Angel Beats!~ちょ、俺まだ死んでないんだけどオオオオオオオオ!!~   作:日暮れ

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 改行の仕方がなってないし、ふりがなもふれません。誰か助けて!


EPISODE.1 Departure
第一訓


 ――あれ、空が真っ黒だ

 

 ――あれ、真っ黒なのは俺じゃねーか

 

 ――あれ、なんか前にもこんなことなかったけ

 

 ――あれ、っていうか「真っ黒なのは俺」ってどういう状態なんだっけ

 

 ――あれ、ちょっと待て、俺……

 

 

「……! ……きて下さい。起きて下さい!」

 

 ――誰だコノヤロー、こちとら折角気持ちよく寝てるトコなのに。

 

「……んだよチクショー、母ちゃん今日は日曜だろ? もうちょい寝かせてZZZ」

 

「日曜じゃないし私は母ちゃんじゃありません! 起きて下さい坂田先生! 初授業で寝坊なんて感心できませんよ!」

 

 ……あ?

 

「……おいアンタ。今、何て?」

 

「だから……坂田先生、仕事です」

 

 ………………あー、先生ね。うん、……

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!?」

 

 

「……いい? 今回のオペレーション”ファインドオブトゥルー”の目的はさっき説明したとおり、NPCに紛れてる私達と同じ『人間』を見つけて戦線に引き入れることよ」

 

 一人の少女が3,4人の少年に向かって柔らかな口調で説明する。流れるような紫の髪や、華奢で可憐な身体からは想像もつかないほどに、彼女の瞳からは強い意志が感じられる。

 

「うっわオペレーション名ダッセ」

 

 その少女を取り巻く少年の一人――日向秀樹はそう呟く。

 

「なんか言ったか?」

 

「いえ何も」

 

「そ。ならいいわ。今回のオペレーションは”消える”可能性が大きい危険な任務よ。健闘を祈るわ。日向くん、大山くん、高松くん」

 

「ええええ!? 僕そんなこと聞いてないよ!?」

 

 大山と呼ばれたその少年は突如突きつけられた事実に驚きを隠せない様子で叫んでいる。

 

「ふっ……この筋肉にかかれば消されるなどありえないことですよ」

 

 高松と呼ばれた少年は冷静沈着といった様子で眼鏡を上に押し上げる。

 

 ――なぜか上半身裸のまま。

 

「……まぁ、消えねぇようにうまくやるさ」

 

「そう……じゃ、オペレーション、スタート!」

 

 高らかにそう言い、少女――仲村ゆりの戦いは今日も始まる。

 

 

「……とは言ったものの、授業に参加するだけじゃNPCとそれに紛れてる人間の区別なんかつかねぇぜ? ゆりっぺ」

 

 仲村ゆりは、ゆりっぺと言われて少しだけ顔をしかめるもすぐに日向の質問に答えてみせる。

 

「わかってるわよそんなこと。授業中になんか期待してないわ」

 

「? じゃあ一体何に期待してるの? ゆりっぺ」

 

「そりゃあ――――」

 

『うい席に着けー』

 

 そこまで言ったところで、先生の声が響き渡る。その声で会話は一時中断。とりあえずは先生の声に耳を傾ける。

 

 

『今日からこのクラスの現国を担当する新任の先生を紹介する。入ってください』

 

(新任の教師? 今までにそんなことあったかしら……)

 

 教室に入ってきたのは……死んだ魚の目をした、無気力な銀髪の天然パーマな男であった。

 

 

『じゃあ先生、あとはよろしくお願いします』

 

「へいへい……」

 

 自分の尻を掻きながらだるそうにそう答える教師。

 

(そりゃあ、こういう――ミラクル……とか)

 

 

「あー今日からテメーらの現国を担当することになった――」

 

「――坂田銀時だ」

 

 

「なにか質問は?」

 

 その一言に教室中が凍りつく。なぜならその男は……どこから質問していいのか分からないくらいつっこみ所が満載だったからだ。

 

『……はい』

 

