Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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第六訓

★―体育館―

 

 ――いい? 今回は最小限の人数で作戦を行う。作戦決行は本日、19:00。

 

 ――オペレーション、スタート!

 

遊佐(……少ない)

 

「……特等席だぜ」 

 

 私は愛用のギターを舞台の袖に置く。ライヴの時はいつもそうしてきた。

 

「時間だ……さぁ、」

 

「派手にやろうぜ!!」

 

 

 えーっと……これは……

 

日向「……開いた」

 

ゆり「よし……突入」

 

 いやちょっと待てお前ら……

 

 そんな心の叫びを無視して野郎どもは扉を開きそこに足を踏み入れる。

 

野田「――クリア」

 

日向「クリア」

 

ゆり「……よし、まずは侵入成功ね」

 

「……は?」

 

ゆり「天使エリアへ侵入……ドア閉めなさいよバカ! 竹山くんはコンピュータの方よろしく」

 

竹山「クライストとお呼びください」

 

「おい、てめーら、これって……」

 

 俺はその部屋の電気をつける。

 

 そこには、女子寮の部屋と思しき部屋が広がっていた。そりゃそうだよ。だってここ――

 

「ただの女子寮だろうがァァァァァァァァァ!! 何だ天使エリアって! 『たちばなかなで』っておもくそドアに書いてあったぞ!!」

 

野田「貴様何をする……!」

 

松下「女子寮だぞ! 電気を消せ!」

 

 松下が電気を消す。

 

「前々から思ってたがなぁ松下!! お前本当にロリコンだったのか!?」

 

松下「なっ……! 確かに天使ちゃ……天使はカワイイとは思うが、それは何というか」

 

「今天使ちゃんって言おうとしただろ!? ほれやっぱりロリコンじゃねーか!!」

 

松下「違う! 俺は決してロリではない!!!!!!」

 

 そんな俺を無視して仲村とタケイストは作業を続行している。マジ今度停学にすっかんなお前ら!!

 

竹山「……パスワード、ですか」

 

ゆり「前は誰にもわからなかったの」

 

竹山「なるほど……ボクの力の見せ所だ。解析に入ります」

 

 オイオイやべぇんじゃねぇの一応犯罪だよコレ!!

 

野田「ほう、一応使えるみたいだな」

 

「だーかーらーやめろって言ってううぇぇぇい!?」

 

松下「すこし拘束させてもらう」

 

野田「それ以上喋るようなら、喉元掻っ切るぞ」

 

「ふざけん……なっ!!」

 

松下・野田「なっ……!?」

 

 俺は松下の拘束を抜けだし臨戦態勢に入る。

 

「へっ! ガキ共に押さえられる俺じゃ――」

 

竹山「3.14159265358979323846264338327950288419716939937510582」

 

「うごろうアアアアアアァァァァァァァァァァァ!!!」

 

野田「うへーうへへへへへへへへへへへ……バカも天才も同じ類人猿なんじゃーい!!」

 

日向「すまん野田……銀さんを拘束するためだ耐えてくれ……!!」

 

 

「――――!!」

 

『うおおおおおおおおおおお!!』

 

『いえーい!! スゴーイ!!』

 

 ――どうして。

 

 ――もっと集まってくれ!

 

岩沢「――♪」

 

ひさ子(Alchemy!? こんな序盤で!?)

 

『オォォォォオオォォォオォォォォ!!』

 

ユイ「いいぞー!!」

 

岩沢「――無限に生きたい。無限に生きられたら、すべて叶う――」

 

『Alchemyよ!!』

 

岩沢「でもいろんなものが、あたしを追い込んでく――」

 

 

 

『お前たち!! 何してる!? おとなしく部屋に戻れ!!』

 

『やだよ!! ぜってーみてぇもん!!』

 

『おまえらこそ帰れ!!』

 

『そーだそーだ!!!!』

 

 ……来やがった!!

 

 ――みんな、もっと盛り上がってくれ!

 

 ――いや、そうさせるのは誰でもない。

 

 私たちの力なんだ!!

