山の翁、異世界に行く   作:新宿のショーター

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ありがとうございます


第3話

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」

 

「黙らっしゃい‼︎」

 

私達がジン達と再会すると黒ウサギの怒声が響いた。

 

なんでも、絡んできた大柄の男性、ガルド?がどうしようもないカスだったらしく喧嘩を売ってしまったそうだ。

 

まあ確かに、罪人が平気な顔で生活するのは許せない。

 

ハサンさんの力を使っているからか、今すぐにでも断罪、首を切りたくなる。

 

だから、もし私がその場にいたら、殺してしまっていたので大変なことになっていた。(注:キングハサンなので証拠は一切残りません)

 

ゲームが相手に有利なのはジン達のミスだが、見て見ぬ振りをしないのは、仲間としても好感が持てる。

 

「そろそろいいんじゃない、黒ウサギ?確かにゲームの内容をその場で決めなかったのはダメだったけど、それは相手がどうしようもなく許せなかったからだ。私は、見て見ぬ振りをしないジン君や飛鳥さん、耀さんの行動はこれから付き合って行くとして信頼が出来るよ」

 

「死音さん………確かにそうです。少し怒りすぎました。でも!このゲームは勝ったも当然ですね。フォレス・ガロ程度なら十六夜さんか死音さんが一人いれば楽勝でしょう」

 

「何言ってんだよ。俺は参加しねえよ?」

 

「当たり前よ。貴女なんて参加させないわ」

 

二人は当然のことを黒ウサギにいう。

 

うん、私も参加しないよ。

 

「だ、駄目ですよ!同じコミュニティの仲間どうしなんですから協力しないと」

 

「そうじゃないよ。これは飛鳥さん達の戦い、だから私や十六夜が手を出すのは余計なんだ」

 

そうそう、もし私の戦いに手を出されたら怒りで鐘鳴ってアズっても仕方ない。

 

仕方ない、ですよね?

 

「………。ああもう、好きにしてください、」

 

丸一日振り回された黒ウサギは言い返す気力もなく、肩を落とすのだった。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

あの後、ジンは先にコミュニティに帰り、私達はサウザンドアイズというコミュニティの支店へ向かっている。

 

なんでも、ギフト鑑定を、するそうだ。

 

はっきり言って、9年間も一人研鑽してきたので理解できている。

 

必要あるかなー?などと考えていると、

 

「ねえ、死音君」

 

後ろから声、飛鳥さんだ。

 

「なんですか、飛鳥さん?」

 

「さっきはありがとう。貴方が止めてくれなかったらもっと黒ウサギの説教が長引いていたわ」

 

「そんなことですか、別にいいですよ。逆に感謝するのはこちらです」

 

「どうしてかしら?」

 

「恥ずかしいことに平気で人を殺すような輩と会うと感情が押さられず、もしその場にいたら殺していました。だからです飛鳥さん。」

 

「そ、そう、随分物騒ね。」

 

「あー、でも証拠は一切残しません。完全犯罪です。」

 

「やらないわよね?というか証拠残さないって、貴方もしかして暗殺者?ふふふ、そんなはずないわよね。まだ小学生だもの。後、飛鳥でいいわ、死音君」

 

すいません、暗殺者は暗殺者でも冠位の暗殺者です。

 

「わかりました、飛鳥、でいいんですよね?後!もう中学生です!間違えないように!」

 

「あら、ごめんなさい。あまりにも小さいものだから」

 

グサァ!飛鳥の何気ない言葉はゲイボルグのように私の心を貫いた。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

飛鳥と少し仲良くなり、話しているとサウザンドアイズに着いた。

 

しかし、営業時間が終わり締めるところだった。

 

黒ウサギが店員に何度も頼むが相手にされず、こちらがノーネームと分かると意地悪な質問を繰り返す。

 

頭に来た。よし、少し痛い目にあってもらおう、と気配を消し忍びよろうとすると、

 

「いぃぃぃぃぃやほおぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギいぃぃぃぃ!」

 

和装ロリが飛び出て来た。

 

和装ロリが投げられた。

 

和装ロリが足で受け止められた。

 

信じられないかもしれないが本当だ。

 

後、十六夜変なことをお願いするな、たっく、何なんだあの幼女は?

 

「誰だ!そこにいる奴!姿を見せい!」

 

おっと、気配を消していたことを忘れていた。

 

「「「「「っっっっ!!!!」」」」」

 

姿を表した死音、気づいた白夜叉でさえ今いたことに確信し驚いた。

 

「すみません、何もするつもりはありません」

 

素直に気配を消したことを謝る死音。

 

「ならよい。生憎と店は閉めてしまったのでな、私の私室で勘弁してくれ」

 

そういい、私達は幼女の後ろに着いて行った。

 

 

 

 

 

 

「もう一度自己紹介をしておこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えているサウザンドアイズ幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」

 

「はいはい、お世話になっております本当に」

 

投げやりな言葉で受け流す黒ウサギ。その後は、外門について耀さんが尋ねたり、私は水柱を防いだだけだが十六夜と蛇神を見たおしたりしたことを話す。

 