 クラスの一人が手を挙げる。その瞬間目の前のだるそうにしている先生はめんどくさそうに顔を歪める。

 

 

『あの……なんでタバコ吸ってるんですか?』

 

「あー? これはタバコじゃねえ。レロレロキャンディーだ」

 

『普通レロレロキャンディーから煙はでないんじゃ……?』

 

「それはな、ものすごーくレロレロしてるからだ」

 

『…………』

 

「他に質問は?」

 

 

 もう誰も彼に質問しようという気になるものはいなかった。今の問答で彼がとても非常識だということに早くも気付き始めたのだろう。

 

「じゃあ授業始めるぞ。そこのお前、おい」

 

『えっ!? 自分ですか?』

 

 

 完全に不意打ちだったらしく、指をさされた生徒は激しく戸惑っている。

 

「そうお前。教科書の31ページから読んでみろ」

 

『は、はい! えっと……「彼は困惑した。なぜなら、今の正一のセリフは」……』

 

「あーあー違う違う! どこ読んでんだテメー。教科書31ページだっつってんだろ。ナムチャが殺されるとこ」

 

『え? ナムチャ? いやってか教科書って先生の持ってるそれ……』

 

 

 その言葉で教室の目線が先生の手元に集まる。

 

『ジャンプ……ですよね』

 

「あぁ? もしかして持ってねぇの? しゃーねーな、隣のヤツに見せてもらえ」

 

『いやいや、だから教科書もなにも……それジャンプだろうがァァァァァァァァァァ!!』

 

 

 激昂した生徒なんか知らんとばかりにハナクソをほじくる先生に向かって、その生徒は不満をどんどんぶつけていく。

 

『誰も持ってねぇよ! だってそれジャンプだもの!』

 

「ギャーギャーギャーギャーやかましい、中二の男子かお前は」 

 

『うるせぇよ! 高二だ俺は!! 大体、現国の授業でジャンプ使うって聞いたことねぇよ!』

 

「少年の教科書だろうが。友情・努力・勝利。俺たちはそれを学んで大人になっていくんだよ」

 

 

 ボリボリと頭を掻き、説教をたれるように一言。

 

「教科書ももってねーで授業受けるなんて非常識にもほどがあんだろーが」

 

 

 この瞬間、教室の空気を言葉で表すと『お前が言うな!』というカンジになっていたことだろう。

 

「あーあーもういいよ。持ってないヤツ全員、今から購買行って買って来い。あ、ついでにいちご牛乳とコロッケパンもヨロシク」

 

 

 どうやらこの教師、どこまでも本気で言っているようだ。

 

 生徒全員、渋々といった面持ちで財布片手に教室を出て行く。

 

 ――ただ数人を除いて。

 

「……あ? オメーらはジャンプ持ってんの? えらいねー」

 

「あなた遂にジャンプって言ったわね……あなたにいくつか質問があるの」

 

 教室の端で談笑してる連中を残して、とても真剣な表情で先生に近寄る少女。だがその顔は――なにか、面白いものに惹かれる感情を押し殺しているようにも見えた。

 

「あなた、『人間』?」

 

 唐突にわけの分からない質問を飛ばす生徒に、露骨に顔をしかめる先生。

 

「おいおいガチの中二か? やめとけって。後になって後悔するよ? 絶対」

 

「そんなんじゃないわよ! もういい。質問を変えるわ……あなた、いつこの世界に来たの?(''''''''''')

 

「…………」

 

「心当たりがあるようね。戸惑うのも無理ないわ」

 

「………………」

 

「……?」

 

 この世界に来て戸惑うのも無理はない。が、これは流石に戸惑いすぎじゃないか?

