Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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今回は少し休みを入れて、遊佐メイン回にしてみました!

遊佐ファンの方、必見です!


番外編
遊佐の戦線報告書


 ……どうもこんにちは。戦線のオペレーターをしています、遊佐です。第六話で少しだけ出ましたね。

 

 この企画は、私の出番が異常に少なく、コレはいかんと思った作者が尺稼ぎがてら立ち上げたものなのですが……

 

 ……まぁ実際のところ、作者がテスト中に極限の状態で考えついた企画らしいのです。原作でもやってますしね。

 

 ともあれ、こうして仕事を任された以上、やるしかないようですね……

 

 …………せーの、

 

「名づけて、『遊佐の戦線報告書』。始まります」

 

 

 今回調査するのは最近入隊してきた教師、坂田銀時先生です。

 

 彼はこの世界史上おそらく初、先生としてこの世界に来た人間で、過去に何があったのか・好きな食べ物は何か・好きな女性のタイ……

 

戦線活動がない時はどうしてるかなどが全くわからない謎の人物。

 

 戦闘力は戦線最強の椎名さんや我らが宿敵の天使以上といわれ、これからの戦闘の鍵になることは間違いないでしょう。

 

 そんな彼の一日を盗撮じゃなかった観察してみましょう。

 

 ……少しだけ、楽しみです。

 

―AM6:00 起床―

 

 ……意外と早起きなんですね。仕事は九時くらいから……というかまともに仕事なんかしないのに……

 

 起きてすぐトイレに入ってシャワー浴びて……意外と潔癖症なのでしょうか?

 

―AM6:46 朝食―

 

 朝食は……

 

 ……………………………………

 

 ……見なかったことにします。

 

―AM7:05 出勤準備―

 

 ――歯を磨いて、うがいをしてうがいをしてうがいをして――計二十七回。何を気にしてるんでしょう?

 

 ――二度目のシャワー。さっきも入ったのに……

 

 ――鏡の前に立って三十分……ほとんど髪型変わってないと思うのですが…… 

 

 ――いつもの白衣じゃない……何か振りかけてますね。なんでしょうか、香水?

 

―AM8:24 出勤―

 

 まさか準備に一時間以上かけるとは……

 

 先生はもっと大雑把な性格だと思っていたのですが……意外なくらい几帳面です……

 

 

 ……? どうしてそんなに靴箱に張り付いて……?

 

―AM9:00 授業準備―

 

 ……ここでも鏡見てる……

 

 引き出し何回も出したり引いたり……どうしたんでしょうか?

 

―AM9:15 授業開始―

 

銀時『うーい君たちおはようさん。早速教科書の54――』

 

『ねぇ、今日の坂田先生変じゃない?』

 

『そうだよな。いつもの白衣じゃないし……なんか変な香水のニオイする。これ絶対……』

 

銀時『おーいそっちうるせーぞ。一体どうしたっての?』

 

『いや先生今日なんかいつもと違うなーなんて……』

 

銀時『へ? いつもと違う? 何ごめん意味わかんない俺はこの世に生まれ出でた時からこの姿形をしているんだぜ?』

 

『いやだっていつもの白衣じゃないし』

 

銀時『白衣なんて着てなかっただろーが俺は!!! ナニ? ナニが言いたいの君は? 俺がなんかそんなもん意識してるとでも?』

 

『いや意識ってか』

 

銀時『そうさ銀さんはいつもこんな感じだよ? お前こそ何なの? さりげに意識してんじゃねーよオメーなんかのに誰もくれねーよ!!』

 

 ……? 一体何のこと……

 

 あ。そういえば今日って――

 

 

 ……すみません急用を思い出しました。しばらくしたら戻ります。

 

 

「……ちっ。あのガキどもめ……」

 

 俺はイライラしながら職員室に向かう……っと、いかんいかん。

 

「……はー。今日も生徒たちは元気だなー! カンシンカンシン!」

 

 …………なにやってんだろう、俺。

 

