Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

26 / 36
 やはりというべきでしょうか……更新数日遅れてしまいました。
でも今回は完全オリジナル回ですので、勘弁して下さい!

では第十八訓どうぞ!


第十八訓

 

天使「……何? こんなところに呼び出して」

 

 私と天使は一緒に、対天使用作戦本部――要するに校長室にいた。

 

 それについては全くまずいことなんて何もない。私が呼んだんだから。

 

「そうね、一言あなたに言いたいことがあって」

 

 そう、私は言いたいことがあって天使をここに呼んだ。

 

 天使が人間だと発覚した瞬間から抱いていた感情――

 

 天使を討つために用意したこの作戦本部で言うのも変な話だけど、

 

 それでも、これだけは言っておきたい。

 

「――ごめんなさい」

 

 そう言って私は天使に頭を下げた。頭を下げたまま続けた。

 

「私は……私には何も見えていなかった。神に敵対しようと、ただ無関係なあなたに迷惑ばかりかけていた」

 

「あなたが何度『天使じゃない』と言っても聞きもせずに、目の前の異能を『神』によるものだと決めつけてしまった。元々はあなたのガードスキルも、私たちのせいで作らせてしまったようなものなのにね」

 

天使「…………」

 

「今更謝ってすむような話じゃないけど、許してくれなんて言わないけど……一言謝りたかったの」

 

天使「…………」

 

 彼女は動かない。いつものように無表情に無機質に、頭を下げる私を見下ろしていた。

 

天使「……とりあえず、」

 

「……?」

 

天使「私の部屋でお茶を飲んで? 話はそれから」

 

 

 

「……は?」

 

天使「だから、お茶」

 

 天使は無表情に、無機質に、ただいつものようにボケた。え? この空気で?

 

 このモノローグですらシリアスに徹してる場面であるにも関わらずにこの娘どんだけ天然なの!? どうして今の話の流れからそこにいたるのよ!

 

「あの……何で?」

 

天使「だって――」

 

 天使はほんの少し不服そうに口をとがらせると、先の言葉を口にした。

 

天使「――前に部屋に来た時に飲んでくれなかったから」

 

「…………」

 

 前……

 

 そういえばあった。チャーと私が決闘して、勝った私が友好を深めるという名目で天使の部屋に来て秘密を探ろうとしていた時だ。何のことかわからない方はTrack ZEROまたはHeaven's Doorを全国の書店などでお買い求め下さい!

 

 っと、これ以上はステマ乙とか言われちゃうわね。確かにあったけど……

 

「……えと……いつの話をしてるのよ? 確かにそんなことあったけど――」

 

天使「来てくれないなら話は聞かない」

 

 そう言い天使は私に背を向けた。

 

「…………」

 

 透き通るような白い肌、川を流れ落ちる様な白銀の長い髪、何より後ろ姿のちっこい体。

 

 ――か、

 

「――かぁわぁいいいいいいいいいいいいいっ!!!!」

 

天使「!?」

 

「あぁびっくりして身をこわばらせる姿もたまんない! ち、ちょっと抱きしめていい?」

 

 この娘いつからこんなにかわいくなったのよ! 少し前までは私たちには悪魔に見えたのに頬膨らましてぷいってあざとすぎるわ! そりゃ天使ちゃんマジ天使なんて呼ばれるわよそりゃ人気投票でぶっちぎりの一位取るわよ誰も勝てないわよ!!

 

天使「…………」

 

 あ、天使引いてる……これはいけない。

 

 私は壊れてしまった空気をとりつくう意味で咳払いをすると、天使にこう言った。

 

「――わかったわよ」

 

天使「…………」

 

 それを聞いて、天使は返事のかわりに少し笑って見せた。うっわマジ天使……

 

「そのかわり、」

 

天使「?」

 

「あなたのこと、名前で……奏ちゃんって、呼んでいい?」

 

天使「……うん」

 

 

 

銀時「うんうん、仲良きことは美しきかなってね」

 

「いやあんた何でナチュラルに盗み聞きしてんのよ」

 