 

 そう、少女に思わせるほどに、彼は言葉を失い、うつむいていた。

 

「……zzz」

 

「って寝てんのかよ!」

 

「ちょ……マジ勘弁。昨日ぜんぜん寝てねーの、もう実質二時間くらいしか寝てないの」

 

「あなた……この状況なのに随分と余裕なのね?」

 

 頬を引きつらせながら少女は問う。

 

「あん? こちとら女になったり他のジャンプ作品に殴り込んだり主人公の座奪われたりとかしてきてんだよ。今更こんなんで動じるか」

 

「……もういいわ、日向くん、大山くん、高松くん」

 

「へい」

 

「な、何?」

 

「何でしょうか」

 

「任意同行よ、連れて行きなさい」

 

「オイオイちょっと待て! 任意同行って何!? あれほとんど人攫いだからね!? 俺をどこに連れて行くつもあばばばばばばばばばば」

 

 次の瞬間、教師の身体が床に突っ伏した。

 

「たりりらったらー! 特製スタンガン~。コレでもう憎まれ口叩けないわね♪」

 

「ゆりっぺいいのかよ、一応教師だぞ!?」

 

「かまわないわ。多分コイツ『人間』だもの」

 

「!? ……聞いたことねぇぞそんなの」

 

「私もよ。それは直接コイツから聞くしかなさそうね……それより、早く作戦本部に連れてくわよ! 頑張れ男の子!」

 

「結局俺たちが運ぶのかよ!?」

 

 

 …………あれ? 俺どうなったんだっけか。確かあの非常識な女に気絶させられて――

 

「――ゃあこれはどうだ? 『死ぬのはお前だ戦線』」

 

「私が殺されるみたいじゃない!」

 

「いや、勿論相手はあの女だ」

 

 んだ? 最近眠らされてばっか……

 

「じゃあこっち見なさいよ。……『死ぬのはお前だ戦線』」

 

「うっ! やべえ、確かに俺が殺されそうだわぁ……」

 

「他には? 何か案は無いの?」

 

 

「……あぁ?」

 

 何してんだこいつら。

 

 

「これかっこよくね? 『走馬灯戦線』!」

 

「それ死ぬ寸前じゃない」

 

「じゃあこれでどうだ? 『決死隊戦線』」

 

「死ぬのを覚悟してるじゃない!」

 

「『絶体絶命戦線』」

 

「絶体絶命じゃない!!」

 

「じゃあ『無敵艦隊』!」

 

「今度は戦線じゃなくなってる……」

 

「玉砕戦隊……」

 

「殴るわよ?」

 

「ライト兄弟!」

 

「大喜利か!!」

 

 

 一体なんの話し合いかはわからねぇ。ただ、なぜかこいつらからはヅラと同じ匂いがする。もう嫌なくらい匂ってくる。関わりたくねぇ……

 

「もう……最後は戦線なのよ! これは譲れないわ! 私たちはこの戦場の第一線にいるのよ? もっとマシな案は無いの?」

 

「ねえ、その人もう起きてるんじゃない?」

 

「え? ああ! 気がついた?」

 

「――見たトコ校長室みてぇだが……お前らここで一体なんの話し合いしてんの? 三十字以内で簡潔に述べよ」

 

「『死んでたまるか戦線』に変わる新しい部隊名を考えてるのよ!」

 

「意味がわからんしわかりたくもない」

 

「あなたも何かない? 一応教師でしょ?」

 

「『通り魔戦線』」

 

「あなた一体私たちを何だと思ってるの……」

 

 少なくとも何も知らないヤツにスタンガンあてるような奴らは通り魔といっていいと思うぞ俺は。

 

「通り魔とは言ってくれるじゃねぇか……」

 

「うるせえよ『死ぬのはお前だ戦線』」

 

「何聞いてんだお前なんか恥ずかしいだろうが!」

 

「ったくどいつもこいつも中二病発病しやがってよ。先生として言うぞ? 恥ずかしいから止めときなさい」

 

「……あなた、この世界のことほんとに何もわかってないのね」

 

 ………………

 

「いいわ。教えてあげる。私たち……あー……えと、今なんだっけ?」

 

「『死ぬのはお前だ通り魔戦せグボァ!」

 

「元に戻すわ! 我らが『死んだ世界戦線』は、ずっとこの世界である敵と戦ってるの」

 

 

 

「この――死んだ後の世界、その最前線でね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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