「あの、先生」

 

 ……ん? 誰だ? 声のしたほうに振り向く――と、

 

「……あ? お前、その制服――」

 

 その女子生徒がつけてる制服は俺が無理やり所属させられた『死んだ世界戦線』の連中と同じやつだった。

 

「……戦線のヤツか」

 

遊佐「遊佐、といいます。」

 

 女子生徒はとても長い――立華とタメはるんじゃねぇかってくらいの長髪を両サイドでくくってツインテにしていた……

 

「……んで何だ? 何かまた変なことでもおっぱじめようってか? 好きだねぇーホント」

 

遊佐「いえ……そんなつもりじゃないのですが……コレ」

 

 遊佐――そう名乗った生徒は俺に一つの小さな箱を差し出してきた。

 

遊佐「先生は、今日が何月何日かご存知ですか?」

 

「……は!? え!? し、知らないなぁーそんなの。今日が何だってのよ?」

 

 !? 遂に来た!? 待ちに待った今日、この日の――

 

遊佐「……今日は、二月十四日。バレンタインです」

 

 ――最高の、イベント!!

 

 っしゃやったぜ坂田銀時!! 無駄に早起きした甲斐があったってもんよ!

 

 ってうおおい落ち着け。はしゃいでるの悟られたらかっこつかねぇ恥ずかしい。ここは興味のないそぶりを……

 

「あ? え? バレンタイン? いやーすっかり忘れてたわ興味なくてー。……で? 何それ? くれんの?」

 

遊佐「はい、そのつもりです」

 

 っしゃキタァァァァァァァァ!!! 見たか新八! 俺はホントはモテるんだよフィーバーなんだよ!!

 

 俺はチョコの入った箱を受け取る。

 

「……開けてもいいか?」

 

遊佐「はい。どうぞ……」

 

 俺はゆっくりとその箱を開ける――一体どんなチョコが……

 

 

 ……ん? 何だこの紙きれ。

 

 

紙『チョコ』

 

「おいてめぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 てめぇ俺の純真おちょくって楽しいかコノヤロォォォォォ!! おい! こっち向けこの! 

 

遊佐「……………………」

 

 肩震わせてそっぽ向いてやがる……何コレ? 泣いていい?

 

 

遊佐「……失礼、しました……こっちが本物でプフッ」

 

 …………………………

 

遊佐「すみません。既製品ではいろいろ欠けるものがあるかと思いまして。謝りますから顔上げてください」

 

 …………

 

 俺は今度こそ遊佐とやらからチョコを受け取る。

 

遊佐「こっちが本物です。折角なので手作りにしたかったのですが……いろいろ忙しかったもので」

 

 …………確かに、コレ購買で見たことあるやつだが……

 

 ――いつも高くて手が出せない高級チョコ……

 

「……おいいいのかよこんなたっけぇもんもらって」

 

遊佐「女の子からのチョコは素直に受け取るものですよ」

 

「…………そんなもんかね」

 

遊佐「そんなもんです。それでは」

 

 遊佐は踵を返し去っていこうとする。

 

「おいちょっと待て」

 

遊佐「……?」

 

「来月まで憶えてるか不安だからよ……今でお返しさせてくれや」

 

★―学園大食堂 内―

 

 あれ……どうしてこんなことになってるんでしょう……?

 

銀時「ほれ、好きなもん食え」

 

 ………………

 

銀時「おいオバチャン肉うどん一つ! 宇治銀時スペシャルで」

 

『おやアンタ女の子つれてんのにあんなもん食ったら引かれちゃうよ? 普通のにしなさいな』

 

銀時「うるせーババァ。さっさと頼むわ」

 

『はいはい、どうなっても知らないよ』

 

「……あの、これは」

 

銀時「だーかーらー!」

 

 先生はあきれたように言葉を紡ぐ。

 

銀時「チョコのお礼だっての! さっさと好きなもん食べやがれ」

 