 

 

 

 

★

 

日向「おーいお前らー!」

 

「あん?」

 

藤巻「日向かよ? 何か用か?」

 

大山「日向くん、何?」

 

 ――それは、とても些細なことから始まった。

 

日向「いや、そこで誰の物かもわかんねぇメガネ拾っちまってさ? ここらへんは俺らしか近づかねぇしお前らのものかと思って」

 

野田「俺がそんなものつけるように見えるか?」

 

高松「だれもあなたには聞いてないと思いますよ。ちなみに僕の物でもありません」

 

 ――きっかけなんて無いに等しい。ほんの気まぐれだった。

 

日向「んだよてっきり高松あたりのものだと……しょーがねぇ、しばらく俺が持っておくか」

 

「おいおい日向さん今更キャラ立てに必死か? 今更テコ入れしても間に合わないよ? お前はいつまでたっても仲村の奴隷だよ?」

 

日向「うるせぇな! 持ち主が見つかるまで預かるって言ってるだけだろ!?」

 

 ――ただ、気まぐれに、

 

大山「でも丁度いいんじゃない? 日向くん前にメガネ欲しいって言ってたでしょ? 試しに掛けてみたら?」

 

日向「ん、そっか? んじゃちょいと……」

 

 ――突然、それはやってきた。

 

日向「ど、どうだ……?」

 

「おぉ……! すっげぇ似合ってるぜ、まるで元から一部だったかのようだ」

 

日向「う、うそだろ!? 銀さんからそんな言葉が聞けるなんて……」

 

「いやいや俺だって目の前の現実を否定することなんざできねぇよ。」

 

日向「? おい何を――」

 

「……ホントよく似合ってらぁ、いいメガネ掛け機に出会えてよかったなー日向くん」

 

 ――この時、彼がメガネを軽くつまみ、メガネに向かってこんな事さえ言わなければ、

 

日向「――イヤ日向くんこっちイイイィィィイイィィィィィィィィィ!!!!!!!!」

 

 ――こんなことには、ならなかったのだろうか。

 

 

 

日向「メガネ掛け機って何!? もしかしてあのメガネ掛けてあるヤツか!! そんなのと一緒の扱いなの僕!?」

 

「……いや日向の九五パーセントはメガネだ。それってもうこっちが日向じゃね? お前メガネ掛け機じゃね?」

 

日向「何でさっきつけたばっかりなのにそんなにメガネが日向占めてんだよ!! 僕ってそんなに影薄かったの!?」

 

「………………まさか……」

 

日向「――ん? あれ? 俺は一体何を……」

 

全員「「「……」」」

 

「……新八……?」

 

★

 

藤巻「……おい日向、さっきのやけにキレの良かったツッコミは何だ? ツッコミキャラ目指して特訓でもしてたのか?」

 

日向「……や、あんま覚えてねぇんだけど……」

 

「………………」

 

藤巻「……ん? 何だよ先生」

 

 俺は日向からメガネをぶんどり、藤巻に渡してこう言った。

 

「お前掛けろ」

 

藤巻「? いや、別に構わねぇけどよ……」

 

 藤巻がそのメガネを掛けたことを確認して俺は口を開き、こう言葉にした。

 

「おい童貞駄メガネ」

 

藤巻「童貞ナメんなぁぁああぁぁぁぁああぁぁあぁぁああ!!!! 童貞はな、三十まで貫くと魔法使いと呼ばれ人間という枠を超えた超越者になれるんだよ!!!!」

 

大山「うわ! 藤巻くんまるでさっきの日向くんみたいなツッコミだよ!」

 

野田「言ってることはまるで理解不能だがな」

 

 予想通りというべきか、藤巻は俺に掴みかかって激しいツッコミを浴びせてきた。

 

 ……うん、新八だ。

 

★

 

日向「……んじゃあ何か? そのメガネにはお前の生前の知り合いの魂が宿っていて、」

 

藤巻「ツッコミのキレが増したのは、その知り合いがツッコミの名人だったからと」

 

「……まぁ」

 

