。詳しい事は先生に聞けと言われたが聞けるわけがない。ゆとり先生ならともかく、残る2人は母様とは別のベクトルで危険だからな!

 

まあ…あの2人とルームシェアをしていて傷1つおってないのを見ると、やっぱりこの人も只者じゃないんだろうけど。

 

 

「このクラスの担任となりました高天原ゆとりです。一年間よろしくお願いしますね」

 

 

先生がそう自己紹介すると拍手が巻き起こる。そのあと、先生の内務的な話とあと転入生の話が出た。

ただ、転入生のワードでキンジがビクッとなった理由が気になる。……もしかしてもしかすると。その転入生と今朝なにかあったか?

 

 

「うふふ。じゃあまずは去年の3学期に転入してきたカーワイイ女の子から自己紹介してもらっちゃいますよー」

 

 

そういいながら先生が扉を開ける。

 

 

「神崎・H・アリアちゃんでーす!」

 

 

先生に言われて入ってきた生徒は、ピンク色の髪で、緋色の双眸をもつ、小学生くらいの身長の女の子だった。高校生なのに背が小さいなんて苦労してるんだね。

 

 

「神崎・H・アリア。」

 

 

神崎アリアはそう言いぐるりと辺りを見渡す。

 

 

「先生」

 

 

「はい。何かな〜?」

 

アリアはキンジに向かって指を指した。キンジ、本当に何したの? なんか彼女から、若干殺気がでてるぞ?

 

 

「あいつの席の隣に座りたい。」

 

 

アリアがそう言った瞬間、クラス中が大声を上げてキンジを見る。

 

 

「よ、よかったなキンジ、なんか知らんがお前にも春がきたみたいだぞ。 先生、俺喜んで席かわりますよ」

 

 

そう言いキンジの隣の席だった武藤がいそいそと立ち上がり、空いている席に座る。

 

 

「これ、借りてたから返すわ。」

 

 

アリアがキンジの隣の席に座る前に、ベルトをキンジに投げ返していた。それを見た瞬間に、一人の女子学生が立ち上がった。

 

 

「理子分かっちゃった分かっちゃったよ!!これはフラグが立たさっているね!!」

 

 

今立ち上がった子の名は峰理子。髪は金髪、探偵科のAランクで、周りいわくロリ巨乳だそう。どうでもいいけど、背が小さいのを気にしている人もいるからあんまりそんなこと言っちゃダメだぞ?お兄さんとの約束だ!

 

 

「キー君ベルトしてない! そして、ベルトをツインテールさんが持ってた! これ謎でしょ! 謎でしょ! でも理子には推理で来た! できちゃった!」

 

 

大体アリアと同じくらいの小柄のこの子は探偵科、つまりインケスタで№1のおばかさんです。実際はおバカを通り越して賢いんだけど、普段は猫かぶりしている。本当の彼女はとある高名な一族の孫娘なんだけれども……まぁ、今はこんな話はいいか。

 

あと、可愛いものが大好きで、特に服とかに拘りをもっている。いま着ている制服もゴスロリ?風に改造しているそうだ(本人談)

 

 

ちなみにキー君はこの子つけたあだ名。理子ちゃんはあだ名を付けるのが好きな子だ。ちなみに僕のあだ名は『しーたん』。恭子姉さんのあだ名は『キョウちゃん』だ。キョウちゃんのキョウがアクセントのポイントらしい。……どういう事なのだろう?

 

 

「キー君は彼女の前でベルトを取る何らかの行為をした! そして、彼女の部屋にベルトを忘れてきた。つまり彼女とキーくんは恋愛の真っ最中なんだよ!」

 

 

……そんなの誰が信じて

 

 

「き、キンジがこんな可愛い子といつのまに」「影の薄い奴だと思ってたのに」 「そんなの不潔だわ」 「そ、そんな……キンジ×不知火の図がぁ」

 

 

……ああ、忘れてた。

 

ここは武偵高なんだから、彼らにとってこんな面白そうな物が転がりこんできたらこうなるわな。それより恭子姉さんはなに地面に両手両膝ついて落ち込んでるの?

 

 

 

「お、お前らなぁ」

 

 

 

キンジが頭を抱えて机に突っ伏した瞬間

 

 

 

 

 

ずぎゅぎゅん!

 

 

 

 

 

鳴り響いた2発の銃声が教室に響きみんなぴたりと止まる。

 

真っ赤になったアリアが銃を撃ったのだ。

 

 

「れ、恋愛なんてくだらない!」

 

 

彼女はキッとした目で銃を構える

 

 

「全員覚えておきなさい! そんな馬鹿なこと言う奴には……」

 

 

 

彼女はすぅぅと息を吸い込み叫んだ。

 

 

「風穴あけるわよ!」

 

 


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