Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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夏休みでダラけて更新送れちゃいました第十訓です!

今回も三話構成になりました……


EPISODE.5 Favorite Flavor
第十訓


 

ゆり「ついに……来るべき時が来た、か」

 

 おい早速中二発言してんじゃねぇよ恥ずかしいだろが。

 

 不本意だが俺の所属している戦線のリーダー、仲村ゆりはいつものメンツの前に立ち、呟いた。 

 

「何ですか? お菓子パーチーでもしようってのかズリィ俺も呼べやコラ」

 

ゆり「そんなのだったらどれだけ良かったか……」

 

 憂いをおびた表情で、今までの人生を振り返るようなそぶりをする。

 

ゆり「――天使の猛攻が始まる……!」

 

 !! 天使の、猛攻って……

 

 一気に全身に力がめぐる。どうやら一大事なようだ。

 

「……へぇ、何だよ? 遂にやっこさん俺らをつぶしにかかろうってか?」

 

ゆり「そんなんじゃないわ」

 

 じゃあ、何だって――

 

ゆり「……テストが近いのよ」

 

 !!!!! な……テ、テストが近いって……!!!

 

 それは……つまり………………――――

 

「――ただテスト面倒なだけじゃねーかァァァァァァ!! お前らテストくらい真面目に受けろよ!!」

 

 変な期待させやがってクソが! 一気に力抜けたわ!!

 

ゆり「ばっかあなた何言ってるの!? まともに受けたら消えちゃうから困ってんじゃない!! これは立派な一大事よ!!」

 

 いやそうは言ってもな……

 

高松「この時期天使は、私たちにテストを受けさせいい点を取るように仕向けてきます。……その攻撃に負けて何人の同士が帰らぬ人となったか……くっ!」

 

 おいおいこんなにまぬけな話なのに何でこんなに重いんだよ!

 

ゆり「けどこのテスト期間……逆に天使を落とし入れる大きなチャンスとなりえるかもしれない!」

 

藤巻「何かいいことを思いついたみてぇだなゆりっぺ。聞かせてもらうぜ……」

 

ゆり「……天使のテストの邪魔を徹底的に行い、赤点を取らせまくる。そして、校内順位最下位に突き落とす」

 

「……おいおいえらく陰湿な手を使うもんだなリーダー様よ」

 

大山「それが何になるの?」

 

ゆり「名誉の失墜――生徒会長として彼女は威厳を保っていられるかしら?」

 

 そこで仲村は意地の悪い笑みを浮かべた。

 

野田「それで天使が弱くなると?」

 

ゆり「少なくとも教師や一般生徒の見る目が変わるわ。その行いには今までなかった変化が生じる……」

 

松下「例えば、どんな?」

 

ゆり「さぁ? そこまで私には読めない」

 

松下「じゃあ意味なんてないんじゃないのか?」

 

ゆり「そうね……けど、彼女がもし神の創造物である天使なんかじゃなく、その精神は鋼でないとしたら。私たちと同じ人の魂であるのなら。その名誉の失墜は彼女に精神的な打撃を与えることになる……」  

 

 ……………………

 

「テメーの背負う二つ名は……鋼。鋼の――錬金術師!」

 

日向「っ……いいねぇ、その重っ苦しい感じ。背負ってやろうじゃねーの!!」

 

ゆり「ってあなたたち全然喋らないと思ったら何ハガレン名シーンごっこやってんのよ! それに日向くんあなたにいたってはソレ今回の初台詞よいいの!?」

 

日向「いやなんかむつかしい話してるからさ、頭追いつかなくて」

 

ゆり「とことん馬鹿ね……野田くんでも聞けてるのに」

 

「あ、日向ソレ俺も俺もー!」

 

ゆり「あなたは聞く気がないだけでしょ殺されたいの?」

 

 うぇーやっぱバレてた?