全員「「「へーそーなんだー! ……って信じられるか!!!」」」

 

 よほど衝撃的なのか、校長室にいるやつらが声をそろえてツッコんできやがった。

 

 いやまぁ、俺もまだ半分信じらんねぇんだけど……

 

高松「いいですか? この世界は死後の世界です。この世界に来るには死ぬしかないんです!」

 

松下「聞けばその知り合い、父親を早くに亡くして実家の道場の復興のために必死に働いてきたらしいではないか。ここに来ることもできないわけではないはずだが……」

 

 俺たちは再度、その知り合い……新八の魂が宿っているというメガネをそろって眺める。

 

 メガネにはさっきは感じられなかった、何か禍々しいものが感じられるように思えた。

 

 またメガネってあたりがそれっぽいものなぁ……

 

大山「そのメガネには、知り合いの意識とかはないのかな?」

 

藤巻「んなワケねぇだろ。日向がその知り合いのツッコミをした時にアイツはしっかりと僕って言ってたんだぜ?」

 

野田「アイツって誰だ?」

 

松下「それはやはり日向のこと……だろう?」

 

高松「わけがわからなくなってきましたね」

 

TK「絶望のCarnival……」

 

 連中が今の状況を整理しようと意見を交わす。だがこんな事態この戦線でも初めてだったようで、議論は進むどころか混乱してきている。

 

「……とりあえず、だ。少しまとめると……」

 

 俺は部屋の真ん中の机にみんなを集め、紙に今の状況を箇条書きしてみせる。

 

 

・このメガネには坂田銀時の知り合いが宿っている

・そのメガネをつけるとツッコミのキレが上がる

・多分、その知り合いの意識はメガネに宿っている

 

 

日向「何で意識がメガネに宿ってるって言えるんだよ?」

 

 最初にメガネを付けた張本人である日向が疑問を口にする。

 

「俺がさっき藤巻に『駄メガネ』っつったろ?」

 

野田「そうだったか?」

 

日向「そーだったんだよさっき一体何を見てたんだお前は! んで?」

 

「そりゃーこいつのあだ名みたいなもんだ。いつもそう言ったらキレて掴みかかってきやがってよ」

 

 俺は机に置いてあるメガネを軽く指ではじきながら続ける。

 

大山「さっきの藤巻くんとおんなじ……」

 

高松「……では、日向さんがあくまで日向さんのまま、その知り合いのツッコミをしていたのはどう説明するんですか?」

 

 高松がめずらしく鋭い指摘をしてきた。

 

 そう、それが一番の問題だ。

 

 日向が付けた時はあくまで日向の意識をベースに新八が宿っていたようだったが藤巻の時は違った。

 

 明らかに藤巻の意識を新八の意識が食っていた。

 

 なぜそんな違いが起きたのか……

 

「……俺のその知り合いな――」

 

「――影が薄いことを気にしてたんだよ」

 

 

日向・藤巻「は?」

 

 メガネをつけて変わったメンツが意味のわからないような声を上げる。

 

「だから、影が薄いことを気にしてたんだよ! 藤巻、お前みたいにな!」

 

 俺は藤巻をまっすぐ指差してそう叫ぶ。

 

藤巻「……何が言いてぇんだよ」

 

 少し溜めて、自分の考えをしっかりと頭で言葉にしてから俺は口に出してこう言った。

 

「つまり、影が薄い=近い魂同士、その知り合いもお前の体が使いやすかったんじゃないかと」

 

全員「「「んなトンデモ理論あるか!!!!!!」」」

 

 予想はしていたが、これには戦線のみんなが反論してきた。

 

 俺はこれしかないとおもうんだが……

 

藤巻「影が薄いからとり付かれたって? ふざっけんじゃねぇぞ!! んなことあるかよ!!」

 

大山「先生……さすがにそれは……」

 

高松「無理がありますね」

 

日向「大体ゆりっぺはどこにいったんだよこのよくわからん状況で!」

 

野田「少し出ると言っていたぞ」

 