 

 

遊佐「――天使、出現しました」

 

 

「了解。……竹山くん」

 

竹山「今、パスワードを高速で割り出すプログラムを走らせてます。すぐ終わります。あ、あとボクのことはクライストとお呼びください」

 

竹山「…………入りました!」

 

「よくやったわ竹山くん! 全てのデータを写して!」

 

竹山「時間がかかりすぎます! 一時間は必要です。あと、ボクのことはクライスとおおおおおおおおおお」

 

日向「ハードディスクごと引っこ抜くか!?」

 

「バレるじゃない!」

 

日向「どうする……!?」

 

「とにかく怪しいデータを見せて竹山くん!!」

 

竹山「クライストです……っ!」

 

 竹山くんが一つのファイルを開く。

 

日向「学生リスト……?」

 

「NPC……いや、私たちも混ざってるか」

 

 ……………………

 

遊佐『陽動班、取り押さえられました。天使が戻ります』

 

「ちっ……ここまでね」

 

日向「今回も得るものなし、か」

 

「……退散するわよ。先生と野田くんは?」

 

銀時「ふへへ……円周率がいち、円周率がに、円周率が……」

 

野田「あべへ……類人猿は天才の第一歩なのだよげふぇふぇ……」

 

松下「もう手遅れだ……狂ってしまっている」

 

「ったく、しょうがないわね……」

 

 私は既に廃人と化した二人の前に立ち一言。

 

「二人ともー! 起きないと、おでこにキスしちゃうぞ~?」

 

野田「ゆゆゆゆりっぺの寝起きチューだとぉぉぉぉぉぉぉぉ!! ってうおああああああ!! 何で起きてしまったんだオレェェェェェェェ!!!!!!」

 

日向「流石ゆりっぺあざとい!」

 

松下「だが……」

 

銀時「うへへ……円周率が3、円周率が3.1、円周率が3.14……うああああああああ!! π=3.141592653589793238462643383279502884197169399ァァァァァァァァ!!!!!」

 

日向「もう元にもどらねぇんじゃねぇのコレ……」

 

「…………あなたたちは先に行ってて」

 

日向「や、でもよゆりっ」

 

「文句あるの?」

 

日向「ありません!!」

 

 日向くんたちを外に出す。ドアが完全に閉まったことも確認した。

 

 ……え? やるの? これ?

 

 き、キスよ!? 相手はこんなオッサンよ!?

 

 や、でもやるっていっちゃったし……そ、そもそもおでこだし!!

 

 大丈夫よ! セーフよね? ……多分。

 

 目を閉じ、少しづつ自分の唇を彼の額に近づけていく。

 

 もう少し……くっそ、何でこんなにドキドキするのよ!

 

 あと、数センチ――

 

銀時「へへへ。え、円周率!? ウギャァァァァァァァァァァァ!! こっちに来るなァァァァァァァァ!! ……あ?」

 

 …………………………

 

銀時「え? あの、ゆりさん? コレは一体……」

 

「悪かったわね……」

 

銀時「へ?」

 

「死ぬぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

銀時「ちょ、仲村落ち着ぐげごががががががががががががががああああああ!!」

 

 こんの――バカ!!

 

 

『くっそ! フザけんなよ!!』

 

『やめてあげて!!』

 

『俺たちのためなんだよ! 離してやってくれよ!』

 

『彼女たちの音楽が支えになってるの! お願い!』

 

『今までは大目に見てやってただけだ。図に乗るな!!』

 

 …………っ。 ――――!!

 

銀時「ったく……何なんだ大体誰のせいで……」

 

『あぁ銀時先生、来てくれましたか』

 

ひさ子「っ! おい先生! 何とかしてくれよコレ!」

 

銀時「あぁ? 何言ってんの?」

 

関根「……!?」

 

銀時「散々やりたい放題やって、最後に大人に頼るのは感心しないぜ?」

 

ひさ子「…………っでも! アンタだってこの戦線のメンバーだろ!?」

 

銀時「だから言っただろーが……俺は先生だ。こんなことするなら、自分たちで何とかできるようになってからやれ」

 

ひさ子「!! …………アンタ、最悪だな」

 

銀時「なんとでも言えよ。ところで安西先生? こいつら一体何したんですか?」

 

『いや安西じゃないのですが……それがですね? こいつら体育館勝手に占拠して、わざわざ宣伝までしてライヴやってたんですよ!』

 

銀時「……あ? すみませんどうも話が食い違ってるようで」

 

『え?』

 

 ………………?

 

銀時「いやこいつらね? 体育館で練習してただけなんですよ。体育館の使用許可は俺が出しました」

 

『は!? そんなの聞いてないですよ!?』

 

銀時「いやだって言ってませんもん。忘れてたもので」

 

『忘れてたって……』

 

銀時「こいつらが『たまには体育館で練習したいですぅ! 先生、おねがぁーい……』とか何とか言うもんで許可出したんですがね? 練習してると一般生徒どもが勝手に集まりだしたようで」

 

『……っじゃあ! あの昼の宣伝活動はどうなんですか!? 校内のあちこちにチラシが張られていた!』

 

銀時「そうそれ! どうもソイツのせいで一般生徒集まっちゃったみたいで……あ! アイツです。あのピンクい頭したアホっぽい女子生徒」

 

 

ユイ「?」

 

 

『……都合良過ぎじゃないですかね』

 