 

ゆり「……まぁいいわ。まずは今回の作戦メンバーを決める。天使のクラスでテストを受けるための根回しはすでに完了しているわ」

 

 ホントこいつらの時々見せる異常な行動力何なの? 恐いんだが。

 

藤巻「じゃぁメンバー全員で固めちまったらいいんじゃねぇのかぁ?」

 

ゆり「『じゃねぇかぁ?』じゃないわよ! ミスは許されないんだから!!」

 

 そもそも作戦自体がミスだらけな気もするが……

 

ゆり「作戦が途中でバレたら私たちはすぐにも別の教室に移されて、天使に赤点を取らせる細工ができなくなるのよ?」

 

 元々それが普通だ。

 

野田「なるほど……なら俺はパスだ」

 

「おぉよくわかってんじゃねぇかアホのくせに」

 

日向「お前が成長してくれて俺は嬉しいよ、うん」

 

高松「まぁ妥当な判断でしょうね」

 

野田「お前ら全員狩られたいか?」

 

 やってみろコラ。

 

ゆり「まぁ野田くんは今回役に立たないとして……今回のメンバーは――」

 

野田「…………………………」

 

 おい野田そんな肩落とすなって笑えてくんだろーが。 

 

 息を吸い、今回のオペレーションのメンバーを発表する。

 

 俺いませんようにいませんようにいませんように!!

 

ゆり「――高松くん、日向くん、大山くん、竹山くんで行くわ」

 

 っしゃやったこれでダラダラでき

 

ゆり「あぁちなみに先生は言わなくてもわかってるわね? 頑張ってー!」

 

「期待さすなコノヤロォォォォ!!! 最近俺使いすぎだろいい加減疲れたわ!」

 

ゆり「いや先生という立場は今回のオペレーションでとても有利に働くだろうし……そもそもあなた一応ここでは主人公なのに出番減らされてもいいの?」

 

「精一杯頑張らせていただきます仲村様」

 

ゆり「よろしい。今回のメンバーは見た目が普通なヤツを選んだだけだから、選ばれなかったからって悲観しなくていいわ」

 

 いや喜ぶやつはいれど悲しむやつはいないと思うぞ? と言ったら殺されそうなので言わないでおく。

 

ゆり「うん。賢明な判断ね」

 

「人の心を読むなバカ」

 

ゆり「はいはい……じゃあ」

 

ゆり「オペレーション――スタート!!」

 

★―学習棟B棟 教室―

 

 黒板にはこの教室と同じ数の席が書いてある紙が張られた。それにはその席にあたる番号が振られている。

 

ゆり「テストの席はその日の朝、くじ引きで決定される。これで天使の近くの席でないと、細工は一気に困難になるわ」

 

 そこで俺らの視線は立華の席に集中する。

 

 黒板向かって一番右の列……前から二番目、か。

 

ゆり「いい? あの席の前を引き当てなさい」

 

 またサラリと無茶を……

 

日向「そんじゃま、俺から引かせてもらおうかなー」

 

 日向が教卓のくじを引きに行く。ちなみに立華の前の席の番号は……36か。

 

ゆり「まーアイツの事だし一つ前は無理か」

 

「少しは期待してやれよ同意見だが」

 

日向「20……ハズレたー」

 

 軽い感じで日向がこっちに戻ってくる。

 

ゆり「流石日向くん期待を裏切らないわね悪い意味で」

 

日向「うぇ!? 何だよ……何かテレるぜ」

 

 褒めてねぇ。

 

日向「……なんか気のせいか銀さんがつめたい気がする……」

 

高松「では、次はこの私が」

 

 次にヅラもどきがくじを引きに行く。

 

高松「11番……天使からは遠いです」

 

「じゃあ次、大山行ってこい」

 

大山「う、うん……」

 

 無駄に力の入った腕でくじを引く。そんなに緊張するのか、大変そうだな。

 

大山「33……あははー、全然ダメだー……あうう……」

 

 いやそんなに落ち込まんでも。

 

ゆり「次、あなた行きなさい」

 

「いや俺先生ですけど!?」

 

ゆり「え? ……あぁごめんなさい。なんとなく次はあなたが行くのかなって何か流れ的に」

 

 おい変なもん拾ってんじゃねぇよ馬鹿。

 

ゆり「じゃあ私か……何が出るかな♪」

 

 いやそんなくじ引き楽しまれても。

 

ゆり「……25、っと。オレも遠いな」

 

「だから変なもん拾うなってんだバカヤロウ!!」

 