「ちっ……んじゃ、しゃーねーな。仲村に直接見せてくっか……」

 

 確かに、アイツは日向よりも先にこの世界に来たヤツだ。仲村にみせたら何か分かるかもしれない。ついでに立華にも見せてみよう……

 

 俺はメガネを白衣のポケットに押し込んで部屋から出ようとする。

 

日向「あ、銀さん。外に出るなら気をつけた方がいいぜ? ツッコミがキレるってことは個性が出るってことだから――」

 

 日向が何か言ってるがもう無視だめんどくさい。俺は校長室の扉を開け

 

『『『メガネよこせぇぇぇぇえぇぇええぇぇぇぇぇぇぇェエエエエ!!!!!!!』』』

 

 バタン。

 

日向「……NPCが狙ってくるぞ」

 

「てめぇそんなことはもっと早く言いやがれ!!」

 

『メガネェ……』

 

大山「うわぁ!! 窓から乗り込んで来たよ!?」

 

「ここ何階だと思ってんだくっそ!!」

 

 俺は乗り込んでくるヤツを蹴散らしながら窓から飛び降りた。

 

『『『アソコダ!! 奪えェェェエエェエェエェエェェ!!!!』』』

 

「何でNPCの癖にこんなにキャラ濃いんだよぉぉぉぉおぉぉぉ!! 藤巻よかキャラ立ってんじゃねーか!!!!!!」

 

「このやろ!! 捕まってたまるかクソがぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁあ!!」

 

★

 

「はぁ……はぁ……何とかまいたか」

 

 俺は周りに人がいないことを確認するとメガネを取り出し、目の前に持っていく。

 

「……新八よぉ、何でお前までこんな所に来ちまったんだ?」

 

 メガネは答えない。それもそうだ、こいつはただのメガネなんだから。

 

「……アホらし。さっさと仲村探して――あ」

 

 仲村を探そうと足を動かした瞬間、メガネを地面に落してしまった。

 

「っといけねぇ、さっさと拾わねぇと『バキっ』バキ?」

 

 耳に何かいやな音が響いてきた。

 

 俺がメガネをもう一度見ると、そこには何故か誰かの足があった。

 

 ……アレ? もしかしてこれって――

 

仲村「んもー奏ちゃんっかわいいよぅ! 髪サラッサラ! 肌スベッスベやだ何コレ! ……って奏ちゃん何か踏んでない?」

 

立華「ゆり、そんなにくっついたら歩きにく……!! おっきい、やわらかい…………ん? 何コレ……」

 

「……」

 

仲村「……」

 

立華「……」

 

 ……

 

立華「……てへっ」

 

「てへっじゃねーだろ新八ィイィィィィイィィィィィイィィィィ!!!!!!!」

 

★

 

 ……結局、新八メガネは立華によって粉砕、修復不可能になった。

 

 どうして新八がこんな世界に来たのか、そもそもあれが新八だったのかもう分からずじまいになっちまった。

 

 ――だが、あとから仲村に聞くと、そんなことはこれまでに一度もなかったらしい。

 

 ……変わってきてるのか、俺が来たことで。この世界が……

 

 

 

★―次回予告―

 

「十八の八は新八の八! やーまさか俺以外の銀魂キャラがこの小説ででてくるとはなー」

 

新八「イヤ、あれ出たって言うんですか、遠回しにバカにされた気にしかなれないんですけど」

 

「いやいやしっかりでてたよ新八くん! しっかり輝いてたよ新八くん!」

 

新八「イヤだからアレ新八のメガネだったでしょーがァァァァァァァアアァァァ!!!!」

 

「次回、第十九訓。みんな大好き川釣り回、だらっとお送りしまーす」

 

新八「久し振りだけどアンタどんだけ適当なんだ!!!!」

 

 お楽しみにね!

 




 いかがでしたでしょうか十八訓。

ここらで物語は徐々に、銀さんがこの世界に来てしまったことで生まれてしまったひずみにふれていきます。

期待に答えられるかわかりませんが、次回も楽しみにしててください。

感想評価コメント待ってます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。