Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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 やっと来ましたEPISODE.8!

投稿始まってどれくらい経ったでしょうか……

あと、これも今さらなのですが、

お気に入り数300&UA40000到達しました!!

スランプだの何だのと投稿が遅いし、書いたら書いたで駄文だし、力不足で本当に申し訳ないと思っています。

それなのにわざわざこの小説を開いてくれた方、本当にありがとうございます!


EPISODE.8 Dancer in the Dark
第二十訓


仲村「天使が、もう一人……!」

 

 俺たちが向かう先に立ちふさがる少女が一人。

 

 白銀の髪に華奢な体――そして、紅に染まった瞳。

 

 もし今、この少女をなんと表現すればいいかと聞かれても、即答できる自信が俺にはあった。

 

 だってソイツはどう見ても――

 

「ただの中二病じゃねーか」

 

日向「おい銀さん今まぁまぁシリアスなシーンだからそういうの勘弁してくれよ!」

 

「いやだってよく言うじゃん? バカと煙は何とかーって。むっちゃキメ顔だし。月を背後に背負ってるのも絶対アングルとか夜どうし考えてるだろコレ、ぜってーただの中二病だよ。」

 

中二病「……」

 

「ホラもう目とか真っ赤だよ? どんだけ恥ずかしかったっつー話だよ? 病気患ってるよこの病まない世界で中二病という病に苦しめられてるよ!」

 

高松「もれなく名前まで中二病ですしね。それと目が赤いのは元からです」

 

「マジでか」

 

竹山「ちなみに中二病とは、思春期特有の精神病みたいなもので『自分には特別な力がある』と思いこんでしまいイタイ行為を繰り返したりしてしまう人のことです。まぁ彼女の場合あながち間違いでもないですけど」

 

「あ、何だ竹山いたんだ」

 

竹山「いましたよ! ちょっとホントにいい加減にしてください!? ボクこんなキャラじゃなかったじゃないですか!? こう言うのは藤巻さんとかの役目じゃないですか」

 

「や、だって藤巻はなんだかんだ言っても漫画で一発当てたし。腐女子にも大人気だし。もう好かれてるというよりはまとわりつかれて一緒に腐っていく勢いだし」

 

藤巻「ソレ違う藤巻だろーが!」

 

竹山「とにかく! ボクは藤巻さんとは違うんです! キャラデザも誰とも被ってないし! クライストって言うカッコイイハンドルネームもありますし!!」

 

 好き勝手言ってくれるなオイ……と地味ドス野郎が呟く隣で、竹山が必死になってこっちにツバを飛ばしてくる。

 

 何でこんなに鬼気迫るようなんだよ。

 

「お前、生まれ変わったらクライストしてなさそーじゃねーか。実家の商店とか継いでなんだかんだ機械とか全然ムリになってそーじゃねーか」

 

竹山「何でボクの実家が商店やってるって知ってるんですかぁぁああぁぁあぁぁああぁぁああぁ!!!!!!」

 

大山「うわ! 竹山くんが先生に掴みかかっちゃったよ!?」

 

藤巻「どんだけ実家が商店やってるって知られたくなかったんだ……」

 

松下「存外お似合いではないか?」

 

野田「そうだ、商店のクライストでも何でもやっていればよかっただろう。」

 

 おなじみのアホどもが第二の天使なんて無視してだらだらとアホなことをくっちゃべる。

 

「まぁ、立華のコピーか何かならこんな中を突っ込んできたりしねーだ――」

 

 一瞬。

 

 その刹那。

 

 激痛と浮遊感と、微かな違和感と不安感と焦燥感と。その他諸々をぐちゃぐちゃに混ぜ合わせた、矛盾の感情が交差する。

 

 最初から腑に落ちなかったんだ。

 

 立華と、俺達と一緒にいたこの立華と、本当に見た目も趣味も思考も何もかもが一緒なら、何故仲村はこうして傷ついてんだ?