銀時「そんなことないですよ。な! お前ら! 色仕掛けで俺をたぶらかして体育館の使用許可ぶんどったもんなお前らな!」

 

ひさ子「なっ……!!」

 

入江「い、色仕掛けって……」

 

関根「あははー……先生言うねー」

 

 …………この先生――やっぱり、

 

「……はい」

 

 おもしろい。

 

 

ひさ子「い、岩沢!?」

 

岩沢「何だよひさ子だってむっちゃ迫ってたじゃないか」

 

ひさ子「うぇ!? そ、それは……」

 

 俺はポニーのねぇちゃんに向かって笑いかける。

 

 どうする? 一生ギター弾けなくなるか色仕掛けの変態生徒になるか!

 

ひさ子「あーもう…………やったよ! やりました!」

 

関根「あ、じゃあ私もー」

 

入江「せせせ関根っち!?」

 

『お前はどうなんだ! やったのか!?』 

 

入江「ひっ……や、やりました……」

 

「ほーら言ったでしょ?」

 

『っ……こいつらが話を合わせてるだけかもしれない!!』

 

「……わーりましたよ……」

 

 俺は舞台のマイクに向かって声を張る。

 

《オイてめーらぁぁぁぁぁぁ!! 今てめーらの愛すべきガルデモが無実の罪で拘束されている! 一つ聞くぞ? 今日、体育館で練習って聞いてここに覗きに来たヤツ手ェ挙げろ!!》

 

 その声を聞き、一瞬体育館が静かになる……

 

『……はい』

 

『はい』

 

『はーい』

 

『はい!』

 

 

『『『はい!!!!!!』』』

 

「……だそうですよ。どうなんですか? センセイ?」

 

『……離してやってください』

 

 その声で拘束されてたメンバーは自由になる。

 

『……ただし、教師に対する不順な交渉は指導に値する! 覚悟しておくんだな……』

 

「ま、がんばれよー」

 

『坂田先生、あなたもです』

 

「え、マジ?」

 

岩沢「――先生」

 

「あ? 何?」

 

『…………何だ』

 

岩沢「その……最後に一曲、いいですか?」

 

 コイツ……俺が折角庇ってやってるのに!

 

「はぁ……勝手にしろ」

 

『先生!!』

 

「どのみちここまで大きな騒ぎになっちゃ大して変わりませんよ。満足いくまでやらしたら次からやらないかも知れないですよ?」

 

『ぐ……一曲だけだ!!』

 

岩沢「ありがとうございます……ひさ子、入江、関根。あと……先生。お前らにも聴いておいてほしい」

 

「おいお前いい加減に先生への口の利き方を改めろ」

 

 

 

岩沢「……最後に、一曲。」

 

 

 ―My song―

 

 

 

 

 

 ――なぁ、先生――

 

「何だよ」

 

 ――あの時は言えなかったけどさ、あんたの、あの言葉。……結構救われた――

 

「……そうかい。せいぜいミジンコになっても元気でな」

 

 ――ははっ、最後まで面白い先生だな――

 

 

 

 ――ありがとう――

 

 

ひさ子「……岩、沢……?」

 

 

日向「わかったことをまとめてくれ。ゆりっぺ」

 

「……天使は自分の能力を、自分で開発してた……それは悔しくも、私たちが武器を作る方法と同じだったのよ」

 

大山「それって……どういうこと?」

 

「……確信がないの。今は、まだ言えない……」

 

藤巻「……何でだよ。みずくせぇぜゆりっぺ!」

 

 ――私たちと同じ方法をとる必要があるということ。

 

 そこから導き出されるのは、最悪の設定だ――

 

 ……どこにも神なんていやしない……?

 

 どうして天使なら神から力を授からない?

 

 どうして自作などする必要がある?

 

高松「……では、もう一つの案件です」

 

 …………

 

高松「岩沢さんは、何処に消されてしまったのか……?」

 

野田「天使に消されたんじゃないのか?」

 

日向「ライヴ中だぞ!? いくらなんでも……」

 

野田「じゃあ何がおきたってんだ」

 

大山「誰が一体……岩沢さんを……」

 

「……誰も。」

 

「あの子が納得しちゃった――それだけの話よ」

 

 

銀時「ごっめーん遅れちゃったー待った? みんナブグァ!!」

 

「ふん……」

 

日向「おい野田ぁー。ギルドの時からおかしいと思ったがゆりっぺのヤツまさか……」

 

野田「ん? 何だ? まさか……ゆりっぺが俺のことを好きになってくれたのか!?」

 

日向「いや、ちょ違」

 

野田「そうだそうに違いない! ゆりっぷゲバッハァァァァァァァアァァァァァァァァ!!」 

 

 

 




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