ゆり「何よあなたができないから私が代わりにやっただけでしょーが!! 何か文句でも!?」

 

「大アリだわ!! そして何のことかわからない方は原作のアニメ第五話を四分十八秒あたりからチェックだ!!!」

 

ゆり「お前も大概じゃねーかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

高松「あの、席順はいいのですか?」

 

ゆり「ああああああああ!! そうよ席順!! 誰かいないの!? 横でも前でもいいから!!」

 

 てか席順一つでダメになる作戦って……

 

竹山「一つ前です」

 

 竹山がくじを掲げてそう言った。持ってるくじには36と書かれている。

 

 流石だぜ竹山! 心なしか眼鏡がキラーンってなってる気がするよ竹山!!

 

ゆり「よっしゃぁ!」

 

「同じ眼鏡なのにヅラとはえらい違いだな竹山よ! よくやった竹山!」

 

高松「ヅラじゃないのに……」

 

竹山「クライストって……」

 

日向「おぉっと銀さんの発言によって二人がしょぼくれちまった!」

 

ゆり「ま、それはいいとして……竹山くん!」

 

竹山「……何をすればいいんですか? それと僕のことはクライス」

 

ゆり「あなたは答案用紙が配られる際、二枚持っておきなさい! 一枚はもちろんあなたのね。それでもう一枚は答案を回収する時天使のものとすりかえる」

 

 うおお流石我らがリーダー、シカトとはメンタルにくることを簡単にやってくれる。

 

ゆり「そっちの答案用紙は白紙に……いや、白紙じゃ逆に不自然にとられるわね……うん。バカみたいな答えを並べておいて」

 

竹山「と、言われましても……」

 

「んなんどーでもいいだろーが。お前の持ってるそういうビデオの題名でも並べとけ」

 

竹山「物理のテストですよ!? というか、そんなもの一本も持ってません!」

 

「……お前のパソコンにいくつか隠しフォルダにパスワードがかかってるものがあったんだが?」

 

竹山「フン! 甘いですね、僕のセキュリティはそんなものでは……あ」

 

「……あーあ」

 

ゆり「……もうそれでいいから書いときなさい。あとしばらく私に話しかけないでねクズ」

 

クズ「せめて、せめて竹山と呼んでください……」

 

 つーか俺が言うのもなんだがそれ白紙よかよっぽどおっかないことにならない?

 

高松「では、回収の時はどうするのですか?」

 

ゆり「ふっ……日向くん!!」

 

日向「――これが人体練成を……カミサマとやらの領域を侵した、咎人の……」

 

ゆり「…………………………」

 

日向「…………………………すまん」

 

 何だお前、お前の中ではハガレンがきてるのか?

 

ゆり「…………答案を回収する時、タイミングを見計らって何かアクションを起こしなさい。全員がそっちに集中するように」

 

日向「んなムチャな……」

 

ゆり「さっきのやればいいじゃない」

 

日向「できるか!!」

 

「あんなノリノリだったやつが何を言うか」

 

ゆり「で、その瞬間を見計らって竹山くんが後ろの席の回収し終えた答案用紙から天使の用紙を引き抜き、偽者とすりかえる」

 

日向「そんな都合よくいくか……?」

 

ゆり「とにかく、こんなただ見た目が普通な()()だとは思わなかったけど、想定外のことが起きても、慌てずにみんなでフォローしあっていくのよ!」

 

 『だけ』に重みを感じる……

 

竹山「……あ、ちょっと待ってください。名前の欄には何て書けばいいんでしょう……?」

 

ゆり「………………あー! そういえば名前の欄何書いたらいいんだろう! 天使の名前ってなんだったっけ!?」

 

竹山「……………………」

 

 こっから竹山は空気かそうか分かったぜ!

 

「立華奏だろ? 『立』つに中華の『華』で音を『奏』でるって書いて」

 

ゆり「…………………………」

 

日向「…………………………」

 

大山「…………あ、あははは」

 

高松「…………………………」

 

竹山「…………………………」

 

「ん? 何だよテメーら?」

 

 

立華「…………なんか大切なフラグが壊された気がする…………」

 

 

第十一訓に続く――




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