やっと退院できました。
中間テストが目前まで迫った放課後、俺は部室にいた。
まぁ、部室に居てもやることはいつもと変わらず、先生の仕事の手伝いだ。
ん?勉強しろ?テストなんて、授業聞いてれば60点は堅い。
そんなこんなで、平塚先生に捕まり、仕事を押しつ……頼まれて、終わらせている。
勿論、俺は高校生なので、できる範囲は限られているが、それでもなんとかなっている。
「ハァ~疲れた。てか平塚先生どこに行ったんだよ」
そう独り言を漏らした俺は悪くないと思う。
因みに平塚先生は俺に仕事を任せる(押しつけるとも言う)と、下駄箱の方へと歩いていった。なにすんだろ?
そんな事を思っていると、平塚先生が、教室に泣きながら入ってきた。
正直興味ないので、敢えて聞かないが何かあったのは間違いないのだろう。というか、結婚できませんよ?的なことをいわれたのだろう。
まぁ、放置を決め込んだ俺は再び先生に任された仕事を続ける。
俺から言った事とは言え、これは高校男児のやることではない気がするのは気のせいだろうか?いや、今更だな。
そうして、仕事を続けていると、ある程度落ち着いたのか、先生が話しかけてきた。。
「見苦しいところを見せたな」
「いえ、気にしないでください。先生はそのうち結婚できますから」
「そ、そうか。ならいいのだが。そういえば東山はなにもしていないのだな?」
なにもしてない?失礼な。こうして先生の仕事を片付けているじゃないか。
「あー、いや、そういう意味ではなくてだな。奉仕部として、雪ノ下達が依頼を受けたようなのだが、君はなにもしないのか?と思ってな」
先生は俺の心を見透かしたように、言ってきた。
まぁ、先生は雪ノ下達から、何かを聞かされたようだが、俺はなにも聞かせれてない。てか、ナチュラルにハブられてるし。
「あいつらが何かを川崎にしていたのは知ってましたが、何か依頼を受けたんですか?」
「あぁ、どうやらそうらしい。校外でも依頼を受け、解決しようと動く、部活愛に溢れていいと思わないかね?」
「えぇ、確かにそうですね。だからといって、先生の仕事を押しつけないでください」
「何を言っているのかね?その事は、昨年君から申し出たことじゃないか。だから、私は気兼ねなく君に仕事を任せているのだよ。それに私は生徒にさせてはならない仕事を与えていないし、きちんとミスをしていないか確認もしている。何か問題があったかね?」
そう言われると弱い。確かに、先生から押しつけられる仕事は、大体が書類を分けることか、行事などの手伝いが主だ。重要な部分は先生がチェックするみたいだし、問題はない。
まぁ、だからと言ってテスト前にも手伝わせなくてもいいじゃないか。家帰ってゲームしたいんだよ。
「ハァ~、もういいです。それで、川崎がどうかしたんですか?」
この話をしてもどうしようもないので、話を戻すことにした。
「あぁ、どうやら最近彼女は家に帰るのが遅いらしい。なんでも5時帰りとの事だ」
「そうなんですか」
「なんだ?反応が薄いな」
「当たり前ですよ。そんな赤の他人の事なんて興味ないですから。俺は関わってこないひとに関わる気はありません。まーぁ、比企谷は別ですけど」
「そ、そうか。ところで東山、君は雪ノ下の事をどう思うかね?」
唐突になんだ?
