赤鬼転生記~クロスオーバーオンライン~   作:コントラス

19 / 19
第十八鬼

「えーっ!? コー×(バツ)オン始めたのかよ!?」

 

 

 くすんだ金髪のイケメンが空に響けと言わんばかりに叫ぶ。

 小夜と一緒に塔の攻略を進めた翌日、俺は昨日の話を腐れ縁の雄介に語った。

 

 現在は昼休み中で、解放されている屋上のベンチに並んで座り、昼飯を食べている最中だ。

 俺は自作の弁当、雄介は購買の栄養パンだ。一日に接種すべき栄養素の詰まったコッペパン2つ。

 俺には味気ないが、慣れてしまった雄介にはちょうど良いらしい。

 一応の水分補給で、牛乳パックが脇に置いてある。ソイツにストローをブッ刺してちゅーちゅーと飲んだ。

 

 

「って、おいそれ俺のだからっ!」

 

 

 ⋯⋯取られた。

 仕方がないので、自分の水筒に口を付ける。流れ込んでくる緑茶の風味がまた良い。量販店の安い茶葉だけど。

 

 

「ったく、なぁんで自分のがあるのに俺のを取るんだよ」

 

「牛乳の気分だったからな」

 

「じゃあ買えよ! 自分で!」

 

 

 騒がしい男である。

 考えが読まれたのか、横目でじとっとした視線を送ってくる。

 

 

「はぁ⋯⋯で? どうだった」

 

 

 追及する気も起きないと言わんばかりに、雄介は息を吐くと、話題を×オンに戻した。

 

 

「うーん、まぁ楽しかった。正直、一日程度のプレイで、良し悪しを決めれるゲームじゃないな」

 

「そっか。あ、そうだ! 今日さ、待ち合わせしねぇ? 俺が案内してやるよ!」

 

「MAPがあるだろ」

 

「良いじゃんかよー。リアルのダチとゲームで盛り上がりたいんだよー」

 

 

 暑苦しく駄々をこねる雄介に溜め息が出る。俺の腕を引っ張るな、キモいぞ。

 

 

「分かった分かった。8時頃に塔で集合、これでどうだ?」

 

「8時だなっ? 絶対だぞ!」

 

 

 仕方がない。このままだとウザいし、付き合ってやることにするか。

 

 ◇

 

 そんなこんなで7時45分だ。

 7時頃に飯を食って風呂に入り、歯を磨いてトイレも済ませた。

 あとは寝るだけってスタイルを作っておく。これで ログアウト後に直ぐ寝れる。

 

 VRギアを装着してベッドに横になる。

 起動と同時に俺の視界がホワイトアウトして直ぐに、鮮明な景色が戻ってきた。

 木目調の天井が見える。ゲーム内の住居、武偵寮の部屋だ。

 服装は武偵校の防弾坊刃制服。ブレザーの下にガンホルスターも確認した。

 

 

「そういえばナイフ忘れてたな」

 

 

 思い出す。武偵校の規則に帯銃帯刀が課せられていた。

 昨日はナイフを買うことも視野に入れていたが、銃を試したいばかりに、早々に塔へ向かってしまった。

 武偵生をロールプレイするなら、そこも徹底しないとな。

 

 何て考えていると、〈フレンド小夜からメッセージを受信しました〉とログが視界に現れた。

 昨日の別れ際、小夜がゲーム内で寝泊まりする寮の前でID を交換してフレンドになった。フレンドであれば、ログインしてるかとか、位置情報を得られたりだとかができる。待ち合わせをするには便利って機能だ。

 

 これはゲーム内で携帯電話を買って機能を移すことが可能で、ステータスなんかも携帯電話で確認することができるようになるらしい。

 ただ安くても50万ガルはするらしく、今は手が出せない。

 

 閑話休題。

 

 

『コーイチさん、宜しければ今日も一緒にプレイしませんか?』

 

 

 メッセージを開くと、お誘いの言葉が添えられていた。

 

 

『連れが一人いるんだが、大丈夫か?』

 

 

 そう返すと直ぐに、『大丈夫です』と返信がきた。

 小夜の方もさっきログインしたばかりだそうで、まだ寮にいるらしい。

 なので、待ち合わせは塔に近い小夜の寮の前に決まった。

 仕度はすでに済ませてある。俺は財布も確認して待ち合わせ場所に向かった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。