 

 俺たちはもう闘わなくていい。俺も、他の連中も、立華でさえ心からそう思っていた。

 

 時間が、思考が、感覚が一瞬に凝縮され、いつもの酒と砂糖とジャンプでふやけた脳ミソでは考えられない速度で憶測が浮かんでは沈んでいく。

 

 浮かび上がったそれを一つ手に取る。ひどく言葉にしづらいもの(憶測)が掌に包まれていた。

 

 それをあえて今。この、まさに宙に浮いて野郎どもを見下ろしてる状態で今、無理矢理言葉にするとしたら、こうだ。

 

仲村「ウソ……!?」

 

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日向「ぎ、銀さぁァァアァアアァァアァァん!!!!!」

 

 

 話しかけてくるんだよ。

 

 俺が必死こいて何かを背負ってる時に、うるさくネチネチと。

 

 

 お前がしてきたことは何だ。目の前のヤツを斬って斬って斬りまくってそれでお前は何を為した? 死体の山を作っただけだ、ただの死体製造器だよお前は。

 

 

 俺が泥だらけになってテメーを貫こうとしてる最中に、やかましくガミガミと。

 

 

 お前には何も護れない。その血塗られた刀では、それを使ってきたお前自身では、護れるものなんて何にもねぇんだ。

 

 

 うるせぇよ。頑張ってんだろーが。必死に護ろうとしてんだろーが。今だってこうして――

 

 ……俺は一体、何を護るために刀を握ってんだ?

 

 いつの間にか、俺の背中も話しかけてくる。

 

 背負った何かが話しかけてくる。

 

 

『テメーに護れるもんなんて、何一つねーんだよ』

 

 

★―医局 保健室―

 

 気がつくと……いや、ホントは大分前から気付いてたんだけど。保健室にいた。ベッドで寝てた。

 

 薄いカーテンを隔てた外では、どうやら戦線の連中が今回の件での話し合いをしているらしい。ガラにもねぇシリアスムードで。

 

 あんまりシリアスな雰囲気醸し出してるから起きてこれなくなっちまったじゃねーか。

 

 どんなノリで出て行きゃいんだよコレ?

 

 ごっめーん! 立華みたいな何かに切り刻まれてて意識が光る雲を突き抜けてFry aweyしちまってたぜー! とかか?

 

 いやいやいやナイナイナイ! そんなこと言って出て行った日にゃ光る雲どころか三途の川をSwim aweyすることになっちまう。

 

 そんな感じで、どう出て行こうかと天井のシミの数を数えている俺だった。

 

 野郎どもの会話をBGM代わりにしてな。

 

 

日向「同じ奴が二人ってどういうことだよ? そんな訳わかんねー世界になっちまったってのかココは?」

 

高松「天使と姿形がそっくりな人間という線はどうでしょう?」

 

野田「なるほど双子というやつか!」

 

藤巻「おーいテメーらー、全国の双子が全く同じ顔してるって勘違いしてる馬鹿がここにいるぞー」

 

大山「可能性は無い、わけじゃないんだろうけど……」

 

仲村「ほぼゼロよ。それに彼女はガードスキルを使ってた。間違いなく天使よ」

 

高松「ではあれは何だというのですか?」

 

仲村「……天使エリアへの侵入ミッション、憶えてる?」

 

 天使エリア侵入……立華の部屋に不法侵入したときか。

 

仲村「彼女のPCには、スキルを開発するソフトがあったのよ」

 

竹山「Angel Prayer……ですね」

 

日向「つまり、今までの天使の力は全て……」

 

仲村「それによるものよ。奏ちゃんが、自分の自衛と最低限私達と闘えるように作ったもの」

 

仲村「そして、その中には見たこともないスキルがたくさんあった。おそらくそのうちの一つ、harmonics(ハーモニクス)が発動したのよ」

 

大山「は、ハーモニクス? それってどんなものなの?」

 

仲村「一体が二つに分かれるスキル……要は分身ね」

 

 分身。

 

 つまり、あれは正真正銘、立華奏だった。ということになる。

 