まぁ、雪ノ下の事を気にかけているのだろう。話した感じ人付き合いが得意ではないのは確かだし、性格的に人を寄せ付けないのも確かなのだろう。だから、平塚先生は、雪ノ下の事を気にかけているのかな。
まぁ、ここで嘘を言う必要は無いので正直に答えるとしよう。
「そうですねー。正しいことを正しいとしか伝えれず、自分が一番であり続けようとする。そんな感じですかね?」
まぁ、最も一番であり続けるための障害はあの人なのだろうが。それを言ってもしょうがないので言わないでおく。
「そうか。因みに正しいことを正しいとしか伝えれない、と言ったのはどう言うことか聞いてもいいかね?」
「あー、まぁいいですよ。俺が見た雪ノ下は、法律や、校則、マナーなどの人間として当たり前の事を言っているにすぎません。また、雪ノ下は、それが出来ない人に対して、どこが違うのか、どこがダメなのか、それを他者に伝えることを苦手としている。そう思ったから、ですかね」
この事を伝えると平塚先生はどこが納得したように頷いた。
今のでなにか納得する要素はあったのだろうか?まぁ、気にするだけ無駄だろう。
そして、先生と話している間に押しつけられた仕事は終わった。
職員室に向かう道中、俺と先生は最近の奉仕部について話していた。どうやら、部室で先生が言っていたことは川崎の弟からの依頼らしい。姉が夜遅くと言うより朝帰りなのが心配で、比企谷の妹経由で受けたようだ。
まぁ、俺がこれと言って動く事はないだろう。ただ唯一気になると言えば、雪ノ下の存在だ。
なぜ気になるのかというと、部室でも言った通り、雪ノ下は正しいことを正しいとしか伝えれないのだ。それがたとえ何かしらの事情があったとしても。
更にそれを高圧的に言うから、相手の神経を逆撫でするような形になることは、想像できる。
そう考えると雪ノ下も充分問題児だな。
よく雪ノ下を孤高や高嶺の花と表現するやつがいるが、どう考えても、孤独と言う言葉が似合うだろう。
因みに比企谷は、孤立と言う言葉が似合っている。
まぁ、最近はその言葉から違う形に進んでいるが、どう頑張ってもひとの本質は変わらない。
二人を表現するなら、孤独な少女と孤立した少年というところか。
そんな事を考えているとどうやら、職員室の前に着いたようだ。
「東山、ここまででいいぞ」
「そうですか。なら、もう帰りますね」
「あぁ、そうしてくれ。くれぐれも問題を起こさないよう気をつけるんだぞ?」
「ハハハ善処します」
そんな会話をして、俺は家路についた。
そして、家につくと咲が出迎えてくれた。エプロン姿は可愛い、可愛いのだが仄かに香る残念な臭い。その残念な臭いさえなければ鼻血を出して気絶していたかもしれない。
ほんと残念な妹でよかったと思うよ。はいそこ、シスコン乙とか言わない。
「お帰り、お兄ちゃん」
「ただいま、咲。今日の晩飯はなんだ?」
「ふっふーん。今日の晩御飯は、お兄ちゃんの大好きなさk…」
「えぇと、冷食でなんかあったっけ?」
咲が変なことを言い出したのでスルーして、冷凍庫の中身を見る。キッチンに行くときにちらっと料理が見えたがこれも敢えてスルーして、冷凍庫を覗き込む。
「ねぇ、お兄ちゃん、お兄ちゃんは咲の作ったご飯タベタクナイノ?」
最後の部分が片言になっているのが少し怖いが、もうこのやり取りも慣れた。
いや、慣れてはいけないのだろうが、似たようなやり取りを毎日続けると慣れてしまう。俺は悪くねー!!
「そんなことないぞ。俺はお前の作った飯はうまいと思ってるぞ。ただ、毎度言うがお前が余計なことをするのが悪いからな?」
「さ、咲は悪くないもん。ただちょっとお兄ちゃんに………して欲しいだけなんだもん」
途中なに言ったのかわからなかったが、一応咲も乙女、乙女か?なのだ。追求しないでおこう。
それからはやはりいつもと変わらない一日を過ごした。
咲の作ったマーボーはとてもおいしかったです。妹じゃなければ、告白していました。
とだけ伝えておく。
結局東山は依頼を受けませんでした。
実はこの展開にするか、原作通りに進んでいるのを眺めているだけにするか迷って結果こういう形でまとまりました。
次回は職場見学です。
オリジナル要素たっぷりなこの作品ですが今後ともよろしくお願いします。