Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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なんと十月十日は銀さんの誕生日ということで!

急ではありますが番外編を用意しました!

お楽しみください!!


他人の誕生パーティで本当に誕生日を祝うヤツなんてまずいねぇ

 ……静かだ。

 

 何も聞こえない、秋の夜。もっとも、こんな死後の世界に季節なんてあるのかわからないのだけれど。

 

 そんな静かな夜の廊下を私たちは音を殺して歩く。目的地まで、早く、静かに。

 

 あまり時間がたたないうちに、目的の部屋のドアの前に着くことができた。

 

 私は様子を見る。

 

 ………………

 

仲村「……クリア、突入」

 

 私は後ろの仲間たちに指示する。それに反応して仲間たちはドアをこじ開け中に入る。

 

 一応片付いてはいるが、何となくおっさん臭い部屋だった。

 

仲村(……いた)

 

仲村「目標確認、連れて行け」

 

 私はそう指示した。その部屋にいた男をある場所へ連れていくように。

 

 

 …………ん?

 

 んだ、これ……

 

 アレ? 何か俺……浮いてね?

 

 ……いやいやいやいやアリエナイって。俺は昨日自分の部屋に帰ってちゃんとベッドで寝たんだから、もー昨日飲みすぎたなこれだから二日酔いは全く……

 

 ……………………いややっぱり浮いてね?

 

 ……いやいやいやいやいやいやいやいやアリエナイって!! だってあれだよ? 昨日の俺はアレがアレするアレだから! 絶対ナイから!!

 

 試しに目を開いてみよう、そうすればいつもの汚ぇ天井が……

 

 ……アレーおっかしいな目が開かない……

 

 もしかしてコレあれか? 噂に聞く……ぽっぽぽポルターガイスト、的な?

 

 フンっ、フンっふん!! ……体が動かねぇ。

 

 ……えマジ? これマジなやつ? やだって俺今死んでる設定だぜ? 見方によっちゃ俺自身がユーレイだぜ? なのにこんな……

 

 ……ちょ、霊さん? いらっしゃるんですか? 何か私がお気に召さないようなことでもしたんですか?

 

 ……霊さん? 聞いてますか? 助けて下さい!? ねぇ!! ちょっと!!! 霊さァァァァアァァァァァアァアァァァァアアァァん!!!!!!!

 

「ちょ、マジ洒落になんね俺こんなんで死ぬのやだよ新八ィ神楽ァァァァァァァアァ!!!!」

 

「誰か助け――うげっ!!!!」

 

 助けて、そう叫ぼうとした途端に俺の体は突然下に投げ出された。

 

「何、何なの!? 助け呼んで怒ったの!? 霊さんマジ調子のってスミマセンした!! 昨日のアレは許して下さい!! けど昨日は俺にとって特別な――――」

 

 パンっパン!!

 

「ぇあ!? 何この音と煙くさい匂い!? 銃声!? 霊さん何で銃なんてえげつないもの使えんの!?」

 

 そこまで言ったところで俺の目の前から何かが取り除かれ、至って明るい――いつもの校長室が写りこんだ。

 

「……あ? 何コレ」

 

 俺は思わず鳩が豆鉄砲をくらったような顔になる。鏡は持ってねぇが見てみたら絶対そんな顔だ。

 

 そんな俺の目の前に、それぞれクラッカーとケーキを持った遊佐と仲村が現れた。

 

遊佐・仲村「「お誕生日、おめでとうございます(誕生日おめでとー!!)」」

 

 遊佐が持っていたクラッカーを鳴らす。

 

 パンっパン!!

 

「…………お前ら……」

 

 この二人の他にも、戦線のメンツのほとんどが倒れている俺を見、拍手してくれている。

 

日向「おめでとさーん!!」

 

大山「おめでとー先生!」

 

野田「ちっ、ゆりっぺに感謝しろ」

 

藤巻「無駄に歳ばっか食いやがってよォ! めでてぇなコノヤロぉ!!」

 

高松「おめでとうございます」

 

松下「おめでとう」

 

椎名「フン……あさはかなり」

 

TK「時を越えてHello Again」

 

竹山「今後とも僕をよろしくお願いします。このクライスt」

 

直井「銀時さんお誕生日おめでとうございます!! これでまた一つ銀時さんが大きくなったと思うと僕はもう感無量ですよ!! 大きくなったと言えば銀時さん一応起きたばかりのようですし銀時さんの銀時さんは大きくなってないんでs」

 

ユイ「そんなことよりケーキ!! ケーキさっさと食べましょーよー!」

 

ひさ子「こらユイ! 一応こんなんでも社交辞令だ! 今でおめでとうの一言でも言っとかないと後でパーティに入れてもらえないぞ?」

 

関根「ケーキのためならいくらでも言ってやるさ! おめでとーせんせー!! おめでとーおめでとーおめでとーおめで」

 

入江「お、おめでとうございます……」

 

 ……………………

 

仲村「遊佐さんがね? 調べててくれたのよ。十二時回って今日銀さんの誕生日だからパーティしようって」

 

遊佐「頑張りました」

 

 …………………………………………

 

全員「「「せーの、誕生日おめでとー!!!!」」」

 

「いや俺の誕生日昨日ォォォォオォォォォォォォォォォォォォォォオォォォォォォォォ!!!!!!!!」

 

「祝ってくれるのはいいが間違うってどういうこった!! こちとら寂しくて一人で一日中飲みまくってたんだからな!!!」

 

 

 

 

 

仲村「……あれ?」

 

遊佐「………………間違えました」

 

「間違えたじゃねーよ!! わざわざ十二時回るまで待つんだったらもう少し早くやってくんなかったかな!!??」

 

仲村「ま、まぁいいじゃないそんなこと、とりあえずパーティよ!! さぁ飲みねぇ食いねぇ!!」

 

「おいシカトしてんじゃ――むぐボフっ!? ば、ばんばぼべ!?(な、何だこれ!?)