藤巻「しっかし、そっくりそのままじゃないって感じだったぜぇ?」

 

日向「元の天使、立華と違って好戦的だ」

 

松下「うむ。なんというか、敵意の塊というか……」

 

 敵意の塊。

 

 松下は、あの立華を指して、そう表現した。

 

 何に刀を向けていいかわからずに、ただただ暴走しちまってる。

 

 俺はそんなやつを一人……や、二人知っている。

 

 何に刀を向けていいかわからず、ただひたすらに刀を振っていたかつての夜叉(おに)と、

 

 護るべきものを失い、何かを護ろうとすることをやめた(おに)

 

 もう二度と。違えたくねぇ。

 

 

『テメーに護れるもんなんて、何一つねーんだよ』

 

 

 もう二度と。

 

直井「フン……全く無能の集団だな貴様らは。可能性を一つ教えてやろう」

 

直井「その分身を発生させた時に、立華奏が強い攻撃の意思……敵意を持っていたとしたら?」

 

仲村「あの時、ね」

 

 あの時とは、多分川の主に食われそうになった頃だろう。

 

 あの時、立華は何かを踏み台にして主に突っ込んでった。

 

 あれは分身で作ったもう一人の自分自身だったってことかよ……

 

日向「なるほど。その時の本体の敵意が、アイツを動かしてるってわけか」

 

高松「その上、実質の戦線最高戦力である坂田銀時先生の負傷……」

 

椎名「……絶望的、だな」

 

藤巻「癪だが、アイツには結構助けられてっからな」

 

日向「そもそも、銀さんが勝てない相手に俺らが立ち回れるのか?」

 

 保健室に重たい空気が漂う。

 

 コイツらどんだけ頼りねぇんだよ。

 

大山「あの、結局のところ今の問題って何なの?」

 

野田「あの天使と戦う方法か?」

 

直井「馬鹿か、消す方法だ脳筋。一回死んでこい。馬鹿は治らなくても、少しはマシな思考ができるようになるかもしれないぞ?」

 

野田「っ……だとコラぁ!?」

 

日向「ま、まぁまぁ……」

 

仲村「あなた、今日は様子が変ね。妙に冷静の割に言葉の端々には刺がある。」

 

直井「……冷静だと?」

 

 ……?

 

直井「貴様らこそ、見事な冷静っぷりだな。神である僕も少し驚いたよ。」

 

直井「立華奏はヤツと闘って負傷した。それはまだいい。だがヤツは何もしてない銀時さんに向かって刃を向けたんだぞ……!?」

 

 ……立華も、やられちまったのか。

 

直井「今も、貴様らと話してる時間ですら無駄だと感じているよ。あの腐れ銀髪赤目野郎をどう嬲って何回殺してやろうかと考えてる方がよっぽど有意義だ」

 

 直井……

 

大山「な、嬲ってって……」

 

直井「だが」

 

仲村「?」

 

直井「残念ながら、僕の尊敬する人は。少なくとも、僕の知る銀時さんはそんなこと望んじゃいない。だから僕は復讐はしない」

 

 ……んだよ、ただの変態ヤローとばかり思ってたんだがな。

 

 結構わかってんじゃねーか。

 

仲村「……そうね。実際私たちじゃ、本気で剣を向ける彼女にはおそらく対抗できないわ。」

 

竹山「だから、消す」

 

仲村「そうよ」

 

 ……だが、問題はここだ。

 

松下「だが、彼女が意図的に出したのならば、意図的に消すことも出来るはずだろう。」

 

藤巻「だが事実、天使はそれができずに負傷している……」

 

仲村「おそらく、奏ちゃんは無意識にハーモニクスを使ってしまったのよ。だから彼女には消せなかった」

 

大山「オイオイちょっと待てよ! アレが消えないって冗談じゃねぇぜ! あんなのが居続ける世界になっちまうのかよ!?」

 

仲村「今でこそ見逃されてはいるものの、明日はない。私たちに模範的な行動を取るという選択肢が無い以上、エンカウントしたら最後。この前のような血なまぐさい戦闘になるわ」

