磯波へ。
拝啓。お元気ですか。
最初の秘書艦が五月雨ならば、貴女は最初の建造艦でしたね。
思えば最初期のころは、誰が艦隊に着任しても嬉しい時期でした。
そして、戦力の乏しさ故に、深海棲艦に苦戦していた時期でもありました。
馬鹿な私は、ドロップ艦に拘るあまり、建造をほとんどしない過ちを犯し、貴女たちを苦しめた。
本当に申し訳なく思っています。あの頃の私をぶん殴ってやりたい気分です。
戦艦や空母がいれば、楽になったというのに。
それでも、貴女と五月雨は、めげずに戦ってくれました。
どんなにぼろぼろになっても。どれだけ大破して苦しんでも。私を信じて付いてきてくれた。
本当に感謝しています。
ふふ、そうでした白雪もでしたね。
五月雨が一生懸命頑張る子なら、貴女は後ろから黙ってついてくるような子でした。
ふとした時に、居てくれて。何気ない事を手伝ってくれて。
そして影で一生懸命、努力してくれた事を知っています。
磯波。貴女もまた違った意味での頑張り屋さんだった。
最前線のメンバーから外されても、遠征部隊として艦隊を支えてくれた。
遠征部隊から外されて、後方要因になっても、めげずに努力していたこと。筆頭秘書艦の霞からも聞いています。
そして、大破して入渠しながら、傷つき苦しんでいる子のために、わざわざ有給をとってまでお見舞いに行っていたのも。
そんな子の為に、買い出しに出かけて、甲斐甲斐しく世話を焼いていたのも。
知っています。
貴女は仲間想いの、とても優しい子で。私が大型海域攻略戦で苦しんでいるときも、少し休みましょうと励ましてくれた。
貴女のちょっとした優ししさに、誰もが救われていました。
そして、知っていましたか。
貴女は最初期の古参組で、艦隊着任順でのナンバー2だった。
それ故に、軽巡洋艦の子達どころか、戦艦や空母組まで貴女を慕っている。
鎮守府を最初から支え続けた。そんな存在として。
練度37と低くても決して軽く扱ったりはしない。
努力し続ける貴女の実力。そして気配りができる術を知っているという経験。
いずれも私にはない力であり、小さくとも艦隊を支える確かな力です。
だから、自信を持っていいですよ。
頑張りすぎて身体を壊さないように注意してくださいね。
貴女の優しい言葉に救われた。
貴女の努力する姿に救われた。
まったく、五月雨といい、貴女といい。
最初期の艦隊は頑張り屋さんばかりで、私は困ってしまいます。
頑張り続ける。そんな貴女たちの姿はとてもまぶしいから。
ありがとう磯波。
最初の不甲斐ない私を支えてくれて、ありがとう。
本当にありがとう。
そして、ごめんなさい。
提督へ。
あの、お元気でしょうか。
提督のお手紙を読んで、過大な評価に嬉しくなりました。
頑張っていた私を、ちゃんと見てくれていて。それを知れて。
思わず涙が……
ごめんなさい。手紙が濡れてしまいました。
でも、提督に言いたいことがあるんです。伝えたいこと。
提督は決して、不甲斐ない人ではありませんでしたよ?
覚えていますか?
潜水艦が出現するようになって、トラウマで震える私を。
役立たずになってしまった私を、提督はとても優しく慰めてくれたことを。
怖くて、怖くて。涙が止まらなくて。震えが止まらなくて。
部屋で何もできなかった私を、提督は抱きしめてくれました。
とってもあったかい手で背中を擦ってくれて。あの冷たい海の底に沈んでいく記憶を少しでも忘れさせてくれた。
人の温もりを抱いたまま沈んで、冷たい海の底で、人の温もりを忘れようとしていた私を。とても恐ろしい記憶に苦しむ私を癒してくれた。
それだけで、私の気持ちは感謝でいっぱいです。
あの恩はいつまでも、いつまでも忘れません。
提督。今までありがとうございました。
そして、……。やっぱり書きたくない。
でも、これを書いたらていとくは……
提督。ごめんなさい。
気持ちの整理がついてないみたいです。
落ち着いたら、本当の気持ちを書きます。
迷惑かもしれませんが、本当の気持ちを書きます。
そして、わがままな、私でごめんなさい。
提督、いつか続きを書いて海に流します。
提督が見ているか分からないけれど、提督に届くと信じて。海に流します。
変なこと書いてしまって、ごめんなさい。
提督がいつまでも元気でありますように。
ありがとう提督。大好きな提督。
ありがとう。