すると、十六夜が

 

「じゃあオマエはあのヘビより強いのか?」

 

「ふふん、当然だ。私は東側の階段支配者たぞ。この東側の四桁以下に

あるコミュニティでは並ぶものがいない、最強に主催者なのだから」

 

この発言に問題児三人は立ち上がり挑もうとする。

 

しかし、

 

「おんしらが望むのは挑戦かーーーーもしくは決闘か?」

 

刹那、和風の室内から風景は外になり、そこは水平に太陽が回る世界だった。

 

「……………なっ………………⁉︎」

 

「今一度問う。白き夜の魔王、太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは、挑戦か?それとも対等な決闘か?」

 

すげー!これが魔王の力!これで全力じゃないんだ。

 

しかし、どうするか?私の願いだった全力を出して戦うことは叶うだろう。

 

だが、あれ程の強者と戦うならば死を覚悟しなければいけないだろう。

 

本来ならそれでもいいが、今の私はコミュニティに所属する身。

 

私の勝手で危険を犯すことは出来ない。

 

故に、

 

「私は降参。大人しく挑戦にしとくよ」

 

「そうか…………して、他の童達も同じか?」

 

そうして、私達は試練を受けることとなり見事に耀さんがクリアした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おお!空を駆けている。

 

耀さんはどうやらお父さんからの首飾りがギフトで動物の特性を手に入れるものだそうだ。

 

素直に凄い能力だと思う。

 

白夜叉が首飾りを買い取ろうとするが、耀さんは売るつもりはなさそうだ。

 

親から贈り物なんだから譲るわけないだろ、白夜叉。

 

と話していると黒ウサギが白夜叉にギフト鑑定を頼む。

 

がしかし、白夜叉は出来ないらしく困っているとギフトカードというものをくれるらしい。

 

コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム、正体不明

 

ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム、威光

 

パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム、生命の目録、ノーフォーマー

 

ブラックのカードに木部死音・ギフトネーム、暗殺者の祖、死告天使、ロー・アイアス

 

それぞれの名とギフトが記されたカードを受け取る。

 

黒ウサギが驚いたような、興奮したような顔で四人のカードを覗き込む。

 

「ギフトカード!」

 

「お中元?」

 

「お歳暮?」

 

「お年玉?」

 

「お手紙?」

 

「ち、違います!というかなんで皆さんそんなに息が合っているんですか⁉︎このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ!」

 

「つまりは素敵アイテムっていうことでいいか?」

 

「あーもうそうです、超素敵アイテムなんです!」

 

黒ウサギが疲れたように言う。

 

「本来なら名と旗印も記されるのだが、まあよいそのギフトカードは、正式名称を、ラプラスの紙片、即ち全知の一端だ。鑑定は出来ずともそれを見れば大体のギフトの正体が分かるというもの」

 

「へえ、じゃあ俺のはレアケースな訳だ?」

 

ん?白夜叉は覗き込むが、書いてあるのは正体不明の四文字。

 

「………いや、そんな馬鹿な」

 

「まあ、俺はいい。おい、死音、オマエのはどうだ?」

 

と言い十六夜が私のカードを覗き込む。

 

「別にいいけど覗き込むぐらいならどうぞ?」

 

「いやいい、だがオマエ暗殺者なのか?」

 

その言葉に場が凍る。

 

「死音さん!」

 

黒ウサギが驚き叫ぶ。

 

「黒ウサギ落ち着いて、疑問には答えるから」

 

それに対し死音は冷静に応答する。

 

「じゃあいいかしら?」

 

飛鳥が手を挙げる。

 

「いいよ。何?」

 

「暗殺者の祖、というのは?」

 

核心に迫る質問だった。

 

「それは、ある方の魂を私が宿しており、その力を扱えるからだと思う」

 

「ある方っていうのは誰だ?」

 

「おんしの先程の気配のを断ち方尋常ではない。それ程の暗殺者かのう?」

 

十六夜と白夜叉がさらに深く聞く。

 

「それは………………」

 

正直、いうか悩むが

 

「死音さん………………」

 

黒ウサギ達の顔を見るとやはりいうのが正解だろう。

 

これから、共に過ごすのだ。

 

私はできれば末長く皆と付き合いたい、だから、

 

「分かったよ。けど怯えないでね?」

 

そう言い、暗殺者のカードを手に持ち、

 

「夢幻召喚」

 

瞬間、膨大な知識が私に流れ込む。

 

狂信と言える程の信仰、教義を違えた愚か者を幾人も断罪してきた記憶、暗殺者を殺す暗殺者となったものの生涯。

 

強すぎる我を持つのは魂を宿しているものへも影響を及ぼす。

 

これが一番夢幻召喚を使えない理由、山の翁の情報が一気に流れ込み意識は残るがどうしても影響を受けてしまいハサンさんよりに思考が片寄り、そして、

 

「我が面は翁の死。我が剣は翁の裁き。我は山の翁にとっての山の翁。ーーーーすなわち。ハサンを殺すハサン、初代山の翁である」

 

濃密な殺気と共に最強の冠位暗殺者、キングハサンが君臨した。

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