 

日向「今回は銀さんと立華、二人で済んだ……が、」

 

仲村「奏ちゃんが、ヤツを刺し違えてでも止めてくれたからね」

 

仲村「でも次があるかはわからない。今度は全員やられるかもしれない……」

 

高松「実質、あの天使が負傷しておとなしくしている今この瞬間が、ヤツを止める最初で最後のチャンス。というわけですか」

 

日向「傷の全快とはいかないまでも、動けるようになるまで大体半日……時間がなさすぎる」

 

仲村「私が天使エリアに侵入して、ハーモニクスを止める方法を探るわ。あなたたちは授業に出て時間を稼いで」

 

大山「えぇ!? 授業をまともに聞いたら消えちゃうんだよ!?」

 

仲村「あなたたちの唯一の長所は何だと思う?」

 

日向「はぁ? 何だよゆりっぺ突然。俺たちの長所っつったって……」

 

 

「アホな所、か?」

 

 

仲村「――遅いわよ! 銀さん」

 

「アホか、死んでたんだっつの」

 

日向「~~銀さん! 無事でよかったぜ!!」

 

「やだから、さっきまで死んでたんだっつの」

 

 

「お前らはアホだ。アホったれだ。どのくらいアホかというとそれぞれがアホで定番の吉沢くんを十体フュージョンさせたほどにアホだ」

 

藤巻「例えはわかりにくいがただただ馬鹿にされてるのが伝わってくるな」

 

「だがそれを授業でうまく生かして、パッと見聞いてる風を装ってアホなことに勤しめ」

 

日向「戻ってきた途端に無茶ぶり激しいなアンタ!!」

 

「何でもいいんだよ。パラパラ漫画作るでも、教科書に落書きでも、窓の外でハルバート振り回すでも、踊るでも」

 

仲村「アホね」

 

日向「アホだな」

 

「その間に、俺と仲村で立華の部屋を探る。それまで適当に頑張って」

 

大山「すがすがしいほど適当だ!」

 

仲村「……あなたも来るの?」

 

 なぜか仲村が何かを期待するような顔で俺を見てくる。

 

 何か久々だなこういうの。

 

「悪ィか」

 

仲村「いや、別に……」

 

「んじゃいいだろが。時間がねぇんだ、さっさと行ってこい!」

 

 俺は野郎どもを作戦へと送り出す。

 

 ふと、目の端に、寝ている立華が入ってくる。

 

 ったく、どんだけ不器用なんだコイツ。ダチ公つくんのにここまで大騒ぎになるか普通? この天然花澤野郎が。

 

 少しは先生を頼りやがれ。

 

「んじゃ、俺たちも――」

 

 行くか、と仲村に言おうとして、言葉が詰まる。

 

 そういや一つ言い忘れてたわ。

 

「おいテメーら」

 

 その声で、戦線のガキども全員が俺の方を向く。

 

 んだ、何か緊張すんじゃねぇか……

 

 一つ大きく息を吸って、と。

 

「次会う時は、作戦本部で。だからな」

 

「「「……おう!!」」」

 

★―次回予告―

 

直井「いやいやー、銀時さんが無事戻ってきてくれてよかったです!」

 

「おう。てかお前かっこいいこと言ってた割に、俺が戻ってきたとき騒がなかったな」

 

直井「はい。銀時さんが不在の時でも、僕は情けない姿をさらすようなことはしません。いつもと違わない態度で迎える。そう決めたんです」

 

「……おお、サンキュー」

 

直井「!? 銀時さんにホメられた!? うそでしょ今夜はお赤飯ですね!! ホメるのoがaに変わるのもそう遠くないですよ!」

 

「こーいうこと言うから俺はお前を素直にほめらんねぇんだよ……」

 

「次は第二十一訓だ。次回もよろしくメガドックな。」

 

 お楽しみに!

 




 近々、連続投稿を考えております。

話数は、私の気力が持つまでです!

季節は春まっ盛り! 私も頑張っていきたいです。
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