「いえ、でもそんな」

 

銀時「はい! この中で何が好き!?」

 

 メニューを私に広げて見せてくる。……

 

「……オムライス」

 

銀時「うし。おいババァ! オムライス追加で!!」

 

 

 

「……わ」

 

 私の元に届いたオムライスには、『頑張れ女の子!!』とケチャップに書かれていた。

 

銀時「んあ? なんて書いてあんだ?」

 

「……なんでもありません……」

 

 すぐにケチャップを崩して読めないようにする……

 

銀時「うっお、うまそー」 

 

 ……頑張って、みようかな。

 

「……あの、先生の好きな食べ物はなんですか?」

 

銀時「あぁ? 何だよ藪から棒に。合コンでもあるまいし」

 

「少し気になったもので」

 

銀時「ふーん……そうさなぁ……好きなもの、ね……」

 

 先生の答えを少し待つ。

 

銀時「……甘いもん、かな」

 

「え……?」 

 

 全く見当違いな答えが返ってきた。てっきり今食べてるものかと……

 

「あの……だからそんなによくわからないもの食べてるんですか?」

 

銀時「よくわからないじゃねぇ。宇治銀時スペシャルだ。食う?」

 

「いいえ、やめときます……あの」

 

銀時「ふぁ?(あ?) ふぉんどぁふぁふぃ?(今度は何?)

 

 本当においしそうにうどんに小豆をのせたものを食べている。

 

「あの、先生は……どこに住んでたんですか? 元の世界の」

 

銀時「どこって言われても……」

 

 私は少し冷めてしまったオムライスを一口、口に運ぶ――

 

銀時「江戸、だけど?」

 

 オムライスこぼしそうになった。

 

「……先生、江戸時代の生まれですか?」

 

銀時「は? 江戸時代……ってのが少しわからねぇが。まぁ江戸の歌舞伎町に住んでた」

 

 ……びっくりした……

 

「……あの、どんな風でした? 江戸は」

 

銀時「あ? どんな風って……あー……まずはだな? 宇宙から天人(あまんと)っつー宇宙人がやってきて――」

 

 

 ――私は男の人が恐い。過去にそう思い知らされた。だけど……

 

 ……楽しい。

 

 この人と話してるの、とても楽しい。

 

 

「……先生」

 

 すっかり空になってしまった皿にスプーンを乗せる。

 

銀時「あ?」

 

「先生は……好きな人とかいましたか?」

 

 ずっと――一緒にいたい。

 

銀時「……結野(けつの)アナ」

 

 ……?

 

「……あの、下ネタじゃなくて」

 

銀時「いやいやホントにいたんだって! お天気キャスターやってる、結野クリステルアナウンサーって人!」

 

 お天気キャスター……

 

「……あの、もっと身近な人には……?」

 

銀時「あ? バッカそんなのいるわきゃねぇだろ。俺の周りにはロクな女がいねぇからな」

 

「……そうですか……」

 

 ……そうなんだ……

 

銀時「デザートでも食うか?」

 

「いいえ。結構です……先生」

 

銀時「あ?」

 

「また……こんな風に一緒にごはん食べてくれるかな?」

 

 先生は一つ笑いをこぼして、

 

銀時「よきかなー!」

 

 そう叫んだ。

 

「……そこは『いいともー!』じゃないんですか?」

 

銀時「いやいや。『笑ってよきかな』見てねーの?」

 

 

 報告――坂田銀時は……

 

 ……とっても不器用でやさしい、私たち戦線の――教師でした。

 

★―作戦本部―そのころのゆりっぺ

 

ゆり「……あの、せ、先生! こっ……これ、ち、ちちちちゅょ……ああああああ言えないわよこんなこっぱずかしいこと!!!」

 

ゆり「うええ……自分の性格が憎いわ……」

 

 

おしまい




やっと出番がありました遊佐さんです。

遊佐の気持ちに先生が気付く日はくるのでしょうか?

頑張れ遊佐!
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