 

日向「にっしっしっし……こんな時に用意してた特製パイだ!! 日ごろの俺らの恨みを知れぇえぇぇぇ!!」

 

「上等だこの童貞野郎が……チェリーパイお見舞いしてやるよコノヤロー!!!」

 

 ワーワーギャーギャー――――

 

 

 ……周りのクソガキどもはもう眠っている。暴れすぎて疲れたか? いつも銃や刀振り回してるってのになさっけねぇ。

 

 部屋は汚れきっていた。パイやケーキのクリーム、ジュースの飲み残しや日向が演芸で使った割りばしや手ぬぐいなどなど……

 

 そんな有様の部屋の床に俺は一人で座っていた。座って一人でイチゴ牛乳を飲んでいた。

 

「――イチゴ牛乳の着色料にはエンジ虫という虫の色素が使われているのでは?」

 

「あぁ? んなん気にしてもしゃーねーだろ? 人間寝てる間に何が口の中に入ってるかわかったもんじゃねぇんだ。それ考えたら原型留めてないだけマシだぜ、遊佐」

 

 遊佐は最後まで起きていた。今回のパーティの司会や取締役などをやってくれて疲れているだろうに今度はみんなを起こさないように片付けだ。

 

 

遊佐「……すみませんでした、一日ずれてしまって」

 

「全くだ。今度からは気をつけろよ? 人の誕生日をここまで無茶苦茶にしやがって」

 

遊佐「……のわりに嬉しそうですね?」

 

「……ケーキがうまかっただけだ」

 

遊佐「そうですか…………ふふっ」

 

 遊佐はそこまで言うと笑った。小鳥がさえずる様に静かに、だが確かに楽しそうに笑って見せた。

 

「笑ってんじゃねーよ、こちとら怒ってんだぞ?」

 

遊佐「すみません、代わりと言っては何ですがこれを受け取ってください」

 

 遊佐はバレンタインのあの時のように、俺に一つの包みを渡してきた。

 

「またくだらねぇ紙っきれなんかじゃねぇよな?」

 

遊佐「そうですか、では今度からそうします」

 

「おいお前の頭についてるそれは素敵なドアノブか? 思いっきり捻ったらどこかに行けるのか? 試してみていいか?」

 

遊佐「冗談です」

 

 開けてみてください、遊佐にそう言われ、俺は包みを開ける。

 

 ……中にはやっぱりというべきか、一枚の紙が入っていた。

 

遊佐「『遊佐にいつでも何でも頼める券』です」

 

「いらっね!! 心からいらねぇ!!」

 

遊佐「いいんですか? 何でもですよ? えっちなお願いでも私は恥を忍んで聞いてみせます」

 

「マジで!?」

 

遊佐「……そんなに喜んでくれるなんて嬉しいやら悲しいやらですが……ただ、それを使うにあたって一つ条件があります」

 

「……んだよ条件って? 一応誕生日プレゼントなんだろこれ?」

 

 そこで遊佐は少し口ごもる。珍しく手をいぢくりながらもじもじしている。

 

遊佐「……でて下さい」

 

「……は?」

 

遊佐「頭、撫でて……下さい」

 

 遊佐はうつむきながら必死に上目づかいでそう言ってきた。あまりにもか細い声で一度聞き逃してしまったが、顔を真っ赤にしながら確かにそう言った。

 

「んだよそんな事かよ、オラ」

 

 俺は遊佐の頭に手を置き、乱雑にかき回す。

 

遊佐「……ん…………ぁ」

 

 そんな俺を眠たそうな目で見ながら遊佐はとてもリラックスした様子でいた。

 

 遊佐の髪の匂いがこっちにまで届いてくる。やっぱ女ってみんないい匂いするのな……

 

遊佐「……先生……?」

 

「んだよ?」

 

遊佐「私のプレゼント……ちゃんと使って下さいね?」

 

「……あぁ」

 

遊佐「約束、ですよ……?」

 

「……あぁ、もう寝ろ」

 

 遊佐が俺の懐に倒れこんでくる。やっぱり疲れてたんだろう、必死に隠そうとしたってこういうのは隠しきれないもんだ。

 

 俺は遊佐の頭に手を置きながら、ゆっくりと目を閉じた――

 

 

仲村「フフ……ねぇ先生? 何コレ? そこに落ちてたんだけど『遊佐にいつでも何でも頼める券』って。あなた昨日遊佐さんに一体何頼んだの?」

 

「ちょっと待て違うぞ仲村!? お前は勘違いをしている! だから一旦その銃を置こう!? な!?」

 

仲村「じゃあ何で二人抱き合って寝てたの……?」

 

「これは何というかいろいろあって――」

 

遊佐「ん……せんせ、もっとぉ……」

 

「このタイミングで何てまぎらわしい寝言吐いてんだテメぇえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

仲村「フフフ……♪ いっぺん、死んでみる?」

 

「待て仲村その銃弾入ってないよな!? 入ってないって言ってくれ仲村おい仲村さんいやゆり様!! 助け――」

 

「ギャアァァァアアァァァアアァァアアァァアアァァアアァァアアァァア!!!!!!!!!!!」

 

 

 おしまい♪




ぐだぐだですみません。

今回は最近出番少なめの影薄ヒロイン遊佐に焦点を当ててみました!

ついでに銀さん誕生日おめでとー!
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